陽太お兄ちゃんに来て欲しくなかった理由
優子さんや他のお母様は保護者会があるという事で会議室へと行ってしまった。
これって今決まったよね?だって次の授業も見ていけるんだよ。お母様たちは優子さんに色々聞きたいだけだよね。
「男性様は見ていってください」
「出来れば他の子も見てください。ウチの娘はあそこです」
いや俺は優ちゃんだけ見れたらいいんだけど…
その優ちゃんはといえばクラスメイトに連れて行かれて絶賛質問責め中だ。
あっ、ボッチになった。
いやいや、授業参観の男親なんてこんなものだろう。普通だよ普通。
チラチラと見られているから俺から話しかけられたら…無理だよ、話題が無さ過ぎる。
こういう時こそ催眠アプリだよな?
最近使ってなかったから忘れられてるよ。
「あの、陽太先輩!」
陽太先輩?
先輩…なんて良い響きなんだ。
前世も合わせて初めて呼ばれた。
先輩、センパイ、せんぱい♡
ちょっと生意気な後輩からはパイセンなんて呼ばれたい。
「「先輩、陽太先輩!」」
二人の女の子が俺を先輩と呼ぶ。
「先輩?俺がか?」
「そうですよ、この間の模擬試験で陽太先輩の通う学園のA判定貰えたんです!来年から後輩になります。それで、私たちの事覚えてますか?」
来た、覚えてますか?この手の質問が一番困るんだよな。向こうが覚えてて、こっちが忘れて…あっ、覚えてたわ。この子たち。
「学園祭に来てくれた子だよね?一番最初に当たりブロマイド引いた子だ!優ちゃんと同じ学校だったんだね」
学園祭で鼻血を出しながら友達に当たり報告をしていた子だ。
「見せてよ」「嫌よ」なんてやっていたな。
「A判定だなんて頑張ったね。でもウチの学園は男子もいるから性欲を抑える試験もあったはず、それは大丈夫なの?」
「それは…」
そうだよね、不安だよね。
そんなの先輩に任せなさい。
「ほらっ、抱き着いていいよ。勉強頑張ったご褒美、それと性欲抑える練習ね。ほら、おいで」
俺からは抱き締めてあげられない。
相手は中学生だし。この世界ではアリかも知れないがやっぱり無理。
ギュっとハグしても平気そうだ。
「うん、大丈夫そうだね。頭ポンポン、勉強頑張ったねエライエライ」
「はぅ♡それはダメ、いくっ♡」
「良子!大丈夫?って、なんだ逝っただけか。私は可奈って言います。私はB判定でしたが練習させてください。ギュ~!はぅぅ♡すき、ぃくっ♡」
あらら、これで試験は大丈夫なのか?
良子ちゃんに可奈ちゃん、もう少し頑張れ。
優ちゃん、良子ちゃん、可奈ちゃん。
あれだ!優、良、可みたいで覚え易いな。
あとは秀ちゃん、不可ちゃんが居れば完璧。
不可ちゃんは流石に居ないよなぁ。
「「「こんな男子と同じ学園に行きたい」」」
「「「私も進路変える!」」」
「「「だからハグしてください!」」」
「「「逝かせてください♡」」」
じゃあ順番ね。
「ちょっと!陽太お兄ちゃん!皆にハグしないで!皆も今さら進路変えるなんて言わないでよ!優ちゃんC判定なんだから、これ以上倍率高くなったらヤバいの!あ~だから陽太お兄ちゃんに来て欲しくなかったのに!」
来て欲しくなかった理由はこれか。
俺と同じ学園に通いたくなる子を増やしたくなかったんだな。
優ちゃんがC判定って、優ちゃんが不可ちゃんだったのかよ。
「陽太お兄ちゃんから離れて!次の授業が始まるから美術室に行くよ!」
次は美術の授業なのか。
見学させてもらおう。




