過酷で甘美なトレーニング
ランニングで心拍数が上がった直後、学園の体育館はさらなる熱気に包まれた。
悠斗ガールズが考案し、俺たちが独自に進化させたセクササイズ。
それは、肉体への負荷と精神への刺激を極限まで掛け合わせた、この学園で最も過酷で甘美なトレーニングだ。
「くっ、もう、腕が、動か、ない…!」
「腹筋が…ちぎ、れる…!」
あちこちで、男子生徒たちの悲鳴が上がる。
女子を下に敷き、体操服を着たまま覆いかぶさるような体位での腕立て伏せ。
あるいは、女子に太ももより少し上に乗られ、起き上がるたびに唇が至近距離で触れ合う腹筋。
運動経験のない彼らにとっては、自重を支えるだけでも地獄だが、追い打ちをかけるのは女子たちの声だった。
「ほら、あと十回!できないなら、今夜の『お仕置き』もっと激しくしちゃうわよ?」
「耳元でそんなに吐息を漏らさないで♡頑張ったら、少しだけ、ご褒美あげてもいいけど?」
甘くセクシーな囁きが男子たちの下半身を直撃した。
脳内からアドレナリンが噴出。
限界を迎えたはずの筋肉が、本能的な衝動によって再び動き出す。
そんな修羅場の中、俺、悠斗、アラン君の居る中央の一画だけは異次元の光景が広がっていた。
俺は、クラスメイトを下に、そして優ちゃんを上に抱えるような複雑な三位一体の体位で、余裕の表情で腕立て伏せを繰り返している。
しかも、ただの運動じゃない。
「優ちゃん、ここ、少し凝ってるんじゃない? こっちの子も、ここ気持ちいい?」
俺は、身体を上下させる一瞬の隙に、空いた片手を魔法のように操り、優ちゃんやクラスメイト、さらには隣で見ている子の敏感な突起(肩甲骨のコリや、首筋の秘孔、服の上からわかる突起)を、的確に、そして優しく撫で上げる。
「あんっ♡ちょっ、陽太お兄ちゃん、そこは…っあん♡」
「…運動中にそんなところを…弄るなんて…っ♡」
全員その指先のテクニックに頬を染め、吐息を漏らす。
悠斗もアラン君も迷い無く指先を動かし、女子を沈めていた。
やっぱセクササイズはこうじゃなきゃな!
周囲で必死に腕立てをしていた男子たちは、その光景に目を見開いていた。
「バカな…片手であんな複雑な動きをしながら、呼吸一つ乱さないなんて…!」
「しかも、二人を同時にイカ…いや、悶絶させている…あれが、真の優しさを極めた男の神業か!」
注目するのはソコじゃない。
女子を喜ばせ、悦ばせる。
彼らにも、そこに快感を覚えるようになってもらいたい。
授業が終わるまで道場には「あん♡」「はぁ…」という、運動中とは思えない艶やかな声が反響し、もはやここは学園なのか楽園なのか判別がつかない状態になっていた。
俺は、心地よい汗を拭いながら、力尽きて床に転がっている男子たちに微笑みかける。
「みんな、お疲れ様。下半身を刺激されると、筋肉の成長ホルモンも活性化されるからね。明日にはもっと、いい男になれているはずだよ」
俺の言葉と、俺の指先が残した熱にヤられている女子たちの様子を見て、男子たちは気合いが入ったようだ。
「陽太先輩の域に達すれば、指一本で世界を支配できる!」
「僕も陽太先輩のようになれますか?」
なれるけど、世界は支配しなくてもいいからね。




