表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
婚約破棄されて龍の生贄にされたけど、美味しいごはんで生き延びます! ~龍帝様のいけにえごはん~  作者: モリタ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

41/48

青の龍とゲーム・ナイト⑬

「いっ、いらっしゃいませ、上兄様、下兄様! ほっ、本日は僕のパーティにお越しくださり、真にありがとうございますっ!」


 青くんと買い物に行った日から、しばらく経った日の、夕暮れ時。

 今夜の準備を済ませた空き部屋へと、お誘いしたとおりにやってきてくれた赤龍帝様と白様に、青くんがひどく緊張した様子でそう挨拶をした。


「青よ、久しいな。会えて嬉しいぞ」

「青君、また大きくなりましたね。あなたの成長、私も嬉しく思います」


 それに、穏やかな笑みとともに応えるお二人。

 だけどなんというか、やはり、同じ場所に住んでいる兄弟なのに、その挨拶には若干の距離がある。


 兄弟というより、どちらかというと、久しぶりに会った遠い親戚のようだ。

 三人は、どれぐらい顔を合わせていなかったのだろう。

 私がそんなことを考えていると、そこで青くんが興奮した様子でこう言った。


「へ、へへ。来てくれて、本当に嬉しいです。その……人間の道具で遊ぶなんて、って、断られるかもって思ってたから」


 そう、それが問題だった。

 赤龍帝様は、龍が人間に関わることを禁じているらしい。

 でも、青くんはそれを隠れて楽しむのではなく、とどうしても兄たちと一緒に遊びたいと言うのだ。


『でも、怖くてどう言えばいいのか……。兄様たちの前だと、僕、あがっちゃってうまく喋れないと思う。どうすればいいと思う?』


 と聞くので、私は『手紙を書いてはどうでしょう。人間は誰かにしっかり伝えたいことがある時、そうするのです』と提案したのだった。

 それに青くんは良いことを聞いたとばかりに喜び、心のこもった招待状をしたためた。


そして、私がそれを受け取り、使いとしてお二人に渡したのである。

それを読むと、赤龍帝様は難しい顔をし、そして白様はとても嬉しそうな表情をしたのであった。


「……正直、龍の王として、人間と関わることを禁止した身としては、なんとも言えぬところだ。だが、可愛い弟がそうしたい、というのならば……まあ、仕方あるまい」


 と、仏頂面で言う赤龍帝様。

 すると、それを聞いた白様が、クスクス笑いとともにこう言った。


「それはもちろん、許さざるを得ないでしょう。なにしろ、禁止なさった兄上みずからが、先に破ってしまわれたわけですから。しかもそれが、ペットであるウルリカを甘やかすため、という、とても私的な理由ですしね」


「むうっ……」


 それに、気まずそうに声を上げる赤龍帝様。

 そう、白様もとっくにご存じなのである。

 私たちが人間の街に散歩に行ったことは。


 なにしろ、私が人間の街で本を仕入れ、お土産として渡したのだから当然だ。

 さすがに、お世話になっている白様に手ぶらでは帰れなかったのである。

 そう、それは決して、これを機に白様も散歩に連れて行ってくれないかなー! なんていう、下心による行動ではないのだ。

 

 本当である。

 とか私が考えていると、そこで赤龍帝様が、長兄の威厳を取り戻せとばかりに咳ばらいをし、そしてこう言った。


「とにかく、目立たぬよう街に行って、交換をしてくるぐらいならば今後は許そう。ただ、人間の生活をおびやかさぬよう、細心の注意を払うように」

「う、うん。もちろんだよ、上兄様」


 と、ひきつった笑みで言う青くん。

 まあ、そうだよね。まさか人間の街で雷を落としまくり、あちこち壊しました、なんて言えるわけがない。


 こればかりは、私たち二人だけの、永遠の秘密である。


「それで、青君。私たちで人間の道具を使って遊ぶ、というお話でしたが」

「あっ、はい、下兄様! その、実はいくつか用意したのですがっ」


 そう白様が進行を促すと、青くんが慌てた様子でテーブルを指し示した。

 四人で囲めるテーブルで、この空き部屋に私たちが運び込んだものだ。

 そのテーブルには、中央に火の灯った燭台が置かれ、周りにはいくつか、私たちで厳選した玩具が置かれている。


「さっ、最初はこれでどうでしょう! 簡単で、気軽に遊べるんですっ!」


 そんな玩具の一つを手に取ると、青くんが緊張した様子でそう言う。

 それは、紙の上にいくつものマスが描かれ、それぞれに指示が書かれたもの。

 赤龍帝はそんな玩具を不思議そうに見つめた後、「これは、なんという道具だ?」と私に聞いてきた。


 なので、私はテーブルの上のサイコロを取って、見せながらこう答えたのだった。


「これは、すごろくというゲームです。このサイコロを使って、ゴールする順位を競い合うゲームなんですよ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ