表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
何者でもなく、何者にもなれず、今後とも何者かになるつもりはない  作者: 中原 誓
3. 夏の章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

32/38

アウトドアの星空

 今シーズン2度目のキャンプに行ったのは、とある町営キャンプ場である。


 ここのよい所は、ペット連れがOKな事、車を横付けできる事、前日でも予約が取れる事、何より料金が安い事だ。


 欠点ももちろんある。


 初見では道に迷う。しばらくぶりに行っても迷う。

 民家もない道路の途中で、カーナビに『目的地周辺です』と言われ、覗き見れば、崖の下にバンガローの赤い屋根が見える。

……曲がるとこ間違えた。


 ゴミは持ち帰り。トイレにハンドソープはない。が、これは知っていればどうとでもなる。


 8月は純白の巨大蛾の巣窟。これは如何(いかん)ともしがたい。

……朝になるとアスファルトの上に落ちているのがキモコワイ。


 しかし、どんな不自由があろうと、森や野原から見上げる真夜中の空がすべてを打ち消す。


 月のない夜には、星のきらめきは突き刺すように明るい。木々の葉が影絵でできたレースのように重なり合い、満天の星空を丸く縁取る。


 魔法が満ちる。


 白い蛾さえも妖精の羽根に変わり、冒険者達の野営の焚き火が揺らめく。


 音は森に飲み込まれ、静寂が耳に残る。


 夜露に濡れた草を踏み分け現れるのは、森の王たる灰色の狼。



 そうして



 物語は生まれる。




 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ