打倒贅肉。そして…
あのB級映画のような日々からはや1週間。
私は毎日スミンさんの指導の下、護身術を学んでおります。
いやぁこれいいダイエットです。
腕つかまれたらこう!とか、あれですわ。痴漢にあったとき!みたいな。
たまにスミンさんがすごすぎて、理解できないときがあるけど。
身体能力の差っていうやつですね。
どうせなら~と高たんぱく低カロリーをイメージした食事をしていたら、なんとお腹がひっこんできたではありませんか!!
「やせたー!」
体重計がない世界で油断していたお腹がひっこみましたのよ!!
ドロワーズにぷよっと乗って存在感をこれでもか!とだしていたお腹が!!
ボクササイズが痩せるわけだ…。
「…やせた、だと?」
「うん?」
なんだって?みたいな表情を見せたスミンさん。
いやお腹はひっこみましたし、そういえば自分で言うのもあれだけどあごのラインがしゅっとしたんちゃうこれ!
腕も振袖が留袖になってきてるしきたこれ!
「うひょあ!」
ガシッッと後ろからお腹を触られました。
周りに部下もいるの忘れてないかしらこの人。
「…夕月、飯を食え。痩せてはならん」
なんだって?という表情を私がする番だった。
どうにもこの世界はふくよか~な感じがもてるらしい。
むちむちが。いやそりゃ嬉しいけどむちむちすぎて私の場合健康を害するかと思ってたんだよ。
「いや、今がどっちかっていうとベスト体重ぐらいだと思う」
そもそも私は背も高いし、なんていっても骨太。骨格ががっしりさんなのであって、痩せたところで華奢な肩とかぺったんこでうっすいお腹とは無縁の生活だ。
納得いかんという感じだけど、あえてここは全力でスルーさせていただこう。
と、思っていたのだけど。
なんと。魔力コントロールの練習を始めてわかったのだが。
「糖分たりません…」
そう。結局魔力とはこっちの世界の言語を理解していないといけないということ。
文献の人は晩年理解していたようだけど、それでも日常生活に使う言葉だけですべてではない。
私はなぜだか理解ができているということ。
で、そのコントロールには、頭を使う。
物事の正確なイメージが必要だと言われたが、なんといか、イメージっちゃそうなんだけどちょっと違うような…。
たとえば水を出せ!とイメージしたところで、そうはいかない。
空気中の水分を集めて、蛇口からだすようなイメージをしたら、目の前にそう現れる。
なので物理?が必要となるわけだ。
ごめん、正直物理ってそんなんかもう記憶のかなたでわからんのだけど。
という感じで、イメージも正確なものを瞬時に考えて規模も調整するとなると、すごく疲れる。
そして先ほどの糖分が…となったのだ。
そうなったらあれですよ。
魔術の時間はそんな激しく運動していないのに、甘いもの自分で焼いてもっしゃもっしゃ食べちゃうから、少しぷよっとしてしまった。
スミンさんは満足そうにしてたけどさ。
何も考えずイメージしてしまうと規模が勝手に最大になってしまって壊滅状態になってしまうのだから、仕方ないけど。
でもこれで次悪の軍団にさらわれそうになっても大丈夫。
急所全力で狙い撃ちしてやるわぁ!
私、この世界で悪の軍団を戦います。見守っててね、神様。