「龍神の巫女」予告編
★★★第一部「龍神の生贄」に続く第二部の予告です★★★
――千年の眠りを破り、陶器の筒が土中から姿を現す。
潜龍窟の前。
地中レーダーの反応を頼りに掘り進めると、
漆で密封された経筒が埋められていた。
結衣と仁が蓋を開ける。
ぎっしり詰められた木炭の奥から現れたのは、
柿渋紙に包まれた三つの包みだった。
一番上の小さな包みを開ける。
「……これ、おじいちゃんが真貴に持たせたお守りだ」
九頭竜神社のお守りが現れた。
二番の包みには「龍神巫女所述文章由来記」と記された書状。
そして経筒の底の包みから現れたのは、
「第一之巻」「第二之巻」「第三之巻」と記された巻物。
仁が言う。
「これは……真貴が見た“平安末期の信濃”そのものよ」
千年の昔、平安時代末期に戻って行った親友真貴からの手紙。
その瞬間、結衣の胸に、時を越えた鼓動が響き始める。
LEDライトに照らされ、千年の時を越えて息を吹き返す。
結衣が巻物を開くと、そこには真貴の言葉が綴られていた。
――物語は、千年前へと遡る。
◆
凶作に苦しむ村を救うために、
龍の洞に生贄として入った十歳の少女・真貴は、
千年後の二十一世紀の世界で十年を過ごし、
伝承通り、平安時代末期の村へと戻った。
――村は危機の最中に会った。
真貴が龍の洞から村に向かおうとすると、
龍の洞に向かってくる村人たちと遭遇する。
彼らは縄で縛られた少女を輿に乗せていた。
「この子を……贄に?」
村を襲う赤斑瘡――麻疹。
次々と倒れる村人たち。
恐怖に駆られた村は、流れ着いた母娘を“穢れ”として追い詰めていた。
「龍神様は、人の子の贄を望まれてはいません」
真貴は少女を抱き寄せ、村人の前に立ちはだかる。
村の寺で、祈祷を続ける良真和尚が震える声で告げた。
「……そなたの弟、小太郎も赤斑瘡に倒れておる」
胸が締めつけられる。
真貴は迷わず病人小屋へ向かった。
そこには、
高熱にうなされ、震える弟の姿があった。
「小太郎……」
看護学校で学んだ現代の医療の知識と技術。
そして、龍神の巫女としての覚悟。
真貴は、村人が恐れて近づこうとしない病人小屋に入り、治療を続ける。
その傍らには、赤斑瘡で母を亡くし、
村人らに生贄にされかけた少女が寄り添っていた。
「……あなた、赤斑瘡にかかったのね」
小さく頷く少女。
真貴はその手を取り、静かに言った。
「一緒に、みんなを助けよう」
◆
夜明け。
小太郎が薄く目を開けた。
「……あねうえさま……?」
十年前に別れた姉の姿。
その声。その温もり。
「十年前と変わらぬ童のようですね」
涙が溢れ、二人は抱き合った。
だが、赤斑瘡との戦いはまだ終わらない。
村人たちを救うには、滋養のある食べ物が必要だった。
真貴は小太郎の弓を手に山へ向かう。
狙うは、龍神に捧げる贄――雉。
矢が放たれ、羽が舞う。
――真貴は龍神に託された使命を果たせるか。真貴の挑戦が始まる。
◆
千年の時を越えて届いた真貴の記録。
そこに綴られていたのは “京を遠く離れ、歴史に名を残さなかった人々が、知恵と勇気で生き抜いた、誰も記さなかった平安末期”
『龍神の巫女――山深き村で、未来を紡いだ巫女――』
いま、千年の時を越えて物語が開かれる。
_/_/_/_/2026年2月から投稿予定です_/_/_/_/




