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06 逃げるんだよォ!


そして、俺が楽園(女子更衣室)への扉を開こうとしたとき...


 ガチャ


内側からある女の子が出てきた。


 「あ、お姉さま!」


昨日会った友梨佳だ!


ヤバい!

この子がいる状態で俺が着替えるとなると、襲われる未来しか想定できない。


ック!そうか、今日は二年生以外に一年生もいるんだった...

なら、いて当たり前だよな。


 「お姉さまは今から着替えるんですね!

 それなら私が手伝わせていただきます!えへへへ!」


そういって、よだれを垂らしながら少しずつ距離を縮めてくる変態...


ここでやることは...たった一つ!


 「逃げるんだよォ!」


 「あ!待ってください、お姉さま!」


ぎゃ~!追いかけてくる~!


俺が山登りで鍛えた脚力を見せてやるぜ!うぉぉ~!


俺は、迫りくる友梨佳から全力で逃げるのだった...



 ーー



 「はぁ...はぁ...何とかまいたか...」


ここは校舎の一階にあるトイレの中...

そこに俺は隠れていた。


何とか友梨佳から逃れることができた。

先ほど、「お姉さま~!」と呼ぶ声が遠くの方へ消えていくのが聞こえたので、もう大丈夫だろう。


 「さて、ここからどうするかな。」


追っ手を撒いたとはいえ、未だに探していることだろう。


 【なら、今ここで着替えちまったらいいんじゃねぇか?】


と、詩音さんが提案してきた。


 「なるほど...って、それじゃあ俺が女子更衣室に入れないじゃないか!」


 【だから入るなって言ってるだろ!】


ガッデム!なぜ神は俺に試練を与えるのか!


とはいえ、流石に身体測定を受けないわけにはいかない...

俺は渋々、トイレの中で着替えるのだった...



 ーー



 「ふぅ...いないようだな...」


ジャージに着替えた後、早速体育館に行こうとしたのだが、よくよく考えてみると身体測定の終わりにも着替えなければならないことに気が付いた。


つまり、移動中に友梨佳に見つかって一緒に身体測定を受けてしまうと、帰りは地獄となってしまう。

だから、友梨佳が探しに行っているうちに身体測定を受けてしまい、さっさと着替える必要がある。


だが、ここは体育館からやや離れた場所にある校舎だ。

校舎前や校舎の中を歩くと見つかる可能性が高い。


 「よし、行くか。」


そのため、校舎裏を通ってコッソリと体育館へ向かうことにした。


この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません。

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