9007列車 「はやぶさ13号」
レヴォーグは木古内駅へとやってきた。木古内駅は3月26日から新幹線の駅も開業し、新たな装いとなっている。僕たちがそんな木古内駅に来たのは13時45分頃だ。
「どうする。二人とも北海道新幹線乗る。」
「僕は乗るけど、萌はどうする。また乗る。」
「乗ろう。また来たんだし。」
「今治だけ悪いね。」
「いいよ。北海道新幹線はまたの機会に乗ることにするから。」
「ヨシッ、じゃあ行こう。」
僕はそう言うと何も持たずに降りた。
「おいおい。何か持つものはないのかい。」
今治はあきれながらそう聞いた。
「完全ジモピーになってるよねぇ。」
萌も続けた。まっ、萌は「いつものことだから」とその後に付け加えてくれた。
在来線の駅にはEH800に牽引される貨物列車が止まっている。北海道新幹線の木古内~新中小国信号所間は在来線と共用する。この列車はおそらく140キロで走る新幹線を先に通してからの発車となることだろう。って、新幹線はさっき駐車場で上だけだが見えていたか。ということはもうすぐの発車だ。
さて、その前に切符を買わなければ。
みどりの窓口へ行き、次の新函館北斗行きの列車「はやぶさ13号」の切符を取った。今治のすすめもあって、取ったのは3列側、4号車12番A席とB席だ。そういえば、前札幌に行ったときも3列側だったなぁ・・・。
道の駅で今治が目的のものを買うのにつきあい、僕たちは新幹線ホームに上がった。木古内の新幹線は通過線1本を含む対向式ホームだ。新幹線のホールとしてはなかなか見かけない形状をしている(隣駅奥津軽いまべつも同様)。ホームドアが設置されているのも、安全対策の一環である。
「まもなく、新函館北斗行きの列車が到着します。」
アナウンスが流れ、E5系新幹線が現れる。入線時に編成を確認したところU30だった。
「じゃ、函館で落ち合おうか。」
「うん。」
「警察に捕まらないように来てね。」
発車時刻が迫り、E5系のドアが閉まる。僕たちはこのまま新函館北斗までひとっ飛びだ。
「また、北海道新幹線乗ることになるとはね。」
「まぁ、今回の半分はこれが目的でもあるし。」
萌の言葉に僕はそう答える。
「ねぇ、ナガシィ。前の札幌行きはちょっと失敗だったんじゃない。」
「あっ、それはいえる。さすがに往復全部普通車はキツかったね。」
「私「はやぶさ30号」に乗ってる途中からおしりと足が痛かったんだけど。」
「僕は足が痛かったかなぁ・・・。」
おしりって・・・。
「最後の自由席は強烈だったわ。眠いのに全然寝れなかったし。」
「眠かったの。」
「痛くてそれどころじゃなかったの。ねぇ、今度北海道行くときは帰りだけでもいいからグリーン車乗ろう。でないと身が持たないわよ。まして稚内なんて、札幌よりももっと遠くなるのよ。」
「・・・。」
確かに萌のいうとおりだな・・・。
札幌から稚内間に走る特急「スーパー宗谷」の所要時間は「1号」で5時間5分。往復すればざっと10時間はかかる行程。一日に稚内~京都を移動しなくても、体への負担はバカにならない。
「そうするかぁ・・・。今度からはグリーン車ねぇ。」
「まぁ、料金バカ高くなるのは覚悟するからさ。」
「・・・だねぇ・・・。北海道往復するだけでも7万ぐらい飛んでったからグリーン車使ったら10万以上は軽く飛んでくんだろうからねぇ。」
「10万かぁ・・・。かける価値はあるわねぇ。」
「問題はグリーン車とれるかだなぁ・・・。東北はグリーン車1両しかないし、「スーパー宗谷」は半室だから、結構前に予約しないと席無くなるね。」
「グリーンとれなかったら、新幹線は「グラン」でもいいじゃん。」
「グリーン取れないから「グラン」かぁ・・・。贅沢だねぇ・・・。」
「でも、「宗谷」ってグリーン車のルかなぁ・・・。普通車でもあんまり乗らない気がするけど。」
4両で走る「特急」だもんなぁ・・・。その需要を疑いたくなるのは仕方ないか・・・。
「まっ、それはお金と時間と相談していこうかぁ。」
ふと外を見ると新幹線はトンネルから抜け出し、遠くの方には函館山が見えてきた。新幹線はここから左に舵を切り新函館北斗へと入っていく。今見える函館山の方に行くためには新函館北斗で在来線の快速「はこだてライナー」(一部普通)に乗るかえていく必要がある。なんだかんだ、函館本線の南部をほぼ乗り尽くしたことになるんだなぁ・・・今月だけで。
函館山が車窓から見えづらくなってくるともうすぐ終点に着く合図である。
「まもなく、終点|新函館北斗です。函館線はお乗り換えです。今日も北海道新幹線をご利用くださいまして、ありがとうございました。」




