9004列車 江差駅舎
瀬棚を出て、再び渡島半島を南下する。厚沢部の道の駅による前に営業時間の短い江差の道の駅により、その後|厚沢部の道の駅に寄った。道の駅に寄ってから江差にある今日泊まる場所に行った。
「ようやっとついた。」
今日泊まるのは民宿・・・といった方がいいのかな。広いフローリングを備える部屋が4つほどある建物だ。それぞれの部屋は独立しているため、ほかのグループがいても、気兼ねなく過ごすことができそうだ。だけど・・・。
「今治、泊まる部屋って一つだけ。」
「ああ、一つだけ。二つとるとその分高くなっちゃうし。」
「でも、萌はどうするの。」
「いいわよ。確かに、高くなるし、ナガシィたちだけ部屋代割り勘で私だけ割り勘じゃないって不公平だし。それに、今治君が襲ってきたりしたら、ナガシィ守ってくれるから大丈夫でしょ。」
「大丈夫じゃない。それ大丈夫じゃない。」
「まぁ、襲うことはないと思うから大丈夫だと思うけど。」
まぁ、そうかな・・・。高槻だと襲いそうな気もするけど、今回は仕事の都合で来てないし、大丈夫か。
「とりあえず、今治君が奥で、ナガシィが真ん中、私がドアに近いところに寝る。でいいでしょ。」
なんか勝手に決まったけど。
「いいよ。それで。」
「はーい。」
さて、寝るところが決まると、見に行く場所のことになった。
ここ江差は地方交通線だった江差線の終点でもあった。2014年、輸送量がきわめて少ない木古内~江差間を部分廃止した結果、現在の道南いさりび鉄道に移管された五稜郭~木古内間が残った状態となった。
その終点がここだ。江差駅前には小さいながらもロータリーが残っており、何台か車が止まることができるようになっている。バス停も残っており、時刻表を見ると今でもバスが発着しているようだ。駅舎の前には「ありがとう江差駅」と書かれた木の棒が立っている。その上にはJR制帽が乗っかり、ここが何関係だったのか分かる。駅舎もしっかりと残って、いや放置されているといった方がいいのかもしれない。最低限線路のあった場所に入れないようになっているだけの簡単なバリケードっぽいものが改札口だった場所にあるだけになっている。
(さすがに自動改札機はないか・・・。)
と思っていたら、今治が簡単なバリケードを通り越して、ホームへと入った。
「ちょっと今治、捕まるぞ。」
「今治君、住居不法侵入だよ、それ。」
僕と萌はそう言った。
「あっ、線路残ってる。」
「いや、線路残ってるじゃなくて。」
あきれている萌だったが、
「えっ、線路残ってる。」
(あっ、ナガシィが目覚めた。)
でも、駅員が中に入って改札をするタイプの改札口を超えていくことは不法侵入になるから、ほかに見えるところを探した。すると、改札口から見て左側に進んでいくと線路の終端がちょこっと見える場所があった。
今治の言うとおり線路がしっかりと残って・・・いや放置されている。
草で少々隠れたようになっているものの、残った線路と江差駅舎を見ていると今にもキハ40系が1両で走ってくるような気がする。
この遺構もいつかはなくなるのだろうなぁ・・・。




