あとがき②(どうしても捨てられなかった話)
ここからは少しだけ、軽い話を。
まず、名前です。
これは最後まで結構悩みました。
ちゃんと名前を出した方が、絶対感情移入しやすいんですよね。
分かってはいるんです。
でもそれをやると、
結局「個人の話」になってしまう気がして、
今回はあえて名前を出さない形を選びました。
その結果、作者だけがちょっと寂しい思いをしています。
(青、黄、紫もちゃんと考えてたんですけどね……)
あとケーブル。
これも「そんな都合よくそこにある?」って、自分でも思ってます。
ただ、今の時代って、
“アクセスできる場所がある”こと自体がすでに怖いんじゃないかと思っていて、
どこか一箇所でも穴があれば、
そこから全部持ち出せてしまう。
そういう意味で、あえて分かりやすい形にしています。
それからもう一つ、
この世界のシステムは、
決して完璧に管理されたものではない想定です。
だからこそ、
人の使い回しだったり、
調整の甘さだったり、
そういう“綻び”が出てきます。
完璧な巨大システムではなくて、
無理をしながら回している現場。
そこに歪みが溜まって、
最終的に破綻していく。
そういうイメージでした。
……と、いろいろ書きましたが、
結局のところこの話は、
「見てしまったものを、
なかったことにできるか」
という一点に尽きるのかなと思っています。
ミナは何もしませんでした。
でも、何も知らなかったわけではありません。
その距離感が、
少しでも現実と重なって見えたら、
この物語は成立しているのかなと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。




