表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/36

23 条件

控室。


ミナは、少しだけ間を置いてから赤に聞く。


「……いつから、知ってたんですか」


自分でも、何を指しているのかははっきりしない。


あの線なのか、

さっきの接続なのか、

それとも、もっと前から続いている何かなのか。


それでも、聞いてしまう。


赤は、すぐには答えない。


少しだけ視線を外し、

何をどこまで言うべきかを測るみたいに、

ほんの短い時間だけ考えてから、口を開く。


「最初からじゃない」


そこで一度区切る。


「……途中から」


ミナは、その言葉をそのまま受け取る。


最初からではない。

途中から。


つまり、

知らないまま続けていた時間があって、

どこかで、それに気づいたということになる。


「……なんで、そのまま続けてるんですか」


言いながら、少しだけ違和感が残る。


気づいたなら、止まるのではないか。

あるいは、離れるのではないか。

そういう選択が、あっていいはずだと思う。


赤はミナを見る。

その視線は、強くはない。

ただ、何かをすでに決めている人間のそれだった。


「続けないと、届かない」


短い。


けれど、その言葉は、

説明よりも先に結論だけを置いたみたいに響く。


ミナは、その意味を考える。


何に、届くのか。

どこに、届くのか。


答えは出ない。


それでも、ひとつだけ分かる。

赤は、ただ従っているわけではない。

自分の意思で、ここに残っている。


続けている。


何かに向かって。

あるいは、何かを待ちながら。


届く条件を揃えながら、待っている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ