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中編 宇宙一最高のクリスマスプレゼント。

最近忙しく中々執筆出来ずに投稿が遅れてしまいました。

大変申し訳御座いません。

今回も最後までお読み頂ければ幸いです。


2016年12月25日月曜日。

千鶴と待ち合わせの矢原駅の時計の傍にあるベンチに俺は向かった。

駅の時計がガチャンと音を経てて新たな時を建てる。


9時00分。


千鶴が来るまで後一時間ある。

待ち合わせは10時だったからな。

それは普通に考えたらそうだって話だけどな。


「なっつん遅いよ、君は男の子なんだから女の子より早く来ないとカッコつかないぞぉ!」


千鶴の声。


「うるせぇ。今日も相変わらず早いんだな千鶴」


俺は頭をポリポリと掻く。

千鶴は寒ーいと言って手を擦り手に息を当てる。

俺は手元に隠していたホットココアを千鶴の頬に押し当てる。


「暖ったか!くれるの!?ねえくれるの!?」


俺は缶を開け一口飲む。

千鶴はああ!と口を大きく開いて地団駄を踏みいじわる!と怒鳴り上げる。


「冗談冗談、一緒に飲もうぜ」


俺は千鶴にココアを渡す。

千鶴はココアを飲み干した。


「ああ!何一人で飲み干してんだよ!」


千鶴はあちゃあちゃと言ってジダバタしながら無邪気に微笑んで、仕返し〜!と言ってにひひと楽しそうに笑った。

俺は慣れた手つきでポケットからコーンスープを取り出して千鶴に見せ付ける。


「ああ!ズルい!」


俺は今度は一緒に飲もうなと言って缶を開け千鶴に渡した。

千鶴は赤く染まった頬を更に赤く紅く染め上げて缶を両手で挟みうんと頷いた。

千鶴は一口飲んで俺に渡した。


「……ぷはぁ…熱いな」


千鶴は暖かいの間違いと肩をぶつけてにししと微笑む。

改札機にスマホを当てる。


「あれアイボンってメロン使えたっけ?」


千鶴は小首を傾げてそう聞いてきた。

俺は胸を張って最新機種だからなと自慢げにそう言った。


「何か鼻につく〜!」


俺はガハハと笑って改札を通り階段を降りる。

黄色のラインの手前で電車を待つ。

千鶴は俺の腕に絡み付いた。

半ば抱きつく様な形で。


2016年 12月25日

9時14分。

千鶴と電車が来るのを俺は待っていた。

すると便所にこびり付いた糞みたいなしつこく耳によくこびり付いた聞き慣れた声が聞こえてきた。

だけど声は少し変わっているからすぐに誰かは気づけなかった。





「あれゆっきーじゃん!?」


俺は声の先に振り返ると小学生の頃の親友が居た。


「陽翔か!?うわマジで久しぶり」


千鶴がこの人はって聞いてきたので俺はこいつについて説明をする。


「こいつは俺のお袋のけ」


陽翔はやめろぉお!と頭を抱えて俺の言葉を掻き消す。

笑いが止まらない。


「え、なになに!?けの続き!?」


陽翔は気にしなくていいんだよと千鶴の興奮を落ち着かせる。


「つうかあのじゃがいも小僧がこんな可愛い彼女さんが居るなんてな。俺なんて彼女未だに出来た事ないぜぇ…」


俺は千鶴の頭を撫でてこう言った。


「千鶴が俺の最初の…最後の彼女だよ。お前もきっと会えるさ、共に歩んで行きたいとそう思えるパートナーが。」


千鶴は照れ臭そうに俯く。


「そうだな。そうかもしれない。ありがとよゆっきー。俺はこれ以上はお邪魔虫だろ?また会おうぜ。アドレス変えてねぇよな?」


俺はああと頷いて手を振る。


「ねえなっつん今の人は前に言ってた親友くん?」


俺はそうそうと頷く。


「やっぱり!なっつん凄く楽しそうに陽翔くんのお話していたからすぐに分かったよ。良かったね久しぶりに会えて。」


俺はああと照れ臭く顔を隠すように頷く。


『まもなく電車が参ります…』


電車の音がする。

がたんがたんと。

今日は乗客数が多いなんてったって今日はクリスマスだから。




2016年12月25日。

9時26分。

広山駅に着いた。

路面電車に俺と千鶴は乗る。

今日は運良く座席に座れた。

千鶴と窓の景色を眺めた、凄く綺麗だった。

千鶴が。



───口に出して欲しかった。



「ねぇねぇなっつん、今日は私に奢らせてよ、お金!貯めてきたから」


千鶴は財布をチラつかせてそう言った。

俺は暫く悩んでこう言った。


「それはクリスマスプレゼントって受け取っていいか?」


千鶴はロマンチックだからあり!グッドポーズをした。

目的の場所で降りてパロコへ向かった。


「まだ新館行った事ないから楽しみい!どの服買おうかな」


千鶴はワクワクしていた。




何だかチワワみたいだ。


───それは可愛いって事かな?



あれから俺と千鶴は新たに出来たウィーアーと言う服屋に入って色々見て回った。


「ねぇなっつん!見てこれ!」


千鶴はヒラリンとプリセンスの様に回り試着したワンピースを見せ付けた。


「可愛すぎる!」


千鶴はそこまで言われるとは思わず照れ臭くなりエヘヘと笑って軽く俯いた。


「それどれくらいするの?」


千鶴はえっとねと言って値段を確認する。


「たっか!8000円もしたんだ…まあ可愛いけん仕方ないか…もっとお金溜まってから買おうかな」


俺は財布を確認する。

手持ちは使えるお金は9000円。


「千鶴それ買っていいか?」


千鶴はえ?と小首を傾げる。


「これ高いよ!?流石に…」


俺は千鶴の肩に手を置いてこう言った。


「これは俺が買いたいだけだよ。千鶴の為じゃない、俺の為だ。」


───暖かい微笑みだった。


俺は会計を済ませ服の入った茶袋を千鶴に渡す。


───自然と笑みが浮かんだんだ。真冬のはずなのにこの時間はいつも真夏だった。


「これってさクリスマスプレゼント…?」


───案外照れん坊。


「まだ」


千鶴はどゆこと?と首を傾げた。

俺はまあ良いだろと誤魔化して足早に店を出る。

千鶴は待ってよ〜と小走りで俺に駆け寄り腕に絡みつく。


「ありがと!なっつん!」


───気付かなかった。


「千鶴、ちょっとトイレ行ってくるわ。」


千鶴はおっけーと言って壁に凭れる。


───本当に長かった。


「うんちにしても遅いな…」


───今思えば本当に下手くそだ。呆れる程に。


「お待たせ!」


───何でトイレ行っただけでゼーハーしてるんだろう。何故これを疑わかなったのだろうか。


「遅い!懲役2000年に処す!」


俺は頭をポリポリと掻いてごめんと謝った。


───ソワソワし過ぎ。


外に出る。

千鶴の鼻に何かが落ちた。

白い結晶が溶ける。


「雪か!?」


皆が雪に驚く。

天は白く、地は琥珀。

千鶴はうわぁあ!とはしゃいでいた。


「ホワイトクリスマスだよ!!なっつん!!!」


───綺麗だった、雪よりも貴方の瞳が。


「とんだサプライズだな。」


千鶴は空を見てうんと頷く。


「やべー!電車止まったら終わりだ!」


通行人のその言葉が現実を鋭く突きつけやがった。


───台無しだ。







2016年12月25日

18時30分。

俺達はイルミネーションが煌めく河川を歩いていた。

ここだ、俺は駆ける。


「千鶴!」


千鶴が振り返る。

俺は膝を屈して指輪の箱を開く。


「そのえっと…俺はこれからの人生を君と共に歩んで行きたい!君と居る時間が俺にとっての生き甲斐で…その想いが君にとって重荷になるかもって不安だったけどこの想いを伝えずにはいられませんでした…君の想いを聴かせて欲しいです。」


千鶴は左手をそっと俺の目の前に突き出す。


───未だに思い出すだけで恋慕が募る。


俺は手が震える。

指輪を取る。

俺は震えて指輪が小指に嵌まろうとした。


───嫌だ、違う。


「やだ…違うでしょ」


その声音が俺の全身に桃色の炎を募らせた。

自分が情けないと感じる。

指輪が左手の薬指に嵌った。

千鶴は嵌った指輪を見詰める。


「ごめん…あんまり高いの買えなくて本当はダイヤモンドらしいんだけ」


千鶴は俺の言葉を遮った。


───ああ、何て


「綺麗…」


───嘘偽りのない真実の感情。本当に


「なっつん…ありがとう。宇宙一最高のクリスマスプレゼントをくれて」


───本当に…あなたが…






< 中編 ~完~ >







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