表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
70/97

077●黄金の一杯

ついに、その日が来た。

幾度も試作を重ね、数え切れない失敗を乗り越え、

ついに完成した・・・コロニア・ラベリア産、初のビール。

醸造所の空気は張り詰めていた。

誰もが黙って、ただその一人の到着を待っていた。

「来るぞ・・・。」

となりのやつが、小声で言った。

扉が開く。

ゴライブ総督が、足早に入ってくる。

その眼差しは、まるで戦場に向かう将軍のように鋭い。

「これが・・・完成品か?」

わたしは、震える手でグラスを差し出した。

冷えた黄金の液体。泡はきめ細かく、香りは芳醇。

自分たちの力の全てを、注ぎ込んだ一杯だった。

総督は、グラスを手に取り、じっと見つめる。

そして、静かに口元へ運ぶ。

一口。

緊張が走る。

「・・・うまい。」

その一言が、醸造所の空気を震わせ、壁に染み込むように響いた。

「これだ・・・これだあああ!!」

叫びが爆発する。

わたしたちは、思わず顔を見合わせ、そして笑った。

涙が出そうだった。

「よくやった!この味は、わたしの人生の中で、最も価値ある勝利だ!」

総督は、エダマメをつまみ、もう一口。

その顔には、満足と誇り、そして少しの涙が浮かんでいた。

わたしは、心の中でそっとつぶやいた。

お互い、この一杯のために、生きてきたんだ・・・。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ