表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
51/97

057⚫️名探偵、登場して退場

「そやけど、’ジュピター’、’そう、わたしは最初からおかしいと思っていました。犯人はあなただ!’みたいな、まどろっこしいのは、やめてや。」

「あっ、よく古典ミステリーであるやつですよね!僕、読んだことあります!」

「悪くないですけどね。わたしぐらいの年齢になると、結構、クラシック、好きなんですよ。」

「いや、副長、今回はストレートに解説してもらいましょうよ。ストーリーでは、5人も殺害されてから、真犯人わかるってあるけど、実際には手遅れよ。操舵も種明かしも、わかりやすいのが一番!」

「マリカさんのいうとおりです!女子を待たせてはダメですよお!」


ーはい、はい、わかっています。では、この’ジュピター’の分析結果から、再現映像を御覧ください。

「えっ、そんなん、もうできてんのん?!」


眼の前に広がる光景。恐竜人が見える。

漆黒の宇宙空間。その中を漂う巨大な艦内で、恐竜人が操縦席に座っている。

あっ、違うのが来た!’トリケラトプス’!口から砲撃だ!

躱した!反撃だ!発砲!大爆発!

それはそうだろうな。この艦が何かわからんが、どの恐竜艦も、口の砲は大きいもんな。


ー恐竜人の発想では、攻撃は口からするもの、というのが基本なのです。

どういうことだ?

ー例えば、ヒトが争う場合、多くが手をつかいます。

そのとおりだ。原始、その手に棒を持ち、石器を握り、矢をつがえた。

ーつまり、闘争の基本形態は、その生物の形状や習慣に寄るのです。

なるほどね。恐竜人は噛みつくのがオーソドックスだったのね。

あっ、降参する恐竜艦もあるんだ。どうなるの?

ー勝った者の支配下に置かれます。48体の恐竜艦隊は、このような闘いのあと、形成されました。


どこで見たのだろう?懐かしい感じだ。氷河期か?

没入感がすばらしいよね。

あっ、むこうにいるのは人類?

ホモ・サピエンスではないような・・・。


空から恐竜艦!あれは’ティラノサウルス’だ。

ヒト族、ひれ伏している。

仲間を差し出すのか?

選ばれたのか?乗り込む連中、嬉しそうだぞ。


ーこのように、恐竜人は定期的に植民惑星を巡っていました。そう、食糧確保のためです。それぞれの艦隊、船団はより多くの領有惑星を増やそうと、争っています。

・・・今では恐竜人は存在しないのか?

ー採取したデータでは、存在を確認できたのは、約1万年前までです。

なぜだ?滅んだのか?

ー母星はありました。しかし、大きな隕石に衝突されて砕けたようです。その後、新たな母星を探すことなく、植民星を巡回する移動の民であることを続けていました。

子孫を残せなかったのか?

ー1つの恐竜艦にファミリーで乗船していました。しかし、他のファミリーとの交配機会が減少し、遺伝子限界をむかえました。徐々に個体数が減少し、48体の艦隊を率いた、最後の一体が老衰で死亡したのが、先程お伝えした約1万年前です。


だが、その後も恐竜艦隊は動いていたのか?なぜだ?

ーテラの状況に沿って説明すると、生命体がいなくなっても、プラントは稼働を続けた、ということです。恐竜艦だけで、生き残りを続けて闘いを止めなかったということですね。

エネルギー補充やメンテナンスはどうだったんだ?

ーエネルギーは恒星や宇宙空間で採集していました。ただ、自己修復機能が不十分で、恐竜人がいなくなった後は、次第に作動不良となり艦数を減らしていきました。


それじゃあ、もともとは、もっと多くの恐竜艦隊があった、てことなのね。

ーそう推測されます。しかし、その根拠となるデータは乏しいですね。

なるほどなあ。文明や科学が進んでも、永遠の繁栄はないってことよね。

ーさて、それは回答不能です。今、ご覧いただいた内容も、信じるか信じないかは、あなたがた次第です。


「うわっ、もどった?!」

「えっ、時間、そんなに経ってないよ?!」

「うん、僕の思っていたとおりの推理だった!」

「本当かあ、ルドルフ?」

「で、これからどうしますか、艦長?」

「名探偵が退場したんだ。我々も退場しようじゃないか。こっそりともどるぞ。」

「了解!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ