027⚫️頭からまるかじり
「エネルギー反応はないんだな?」
「はい、この’モササウルス’型戦艦は、完全に沈黙しています。」
「よし、’おまけ’、探査機を射出するぞ。僚艦からも、同様だ。探査車を繰り出して、徹底的に調べ尽くすぞ。」
艦長であるわたしの命令に、全員がすばやく配置に着いた。
ティラノサウルス型戦艦と同じく、鼻先から尾びれまで、約10kmもある。
’トリケラトプス’型が8kmだったというから、
やはり王者級はデカいのだろうか?
答えを探すため、’モササウルス’に探査機が群がる。
「うーん、やっぱり操縦席らしきものには、お尻をつくところに穴があります。」
「共通しているね。と、いうことは’おまけ’が言ってたように、尻尾入れかも?」
「あっ、艦長!ホネ、骨みたいのがあります!」
クドーの言葉に全員がそのモニターに釘付けになる。
「複数の探査車で、詳しく探れ!」
全員が頭を抱える。
骨は、どうみても人類型とは異なる。
身長約2m。きれいに残った全身骨格が、映し出された。
しかも、四肢とともにシッポの骨らしきものまで。
さらに、この’恐竜人’のまわりには、無数の骨の残骸らしきものまであるのだ。
「これは、もう、直接行かなければならないな・・・。」
わたしの呟きにクドーが応える。
「意見具申!わたしが行きます!複数のメカロイドを連れていきます!絶対に、わたしです!」
「せやかてクドー、前の’ティラノサウルス’の時みたいに、ブービートラップがあるかもしれへんで。」
研究機関の報告では、前のティラノサウルス型戦艦では、
侵入者を感知するとその母船を砲撃する仕組みがあった。
今回も油断はできない。
「ですが、エネルギー反応がありません。もし艦長が出向かれて、万一のことがあれば、本調査艦隊全体に影響があります。ここは、副長たるわたしに、是非、お命じくださあい!」
クドー、こういう未知なもの、好きだからなあ。
普段から
「ピラミッドを作ったのは、宇宙人だった!」
「モー大陸の謎に決着」「人類と神との接点と石鹸」とか、
よく読んでるもん。
「クドー、ええけど、本気で興奮してるやろ?耳がピクピクしてるもん。」
「いえ、本官は冷静です!まちがいありません!絶対です!」
「あのー、わたしも行きたいんですけどお・・・。小説のネタ取材の絶好のチャンスなんで・・・。」
「えっ、’その他’もか?2人が同時に行くっていうんは、どうなんやろ?艦内は3人になるで。」
「艦長、大丈夫じゃないですか?操艦はわたしがやりますし、’おまけ’も一人前になってきてるし。」
「うーん、マリカさん、ちゃうちゃう、’操舵手’がそういうんやったら、まあ、ええかなあ。」
ということで、副長クドーと’その他’が10体のメカロイドを連れて、
’モササウルス’に潜り込むことになった。
「魚を頭からまるかじり、ってあるけど、魚に頭からまるかじりにされる、ってところですねえ。」
「なんか、緊張してくるな。ちょっとトイレいっとくわ。」
期待と緊張が入り混じる。さあ、どうなる?




