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023⚫️止まらない
ゴライブは苛立ちを隠せない。
影の軍団をこれほど投入したというのに、なぜ公国はびくともしないのだ?
誰も帰ってこない。全員、やられたのか?
「伯爵様、影の軍団の応募者がありません。」
「もっと報酬を弾め!無法者はあふれるほど、いるのではないか!」
「いえ、それが・・・。この大陸の、そういう輩が、どんどん流出しております。」
「流出だと?どこへ行くというのだ?」
「それが、その・・・ラベンダー公国へと・・・。」
「なんだとお!!」
公国には食える仕事がある。
継続的な職にありつけ、給料がいい。
衣食住が保証され、人々は寛容で、おまけに食いものが美味い!
噂は、まるで野火のように大陸中に広まった。
生活苦にある者、理想を持つ者、夢を見る者・・・。
彼ら彼女らは現地の領主を見限り、はじめは夜陰に紛れて、
やがて陽の光のもと、堂々と港を目指す。
それは、もはや日常の光景となった。
領主たちは慌てふためいた。
「税を少なくする!」と触れ回るが、一度弾みがついた流れは止まらない。
長い歴史を持つ村が、一夜にして空になることすら報告され始める。
人口は見る見る減少していく。
領主たちは知らなかった。
人々が真に恐れるものが何であるかを。
苛政猛虎。
苛酷な政治は、虎よりも恐ろしい。
人々はそれを、身をもって知っていたのである。




