第95話 最終決戦(1)
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二人の力は拮抗しているかのように見えました。
本来であれば神々の力に神々の力を掛け合わせたエンリルが優勢になるはずでしたが、エンリルは力の統合を果たしたばかりでまだ力が馴染んでいませんでした。
一方アダムはティタン神族たちの力を余すことなく使いこなし、アダム自身もまたハデスによって潜在力を洗練されていました。
アダムは主にクロノスの力を使った移動法である時間移動を駆使し、
エンリルは主にゼウスの力を使った移動法である予知移動を駆使してクリスタル神殿の広大な中庭へと移動していました。
そのため二人の戦いは傍観者がいるとすればとても目に追えるものではなくなっていたのですが、当事者である二人は同じ速度で動いているため、二人にとっては対等な世界となっていました。
二人はお互いに距離を取りながら、覇気を発して牽制し合っていました。
アダムの放つ邪神覇気は周囲の空間を歪ませ、凄まじい攻撃的な圧を与えます。
エンリルの放つ聖神覇気は神々しい霊気によって邪神覇気を相殺し、圧倒的な防壁を築きます。
覇気による攻防も平行線となり、二人はいよいよ技をぶつけ合うフェーズへと移行しました。
エンリル:究極の17本の雷
クロノスを撃破した17本の雷とは比べ物にならないぐらい強力な雷がアダムに迫ります。
アダム:永遠なる時の回廊
エンリルの放った雷は時の回廊へと吸い込まれ、永遠にアダムにたどり着くことなく彷徨い続けました。
アダム:神愧怒
怨嗟の念が込められた流星群がエンリルに向かって降り注ぎました。
エンリル:無限の嵐
降り注ぐ流星群に向かって嵐で広大なメビウスの輪を形作りだしました。
すると流星群はメビウスの嵐に吸いこれるように取り込まれていきました。
エンリル:リリース
メビウスの嵐に吸い込まれた流星群がアダムに向かって放たれました。
アダム:巨人の壁
まるで巨人が現れたかのような壁が顕現し、リリースされた神愧怒をその無骨な壁面が受けきりました。
エンリル:全知全能の光
神聖力を纏った多重光線がアダムに向けて放たれました。
アダム:時の雫
エンリルが放った多重光線が交わる一点に向け、時の雫を落としました。
その瞬間エンリルの攻撃は消滅してしまいました。
その攻防の一つ一つがとてつもない力を秘めていましたが、そのどれもが相手に届く前に相手によって打ち消されていました。
数瞬、沈黙が流れた後、二人はゆっくりと歩き出し、お互いの刃が届く位置まで来ました。
それぞれの覇気に刀身が共鳴し、その振動が絶頂を迎えた瞬間、二人は刃を交えました。




