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intermission
外宇宙探査艦プレジデント・オバマ。天宙の遥か彼方より突如来襲した敵機の攻撃に晒され、微震の続く艦内の、喧騒遠い最深部。巨体のオバマの腹奥深く、幹部待遇者機密エリアの、さらに最奥にある「執務室」。
堅く閉ざされた扉の中で、クックと渇いた嗤いが漏れた。
黒い革張りの豪奢な椅子の、背を此方に向けているため、座している人物の姿は見えず、椅子が嗤っているかに見える。
「1号機…遂に目覚めやがったか、ったく。相も変わらずふざけた奴だ。」
椅子が嗤う。肩を揺すらせ椅子が嗤う。椅子に果たして肩があるのか、それはこの際問題ではなく。此方に向けた背凭れを震わせ、肩を揺すって椅子が嗤う。
クックと漏れる渇いた声には、不思議とどこか哀愁と、恨み辛みの色があり。嗤い声に揺れて震える椅子は、哭いているかのようにも見える。
「愉しくなってきやがった。」
謎の敵の攻撃に晒され、危機の中にあるプレジデント・オバマ。
その最奥、この執務室の中では我関せずと、椅子に座った「人物」が。椅子に身体を預けながら、天宙に想いを馳せている。
むーかーしーギリシアのーイカレースーはー
あたまーがーイカレーてーとんでーえったー
外宇宙探査艦プレジデント・オバマ、その、最奥の閉ざされた部屋から。
歌声は密かに、静かに流れる。




