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Brain-Wars  作者: 大山鳥 鈴
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10/20

8月②

 一次試験中の会議室。

 「ま~た、あの赤千川(アカ)君は」

 「…どうにかならんもんか」

会議室には老人と少女しかいない。他の3人は役があるため不在。

 「二次は誰でしたっけ?」

 「更木ザラキだったな…」

 「ザラ君か~」

 「…あいつなら、二次を任せても問題ないだろう」

 「暇なので遊んできます」

 「…行って来い。御厨アイツも言ってたろ。適当にってな」

は~い、行ってきますと言い残し、少女は暇つぶしに出かけた。

――――


 二次試験の会場に着いた信達。

 「いや~。どうするつもりなんだか…」

 「知らないな。でも戦闘試験なら通過できるだろう」

 「ぬ~…面白くないな~」

 約10分待たされている。会場中が早くしろと言う声に包まれた時、

 『え~。たいへん長らく、お待たせして申し訳ありせん。只今より二次試験を始めます』

先ほどの声と同じ人物。今回はスクリーンがあるため顔が見れる。

 『まず、今回の試験官の、更木斬哲ザラキ ザンテツです。皆さん、どうぞよろしくお願いいたします。それでは指定の戦闘ルームに入ってください』


――――


 信が入った部屋には盾と剣を持つ男がいた。

 「マジか~。騎士かよ」

銃手と騎士の相性はやや悪い。守護戦士じゃ無くて助かったと内心思っている。


 翼が入った部屋には明らかにスナイパー風の男がいた。

 (スナイパーか…どうするかな)

少し策を立てながら開始の合図を待つ翼。


 青波とドラゴは上から見ている。人数の関係上一度に這入れる人数は限られるためだ。

 「今回の試験呼ばれたのは約512名。一次で128名落ちて…」

 「おそらく、今回でもう半数落とすのでしょうか…」

 「かもな~今年も64名だけかな~」

 「何で、この事を隠してたんすか?」

来る前から彼が感じていた謎の違和感。その答えが一次(あの時)に分かった。

 「隠した理由か~…そうだな~特になし!」

 またそんなことを。まぁ、気にすんなよ…ほら始まんぞ~。と会話しているうちにオープンチャイムが鳴った。

 『二次開始‼』


――――


 あちらこちらで声が湧いている時、

 「ん~。どうすっかな~?」

相手は、自分的に相性の悪いと考えている騎士。


 騎士(ナイト)

 APPO東本部では盾と剣を持つ前衛系の隊員のクラスを指す。

 特徴は大きく2つ。一つは一般的なの前衛クラスと違い、ブレイン製硬化盾(メタルシールド)が持てること。また、全身に金属鎧(メタルアーム)が装備可能。それを活かし銃撃、狙撃から自分を守ることができる。

 もう一つの特徴は、所属がかなり数が少ないこと。これにより対策が難しい。


全身装備できるのに、目の前の相手は…

 「さ~さ~。掛かってこ~い‼」

イレギュラーな無装備(ノンアーム)。さらに、あまり好きでない女子…

 「なんで剣と盾しかないんだか…」

 「来ないなら…行くっぞ~」

 「ちっ…」

銃手(ガンナー)騎士(ナイト)の戦闘開始。


 対して翼の方は、すでに闘い始めている。

 見えない相手からの狙撃は全て、【風世界ウィンド・ワールド】で回避。が、それにも限界がある。対する狙撃手は当たり前だが何度も、狙撃地点を変えてくる。よって何度も連続で回避することは難しい。

 「何度も避けるのは、サポートなし、じゃ難しいな…こういう時は」

建物で射線を切り、接近する作戦に切り替えた翼。

 「…隠れても無駄だぜ、俺には隠れている敵でも見える」

狙撃手は能力を使い、確実に翼がいるところをピンポイントで狙ってくる。

 「…うわっと…どうすっかな」

攻略の糸口がほとんど見えない翼。


――――


 翼以上に信は困っている。

 「そ~れ!」

 「どわっ…危ね~」

剣を振るってくる女子の攻撃を避ける信。

 「反撃だ、このっ」

銃で反撃するが

 「ほいっと…」

盾でガードする女子。

 「あっ、そうだ!君の名前は?」

 「…電子盤見てくれ…」

 「信さんだね~」

 「蝶宮チョウミヤか…」

 「鈴音スズネと呼んでください」

何で俺の周りの女子はこんなのが多いんだ…と思いながらも戦闘は続く。

 射撃がまったく通じず、近距離まで近づかれる。攻撃を避けて、下がりながら射撃。これを防御ガードされる。これの繰り返しである。


 「ここでアレ使うのもな…」

 小早川に渡されたブレインには改造が施されており、追加の武器が2つある。

 「ここで落ちんのもあれだ…面白くないが使うか…変化弾チェンジセット」

 右手の銃にいつも使っている通常弾レギュラーではなくコースを意図的に変えることができる変化弾チェンジに変え反撃を開始する信。

 「おお~。これは!?」

 驚く蝶宮。防げるわけがない、先ほどまで直線状に飛んできていた弾丸が、角度を着けながら曲がるのだから。盾を正面で構えていたため、右足に変化弾が被弾する。

 「しゃ」

 「うわ~、足が~…まっ、仕方ない」

 「一気に行くぜ…」

当たり構わず発砲する信。もちろん変化弾を多めに撃つ。

 「同じ手は食わないよ…っと」

盾を使い、突撃してくる蝶宮。そのまま突き飛ばされ、左腕を落とされる信。


 「マジかっ…でも」

変化弾が帰ってきている。そのまま蝶宮に被弾。

 「残ね~ん。もう少し遊びたかったのにな~…」

 「次の機会にな…鈴音…さん」

蝶宮は換装が解ける。


 『ルーム03:合格者、赤柱 信』

 「ふ~。信さんは何歳なんですか~?」

試験終わった後にすぐそれか‼と言いたくなったが

 「16だけど…」

 「なるほど!私より2上なんですね」

 下手していたら自分よりも年下に負かされてたのか…マジか、マジか! 心の中でその言葉を連呼しまっくていた信は無事に二次合格した。


――――


 「さ~て、そろそろ崩れろよ~」

笑いながら翼を照準を合わせる鷲尾ワシオ

 (もう少しで彼奴のエニマポが切れるはずだ…)

勝利を確信し始めた鷲尾。

 

 「…そろそろかな」

剣を納刀状態にして1分。

 「先生は、面白いものを入れてくれましたね…」

 『チャージ完了:〈広翼ワイドウイング〉』

剣の攻撃範囲アタックレンジを拡張できる、特殊ブレイン。

 

 「さぁ、反撃だ…まずはあの辺のビルを~っと!」

 思いの外、重くそしてスイングスピードが通常いつもより速い。切断に成功したビルは物音を立てて崩れていく。


 「うわっと!」

その崩壊に巻き込まれる鷲尾。

 「さっさと、倒れろよ‼」

落下しながらも、照準を合わせ狙撃する。が

 「もう、逃がさない。やったことないけど…【風世界】全開だ!」


目の前の光景が変わり風の色が見える、風が強い所は濃い白、風が弱い所は黒となる。

 「見辛い…でも、信の【弾道読み】なしで、ある程度の弾道の先が見える」

飛んでくる弾丸を少しかする。

 「全開…広翼!」

地に足が着き走り、始めている鷲尾を狙い斬る。体、半分になりながらも

 「くっそ…でも、相撃ち狙いで…喰らえ:〈ループ・ショット〉!」

空に向かって、発砲。


 「よっしゃ。っが!?」

上空に鷲尾が撃った銃弾が被弾する翼。ドローのように思えたが、

 『ルーム06:合格者、白井 翼』

と審判が下った。

 「やるな~。まさか、負けるとはな~。今更だが、俺の名前、鷲尾ワシオ 一成カズナリ

 「強いのはそっちだな…1対1でここまでやる人、初めてだった。俺は、白井 翼だ」

握手を交わし、部屋から出る二人。


――――


 「おつかれ~。いや~、よくやった」

 「どもども」「あざっす」

信と翼の健闘を労う青波。

 「そんじゃ、次は…」

 「俺らですね」


――――


 「さて、相手は…鎌使いか」

 「ヒャッハー…早く始めろよ‼」

ドラゴの対戦相手は悪意に満ちた態度の人間。名は、山崎ザンザキ

 「すぐに、やってるから覚悟しろや!」

 「…5分で十分だ」


――――


 「ん~、俺の相手いないじゃん…」

他の部屋では2試合目が始まっている。が、誰もいない

 『…ルーム07の青波さんには、僕が相手です』

耳に入ってくる声は更木。

 「はぁ?…は~」

 『嫌がるなら棄権しても構いませんよ」

目の前に現れる白い隊服の更木。

 「…恥かくぞ」

 「構いません。勝つは僕ですから」

更木は剣を抜き始める。青波は槍を出す。


 「行きますよ…」

 「来いや~」

ルーム07の戦闘が始まる。


――――


 「ヒャッハー。喰らえ」

鎌を振りまし攻撃してくる山崎。

 「雑な攻撃だな」

全て避けていくドラゴ。


 「ほら、使ってみろよ。取って置きっての」

 「…すぐ、やってやる」

 ドラゴが小早川からもらった特殊ブレインは、翼の〈広翼〉のように似たようなもの。名は、〈衝撃拳インパクトハンド〉。チャージ時間は無制限。


 ドラゴは右手に左手をかぶせ、力を集中させる構えを取る。

 「そんなことさせね!」

ここぞとばかりに攻撃しようとする山崎。

 「馬鹿だな…突っ込んでくるとは」

 『チャージ完了:衝撃拳』

 「吹っ飛べ…」

右ストレートから、龍のオーラが飛び出てくる。

 「がっ!?くっそが!」

ルームの端まで吹き飛ばされ、爆発する山崎。

 「…お前みたいなやつは嫌いだ。だから、制裁した。それだけだ…」

 『ルーム05:合格者 灰 龍悟』


――――

「無駄ですよ…去年の手合わせで見えてますから」

余裕で、青波の槍の突きを避ける更木。

 「その一戦だけで読めるのか…」

 「読めます」

攻撃が全く当たらないので離れる青波。それを見て距離を詰めに行く更木。


 剣士ソードマン

 APPO東本部では、太刀を一本だけ持つ者を指す。その太刀にも種類がある、自分のエニマポを剣の衝撃波として使用できるオーラブレイド。相手の武器を圧し折るためのメタルブレイド。大きくはこの二つ。

 前者のブレイドを使うものは短期戦、後者のブレイドを使うものは長期戦を得意とする。

翼が先ほど使ったのは前者のブレイド。対して、更木のブレイドは後者の物。


 「いい加減、あれ撃たないのか?」

 「残念ですが…あなたに使う価値はあまりないですね」

 「…ど~なっても、知らんぞ~」

 突きの攻撃方法から急に打撃攻撃方法に変えた青波。一発一発が重すぎるので、それに合わせることができず、更木に確実にダメージを与え始める。

 「何故…!?」

その動きに驚きを隠せない更木。去年はこのような動きはなかったはず。


 「『剣士にはある程度型がありますよ』。これは、うちのソードーマンが言ってたぜ」

 「…なら、僕の型は何だと思いますか?」

 「究極のカウンター型。…どうだ?」

いきなり離れ、その辺のビルを斬り始め、そのまま隠れる更木。

 「へっ、ヤル気になったか?」

 「…〈絶対陣〉」


 (〈絶対陣〉か、去年は見るしかなかった。けど、今年は喰らえるのか)

 「来い、来い‼」

 更木を探すが、なかなか見つからない。そのまま30秒が経過した。そして前方から巨大なオーラの気配を感じる。

 「…ヤベ~」


 この一撃が試合を決めると思った青波は警戒し策を練った。

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