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【受賞・書籍化】魔石喰らいの最強聖女 ~悲劇の運命は『力(パワー)』でなぎ倒します!~  作者: 九條葉月


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肖像画

 


 スーパーお説教タイムであった。


 えらい勢いでお説教されてしまった。おばあ様から。この世界にも正座ってあるのかぁ……。


 そんな苦難も弟ラブの力で乗り越えた私は、おばあ様たちに頼まれて実験することになったのだった。いや私が試されるのだから「実験される」かな? まぁどっちでもいいか。


 私の前に並べられたのは五人のメイドさん。副メイド長のリサさんと、リズさん。あとの三人は見たことのないメイドさんだ。


 このメイドさんたちのスキルを鑑定できたら、私に鑑定眼(アプレイゼル)の力があるという証明になり、ルイナスのスキルについても正しい鑑定ができていると判断できるのだそうだ。


 これは気合いを入れないとね!


『みゃー……』


 お前が気合いを入れると酷いことになるんだから……みたいな声を上げるミャーだった。ふふふ! ならば見ていたまえよ! ほあぁああああっ!


「えーっと、リサさんのスキルは掃除レベル3に、洗濯レベル3、接客レベル5ですか。メイドさんっぽいスキル構成ですね」


 というか掃除とか洗濯ってスキルなの? そんなもん? なら私にもそろそろ弟妹愛というスキルが生えてきてもいいのでは?


「あとは……リズさんとは名前と容姿が似ていますが、別に姉妹ではないと? ほうほう、暗殺組織の出身で? 顔は作り替えられ――」


「――よし! もういい! リーナの力は本物だな!」


 突如として大声を出すお爺さまだった。あれかな? 公爵家所属の暗部的な? 黙っていた方が良かった感じなのかな?


『みゃー……』


 だから言っただろ、とため息をつかれてしまった。なんでさ、見えたことを正直に伝えただけなのに……。





 なんやかんやの一騒動があったあと。


 私とアリス、ルイナスはお父様に誘われて屋敷の倉庫にやって来ていた。以前お父様が約束してくれたように、家族の肖像画を探してくれたらしいのだ。そう、私の母親が描かれた肖像画を。


 正直私は(こっちの世界の)母親に関する記憶なんてないし、肖像画を見ても何か感じることはないと思う。


 でも、せっかく探してくれたのだから「結構です」なぁんて言えるはずもないよね。


 倉庫の一角には幾つもの額縁が立てたまま収納してあった。本棚に差した本みたいな感じで。たぶん歴代の当主が描かせた家族の肖像画が纏めておいてあるんじゃないかな? 貴族だと何十代何百代と歴史を積み重ねているだろうし、そうなると肖像画の数も多くなるものね。


 そんな中からお父様が一つの額縁を引き出した。


 中央にいるのはまだ若いお爺さまとおばあ様。


 そんな二人の前には少年と少女が椅子に座っていた。


 少年の方はいかにも利発そうであり、お父様そっくり――というか、本人だね。


 となると、そのすぐ横で椅子に座っている少女が、若かりし日のお母さんか。


 美少女だ。


 美少女なのだけど、その美しさよりもまず無表情さが気になってしまった。


 どこかつまらなそうな。


 すべてを諦めているかのような。


 家族と一緒にいるのにニコリともせず。ただただ真っ直ぐに前を見つめている。


 そりゃあ貴族の令嬢なんて家の決めた男性と結婚するものなのだから、自分の人生に希望を持てないのかもしれないけれど……それにしても、ここまで無表情なんてことがあり得るのかな?


 こんな人が、私の父(あの男)と大恋愛をして家を飛び出し、駆け落ち同然に結婚したの? 本当に? いや『人生に希望を持てなかった女が、運命の男性と恋に落ちて――』みたいな物語は定番かもしれないけど……うーん?




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