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K-1甲子園  作者: 冬夏
22/53

6章ー6話「試合より追試よりゲーム」

結果から言おう。


そして5時間が経った。

この5時間は先ほどの勉強3時間にくらべあっという間だった。


新作のゲームなので勝負のキーとなるコントローラーの操作性をいち早く覚えること、


コースを覚えることだった。

誰もが戸惑うなか持ち前の器用さでしゅんが一番手に躍り出た。


本当になんでも起用にこなすな。その後少しづつ慣れていき順位は拮抗し白熱のレースとなった。

 


途中夕食の休憩を挟みさすがにそろそろ勉強しようとなったげラッキー先輩が、

「ここから正念場だ。気合いれて頑張っていこうと。」

と言い出し再びゲームに熱中した。


「みき今何時だ?。」

「今ちょうど23時ですね。」

「そっか。よし今日はそろそろお開きにすれぞ。明日もまたこの時間集合な。ゲームはここに置いていくぞ。」


そういってこの日の勉強会は終了した。


次の日もまた3人で集合した。


ジムでの練習は1時間で体力が落ちないようにミット打ちをメインに行った。

 

英治さんはしばらく出稽古で他の道場やらジムに行くと留守にしていたので変わりにラッキー先輩にミットを持ってもらいパンチを仕込んでもらった。

 

このミットをやってるときと昨日ゲームをしているときのラッキー先輩はまったく別人なんじゃないかと思うくらいの顔だった。


「ガード下がってるぞ!しっから上げろ!」

「打ったら素早く引いて!コンパクトにまとめて打て!」

 ラッキー先輩はボクシング経験もあるキックボクサー。


本当にパンチの指導は勉強になる。

ただボクシングを教えてくれるだけでなくキックボクシングの間合いで約に立つテクニックを惜しみなく


指導してくれる。これはあり難い話だ。

 充実した一時間だった。帰り際に、


「夕食済ましてから行くからな。勉強ちゃんとやっておけよ。」


あ、やっぱり来るんだ。


僕は隅っこでウェイトトレーニングをしている二人に声をかけて自宅に向かった。

 

こんな日常が3日と続いた。朝起きて走る、学校に行く、ジムに行く、自宅で

ラッキー先輩を交えてのゲーム大会。


「芳樹。このゲームには格闘技に必要な動体視力が養えるぞ。」

 本当ですか。先輩?


「勿論。俺はプロの格闘家だぞ。嘘はつかん。」


どうしてこうなってしまったか、もう手遅れだった。元来負けず嫌いなみきの性格もあって夜になるまで

ゲームを辞めようなどだれも言わなかった。


しかしこんな事がいつまでも続くわけが無かった。

夜も10時を回ろうとした時だった。


僕らは変わらずジュースを片手にゲームに熱中していた。


そんな時乙女姉さんが来た。

「お疲れ。勉強はかどってる?どう?ってあれ・・。」

 

雷が落ちた。


しかもこの日はもう最初から勉強する気が無く教科書ノートを広げて無かった。


勉強してる痕跡が無くこれはもうどう言い訳出来ない状態だった。


どの角度から見ても親戚の悪いお兄さんと一緒にゲーム三昧。の構図だった。


もの凄い怒られた。


本来僕の勉強なのだから僕だけ怒られるもののはずだったがみきやしゅんも怒られた。


さらにだいぶ年上なはずのラッキー先輩も正座して終いにはゲームを買ってきた張本人のことから土下座までしていた。


恐るべし女帝、乙女。


「とにかく芳樹は私の家に来て。今日からこっちで勉強。いいね?試合出れなくてもしらないよ。」


そうだった。

なんのためにジムの練習減らしてまで勉強会開いたのか・・・。


「ほら。さっさとついてくる!」

でももう遅いよ。明日にしようよ。


「あんた試合出られなくてもしらいわよ。」




そしてこの黒歴史とも呼べる3日間は幕を閉じた。


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