4 どぴー
僕、こと定刻晃は、
藤と光莉といかがわしいことに及ぶため―――――――
ではなく、廃ホテルの復興の為に今日も誰もいない廃墟に足を運んでいた。
昨日は副社長に会った時に、
「以前廃棄になった定刻ホテルTOKYOの再生の件で…。」
と持ちかけたら、TOKYOの読み方をトーキョーに戻すなら考えてもいいと言われた。
凄く話が分かる人だ。
取り敢えず、話自体を考えては貰えそうだという事を報告するために、
僕はホテルの中に入った。…途中で薬局に寄った理由は特に関係ない。
いつも藤か光莉がいるところにはその姿は無く、
代わりに、というのは失礼なほど、
凄くセクシーな魅力あふれるお姉様がいた。
ああ、ボンッキュッボンッと言う言葉は伝説の中だけでは無かったんだという事が解かるスタイルの、
如何にもプライドが高そうなチャイナドレスの美女がそこにはいた。
「いつもあなた達の声が響いて五月蠅いから苦情を言いに来たの。」
そう、キツい視線で僕に言葉を投げつける様子は千金に値するご褒美だ。
持ち株千金分を売却する覚悟は君達にはあるか?今の僕にはある。
…だが、その前に確認しておきたいことがある。
「何時もここにいる2名の幽霊を知りませんか?」
「ああ、妹たちね?―――あそこよ。」
その美女が指差す先には、紐で縛られた藤と光莉がいた。亀甲縛りで。
それと今、凄く大事な事を聞いた気がする。
「妹?」
そう、妹だ。
だという事は、このグレイトォなお姉様は…、
「そう、藤と光莉はこの紅雀の愚妹よ。」
そう、蔑んだ目で大宴会場3姉妹長女紅雀は自己紹介した。
「好きなものはお金持ちそうな男、
嫌いなのは貧乏そうなしみったれたしけた男。アンタみたいなね。」
…甘んじてこの言葉に痺れるのもいいだろう。
だが…、
「姉さんっっ!!」
舌と唇と唾液を使って無理矢理猿轡を外した藤が言う。
「何よ藤。」
「この御方をどなたと心得るの?
畏れ多くも後のグループ会長、定刻晃様にあらされるのですよ。」
「えっ?何それ。超お金持ちじゃない。
あっ、ははー、今迄のプレイをどうぞ平にご容赦を。」
…変わり身早っ。
ていうか、無礼じゃなくて、プレイの一環だったってことにするつもりなんだ。
頭の回転が(アホな方向に)早っ。
「…じゃあ、ここからは逆転プレイという事で。」
「はいっ、このメス豚に何なりともお申し付けください。」
プライド低っ!!
「よんど●ーって知ってる?」
「割と大好きよ…じゃなかった。大好きですわ、ご主人様と同じくらい。」
うん、じゃあ、しーじゃなくてぴーなら?
「よっ4回もっ!?」
大丈夫だ。そのうちの2回は妹たちも頑張ってくれるようだから。