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集合! くのいち三人組

ちょっと仕事が忙しかったよー

でもまた頑張るよー

 はひぃー。タライトラップのおかげでどうにか乗り切れたよぉー

 それにしても、この猫忍者ちゃんってどういう名前なんだろ? 何だかどこか幸薄そうに見えるけど、気のせいかな?


「あ、マオ様!」


 気絶している猫忍者ちゃんを見つめていると、セバスチャンさんが慌てた様子でやってきた。一体どうしたんだろう?


「大変です、先ほど捉えたくのいちが逃げてしまいました!」

「え? 逃げちゃったの?」

「もしかしたら何者かに化けているかもしれません。お気をつけください!」


 それは大変だ。ひとまずみんなに知らせなきゃ。


「おっと、そんな手には乗りませんよ」


 あれ? 向こうにセバスチャンさんがもう一人いる!?


「現れたな、偽者!」

「私はそんな風に言葉を使いませんよ。それに、こちらには先ほど捕えたくのいちがおりますしね」

「はにゃせー!」


 あ、ニャニャちゃんだ! とっても暴れているけど、あんまり意味なさそう。

 じゃあ、こっちのセバスチャンさんは偽者っ?


「ふ、ふふふ。まさかこんなにも早くばれてしまうとは思ってもいなかったわ」


 偽者セバスチャンさんは身に着けていた服とマスクを勢いよく脱ぎ捨てる。その奥から出てきたのは、さっきトラップで穴に落ちていったシヴィちゃんだ。

 とても怪しい笑顔を浮かべている。もしかしてこの状況を打開する方法があるのかな?


「シヴィ! 笑ってないでにゃーを助けるにゃ!」

「黙れ! 今考えているんだからしゃべるな!」


 あ、ないんだ。


「おやおや、とっても拍子抜けですね」


 セバスチャンさんがどこか困ったように笑っているよ。ホント、言葉の通りだし。

 でも、打開策がないんだったら、考え出される前に捕まえてもいいかな?

 私はセバスチャンさんに目配せをする。するとセバスチャンさんは「お好きにどうぞ」って朗らかに笑って返事してくれた。

 よーし、それじゃあ捕まえちゃおー


「天使さん」


 ニャニャちゃんとシヴィちゃんが口ゲンカしている間、私は天使さんを呼び出した。あの時と違って何もしゃべってくれないけど、まあいつも通り。


「シヴィちゃんを捕まえて!」


 天使さんは私の指示を受けてシヴィちゃんへまっすぐ突っ込んでいく。


「チッ、面倒なのが来たわ」


 ちょっと遅れて突撃されたことにシヴィちゃんは気づいた。慌てて後ろにステップしながらクナイを投げる。でも天使さんはそれを簡単に弾いて、まっすぐと突撃していく。


「くっ」


 シヴィちゃんはもう一度クナイを投げた。おんなじように天使さんは弾こうとする。だけどそれに触れた瞬間に真っ白な煙が広がった。


「うっ」


 目に染みる。何これ? もしかして煙のせい?

 うぅー、涙が溢れ出てくるよぉー。とっても痛いし、どこに行ったの?


「くくくっ、絶好の好機!」


 やばっ、攻撃される!

 どうしよ。周りが見えないし、このままじゃやられちゃう。


――ポチッ。


 妙な音がした。その音は、今日何度聞いたかわからないものだ。

 そして、その音がした直後にカーンって音が響いた。


「…………」


 煙が晴れていく。目もどうにかよくなってきたから、音がした方向を見てみる。

 そこにはタライトラップに引っかかって、おっきなタンコブを頭に作って倒れているシヴィちゃんの姿があった。


「にゃにやってるにゃー!」


 な、なんだかわからないけど助かった。というか、シヴィちゃんってすごくトラップに引っかかるなぁー

 もしかして他のトラップもこんな感じに引っかかっているのかな?


「おや、意外な形でチェックメイトになりましたね」


 のほほんと笑うセバスチャンさん。

 今とっても危なかった気がするけど、たぶん助けてくれたのかな?


「さて、どうします? 頼りの仲間は倒れてしまいましたからね。もうあなたに残されている道は一つしかありませんよ」

「くっ、にゃーにまたあの屈辱を味あわせる気か!?」

「残念ながらあなただけではありません」


 セバスチャンさんは私に目配せをする。そして倒れているシヴィちゃんともう一人の娘に視線を送った。

 あ、もしかしてこういうことかな?


「ひゃんっ」


 私はシヴィちゃんの尻尾を軽く握ってみた。すると思いもしない甲高い声がシヴィちゃんから放たれる。

 おおっ、なんだかわからないけどゾクゾクする。何これ、ここを握っただけでこんな声が出ちゃうの?


「にゃ!? シヴィににゃにをするにゃ!?」

「ふふふっ、決まっているじゃないですか。その敏感な尻尾を、握ったり撫でたり、擦ったりするのです!」

「にゃに!?」


 おおっ、とーっても悪いことをしている気分だよ。

 え? 何これ? これをこうするとどうなのかな?


「ひゃ、ひゃっ」


 うわっ、すごっ。ただ尻尾を撫でただけでこんな反応をするなんて。

 じゃあ、次は――


「ふふふっ、光栄なことですね。我が主、マオ様が直々に戯れてくださるなんて」

「やめるにゃ! シヴィにあんなひどいことを――」

「ならば、わかっていますよね?」


 ニャニャちゃんはとても悔しそうな顔をした。だけど観念したのか、ついに重く閉ざしていた口を開く。


「わかったにゃ。だからシヴィとサチコを解放してくれにゃ」

「では、なぜ襲ってきたのは教えてください」

「一種の任務にゃ。魔王と戦い、見事勝利することがにゃー達に課せられた課題にゃ」


 課題? 課題ってどういうことだろ?


「にゃー達は半人前にゃ。一人前になるために、ここに来たのにゃ」

「なるほど。大体のことが見えてきましたね」


 え? わかったの?

 私は全くわからないんだけど……


「まあ、詳しいことは今日やってくるお殿様に聞きましょう」


 そう言ってセバスチャンさんは笑っていた。

 一体何がわかったんだろ?


話の全貌が見えたセバスチャン。だけどマオちゃんはまだわかっていないみたいだ。

次は倭の国のお殿様がやってくるよ!

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