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不機嫌? 危険? 邪神さま

すみませんすみません(泣)

いろいろと用事があって更新できませんでした。

ホントすみません(泣)

 朝。いつもと変わりない朝。

 なぜか私のベッドにメイちゃんがいたけど、気にしない。とにかく朝がやってきた!


『ふんだ! ふんだ!』


 一応、邪神さまに挨拶しようと思って部屋を訪れたけど昨日からずっと機嫌が悪いままだ。まあ、カアたんに足を半分も切られちゃったから仕方ないと思うけど。

 でも、このままじゃ困るんだよなぁー。どうにかして機嫌を直してもらって、セバスチャンさんとカアたんの呪いを解いてもらわないと。

 だけどどうすればいいんだろ? 普通に謝っても機嫌なんて直りそうにないし。


「あの、魔王さま」


 私がドア越しから邪神さまの様子をうかがっていると、リフィルさんが声をかけてきてくれた。


「どうですか?」

「うーん、まだ機嫌が直ってないっぽい」

「困りましたねー。セバスチャンがあのままですと、仕事にもなりませんし」

「そういえばセバスチャンさんは?」


 リフィルさんはとても困ったように笑いながら、ため息をついてセバスチャンさんの状況を話してくれた。


「そうですね、ホントに子供に戻ってしまわれたようでイタズラばかりしていますよ。叱りつけても『魔王を倒すための訓練だ』の一点張りです。全く、仕事が増えて大変ですよ」

「そ、それは、大変ですね……」


 セバスチャンさんは結構好き勝手なことをするけど、それでも人を困らせるようなことはあまりしなかったし。うーん、ホントにどうにかしないとまずいなぁー

 でもどうすればいいんだろ? さすがに食べ物じゃ機嫌は直らないだろうし。


「ふっふっふっ、困っているねお母さん」


 私とリフィルさんが頭を悩ませていると、メイちゃんが腰に手を当て、そしてドヤッとした顔で言葉をかけてきた。


「どうしたの? まだお腹空いているの?」

「私、たくさん食べて大きくなるぅー。って違ぁーう!」


 おお、これが巷の乗りツッコミだね! 初めて見たよ。


「もぉー、お母さん。ふざけている場合じゃないよ。早くどうにかしないと危ない吸血鬼さんがお母さんの血を吸いに来ちゃうんだよ? 真面目に聞いてよ」

「ごめんごめん。それで、一体どうしたの?」

「私、とーってもいい秘策があるんだ。聞きたいでしょ?」


 ニヤリと笑うメイちゃん。すっごく嫌な予感しかしないけど、でも他にいい案がないし。

 ここは聞いたほうがいいかも。


「ホント? 教えてくれないかな?」

「いいよぉー。でもタダじゃ教えられないかなぁー」

「えー?」

「今晩のご飯、たくさん食べたいんだけどぉー?」


 むっ、この子ったら。食い意地が張った女の子なんて聞いたことないよ?

 まあ、ご飯くらいいいかな?


「いいよ。昨日より多めにしてあげるよ」

「やった! 約束だよ、お母さん」

「それよりとってもいい秘策って何なの?」


 メイちゃんに訊ねるとまた怪しく笑い出した。そして私達を近くに寄らせて、その秘策とやらを耳打ちしてくれた。


「それって……」

「わ、私嫌です!」


 秘策を聞いた瞬間、リフィルさんが激しい拒絶をした。まあ、いくらリフィルさんでも肌を見せるのは嫌なのかも。


「嫌がっちゃダメだよ。ほら、目上の人が率先すれば部下も行動するっていうでしょ?」

「で、でもー」

「そんなに嫌なら、私が脱がしてあげるよぉー。今ここで!」


 リフィルさんはとても珍しく目から涙を浮かべていた。そんなリフィルさんが堪らないのかメイちゃんは怪しく手を蠢かしながら近づいていく。


「い、いや。いやぁぁ!」

「あ、逃げるな!」


 どこかへ走っていくリフィルさんとメイちゃん。私はそんな二人を見送りつつ、メイちゃんが教えてくれたとってもいい秘策について考えた。

 たぶん、他にいい作戦がないからやるしかない。でもさすがに私だけじゃあ邪神さまは機嫌を直さないと思うなぁー

 うーん、仕方ない。したっぱメイド隊のみんなに協力を仰ごう。

 でも上手くいくのかな? 万が一に備えてミーシャにも頼もうかな? ウィンディさんはいたらメチャクチャになるかもしれないし、ジュリアちゃんはやりたがらないだろうし。

 よし、いろいろと準備をしよう。


「あ、お姉ちゃーん」


 考えをまとめて動こうとした時、とても幼い声が耳に入ってきた。目を向けるとピンとした獣耳を立てて私にかけてくるワーウルフの男の子がいたんだ。


「あ、コリー君。おはよー」

「おはよー。ねえねえ、何しているの?」

「うーん、邪神さまの機嫌が悪いから、ちょっとね」


 コリー君は「邪神さま?」と呟いてキョトンとした顔をしていた。そういえばコリー君は昨日のことを知らないんだった。


「うーん、とっても偉い人がご機嫌斜めなの。だからどうにかしようと思っていてね」

「ふーん。あ、そうだ。ポストにこんなものがあったよ」


 コリー君は黒い封筒を私に渡してくれた。

 なんだろ? とっても不吉な感じしかしないんだけど。まあ、今は忙しいし、あとで確認をしてみようかな?


「ありがとね、コリー君」


 黒い封筒を受け取り、笑顔を向けるとコリー君は笑い返してくれた。


「頑張ってね、お姉ちゃん」


 コリー君と手を振って別れる。私はもらった封筒をポケットにしまって、邪神さまのご機嫌を直す算段を立てた。

 どうにかなるかわからない。だけど、やるしかないんだ。


メイちゃん考案のとってもいい秘策。それは一体何なのか!?

みんなを巻き込んで邪神さまのご機嫌取りが始まる!


次回は明日午後5時に更新予定です。


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