第2話:会いたくね〜!
初のソロキャンプ中、謎の魔物に襲われ殺さてしまった篝 永灯。それが異次元の神々の戦いの余波、つまり「もらい事故」だった事を魂を保護してくれた自称神に聞かされる。
転生を提案された永灯は、転籍先の情報を根掘り葉掘り聞こうとするのであった。
「私が教えられる事は限られていますが」 という前置きを了承すると、彼は話し始めた。
「基本物質構成は地球とほぼ変わりません。重力、空気、気候、大地の構造、人族の肉体構造も地球とほぼ同じです。ただし、エルフ、獣人、ドワーフ、魔族のほか、植物、精霊、龍種、希少種など人族以外も存在します。国や種族ごとに思想や宗教、独自のルールがあり、すべての領土が明確に分かれているわけではありません。文明的に言えば、今永灯さんがいるこの世界よりかなり遅れていますね」
多種族の世界ってことか。でも基本物質構成が地球と同じなのは助かるな。
「魔物が跋扈しているため、未開拓の危険エリアが結構あります」
魔物とかいるよね、やっぱり。俺を殺したやつとかもいるのかな。
「あ! そういえば俺を殺した魔物、どうなった!?」
「あなたの魂を保護すると同時に、消滅させましたので安心して下さい」
「そうか、良かった! でもキャンプ場、今後運営厳しいだろうな……人亡くなってるし」
「そこはなんとかします。我々の落ち度なので」
自称神は申し訳なさそうな顔をしている。
お! 詫び救済みたいな感じかな!
「それは良かった! 良いキャンプ場だったし!キャンパーが減るのも嫌だしね。」
自称神はにっこりとして、
「話を戻しても?」
「ああ、頼む」
「作物や植物のベースも地球と似ていますが、一部『魔力』を介在して育つ薬草などがあり、一概に地球と同じでは扱えない場合もあると思います」
「お! 食べ物が似ているのは助かるな!」
「確かに作物などは似てはいますが、食べ物としては似ているとはいえないかと」
「……なるほど」
この世界と同じうまい飯、とはいかないかもな。これは結構不安要素ありか。
「大まかな世界構成はこんな所でしょうか」
「ありがとう。助かるよ」
「では次に魔法とスキルについて説明します」
「頼む!」
待ってました! 恐らくこの後スキルを貰えるだろうから、これは聞き流す事はできない!
「ただし」
どうやら、これも教えられる事に制限があるらしく、特に力に関しては世界の事よりも話せない事が多いらしい。
大人ならぬ神の事情みたいなものか。それでもできるだけ聞き出したい。
「もうお気づきかと思いますが、転生先の世界では魔法とスキルが使えます」
うん、そうだと思ってた。
「魔法属性は火・風・水・土・光・闇・空間・死霊・無属性です。世界の中では基本属性は火・風・水・土、希少属性は光・闇・空間・死霊として扱われているようです」
「無属性は?」
「意見が分かれているみたいです。ネタ属性なんて言われる場合もあるようですね」
「へぇ〜。ちなみにどの属性が強いとか、複数の属性持ちは貴重とかある?」
「私達からすればすべて使い手の力量次第なのですが、世界的にみるとやはり希少属性は優遇されていますね。複数属性を持つ事は基本可能なのですが、信仰や加護、種族、魔力量、スキルの影響など色々な要因で難しいとだけ。ですので複数属性を扱える者は才能があるという認識で構いません」
「なるほどね」
その神様が加護を強く与えた人物、例えば光の加護だったら聖女とか勇者、闇は魔王とかに分類されてたりして。
「今ご想像しているもので間違いないです」
「あ、やっぱり心は読めるのね」
てか、魔王とかいるのかよ! そっちのルートに巻き込まれるのは面倒だし、会いたくね〜!
「次はスキルですが、基本的に魔力を使わずに行使できる力です。ただ、スキルは魔法よりは優遇されていないようですね」
「え? なんで?」
魔力無しで使えるなんて最高じゃん。まあ、他の何かが減るんだろうけど。
「スキルはあくまで魔法の補助として認識されているようです」
「つまり、魔法有りきって事?」
「そのような認識になっているようです。ですので、優れた魔法を使える者がたくさんいる国が強国、のような地盤が出来ています」
「そうなんだ。じゃあ強力な魔法が使えれば暮らしやすいって事か」
「極端に言えばそうなります。ただ、ユニークスキルを持っている者は優れた魔法使いと同じような扱いをしてる国は多いようですね」
「ユニークスキルか」
「はい。スキルは解明されているものも多いのですが、特殊なものが発現する事があります。そのスキルが強力であれば優遇されるようです」
「魔法にはユニークとかないの?」
「ないです。すべては統計化されていますので、その面ではわかりやすいですね」
「ここまでの魔法を使えるから凄いとか、努力次第である程度覚えられるとか、線引きが楽だからスキルより優遇されてるのかな」
「それが原因かはわかりませんが、現状魔法優位な世界という認識で構いません」
魔法主義だから文明が発達しづらいとかありそうだな。ともあれ、魔法主体に選んだ方がいいかもな。
「……大体こんな所でしょうか。」
「ありがとう。」
憶測みたいな物言いが多かったって事は、世界の事に関してはあまり干渉できないって感じなのかな。
「では実際、魔法とスキルを見てみますか?」
「見れるの!? それはぜひ見てみたい!!」
「では」
自称神が手を翳すと、真っ白だった部屋が急に暗くなり、膨大な魔法とスキル名が辺り一面に浮かび上がった。
「うぉ! とんでもない量だな! ターミナルで全情報を見てるみたいだ!」
この中から選ぶのか……これは想像以上だな。でも……。
「スキルの方が数が多い気がするな」
「魔法は系統でまとめられますので」
「ああ、なるほど。例えば氷魔法を選ぶとそれ関連の魔法名はすべて使える前提だから表示されてないのか。レベルや力量を上げる事で使えるようになるツリータイプな感じかな?」
自称神は反応しない。
あ、これは教えられないってやつだな。
「ちなみにおすすめの魔法やスキルとかある?」
……無反応。わかってたけど一応聞いとかないとね。
「ちなみにスキルっていくつか持てるとかある?」
「3つが限界です。それ以上は肉体的に異常をきたし、死にます」
お、これは答えてくれた。
「スキルの力に耐えられない、って事かな?」
「その認識で構いません」
まあ、ある程度制限かけないととんでもない事になりそうだしな。
「逆に、魔法はいくつ選べる?」
「魔法は好きなだけ選んでくださって結構です。」
「好きなだけ!?」
「魔法はある意味自助努力で覚える事が可能でので。ただし、発動できるかはいろいろな要因で決まります。」
「なるほど。覚えられるけど使える保証はないって事ね。」
「はい」
じゃあ魔法は全適性でいった方がいいか。使うものだけ伸ばせばいいしな。
「まずはスキルを選びますか? 永灯さんには最大数の3つ、好きなスキルを選んで頂いて結構です」
「お! 詫びチートってやつ?!」
「話が早くて助かります」
きたきた! でもその前に……。
「先に確認したい事があるんだけどいいかな?」
「どうぞ」
「スキルを3つ持つことでデメリットある?」
「貴重、という評価になると思います。通常スキルは1人1つが基本です。2つ持つ人はレアで、3つは世界中でも殆どいません」
貴重なのに、デメリットとして伝えてくるあたり、俺の望みや目的をよくわかってらっしゃるね。さすが神さま!
「恐れ入ります」
「あはは、読まれてるのね。ごめん、もう1つ。スキルを3つ持ってるってバレる?」
「特定の場所や、鑑定系の魔法やスキルを使われない限りはバレません」
「そっか。」
やっぱりそうなるか〜。飼い殺しなんてまっぴらごめんだしな。かといって偽装系のスキルで枠潰したくないし。悩むけどここは先に進もう。
「最後に相談なんだけど」
「なんでしょう?」
「詫びの他に『転生特典』を追加してもらえると助かるんだけど!」
「はい!?」
ご一読いただきありがとうございます。
フリーランスのWEBマーケターおじさんが、異世界のスキルを斜め使いしていく物語が始まります。
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次回、第3話は【願わくば】(※次の話の予定タイトル)を更新予定です。




