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不死身の賢者  作者: @Tomo
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また面倒な依頼なのか?


口は災いの元とは良く言ったもので、ちょっとした一言がマークを地獄に陥れた。

結局、今日の鍛練はマークが新たな境地に達するための鍛練になってしまった……


「マーク……今のお前ならどんな戦場からでも生還出来るんじゃないのか?」


「あれだけの矢を防ぎ切るなんて……」


「素直に謝ればよかったのよ」


「これだけの鍛練が出来たことを感謝なさい」


「ゼェ、ゼェ、ゼェ……ゲハァッ!」


言い返す余裕もない状態だな……

ユリアの言う通り、さっさと謝ればよかったのに。

そこまでホリーに頭を下げたくなかったのか?

吐くまでの鍛練なんて久々に見たぞ……




「いっ、……いつか地獄をみせてやるからな!」


少し回復したマークから負け犬の遠吠えが……


「ウォルフ様、この感謝を知らない蛮人から護ってくださいませ」


「感謝……ねえ」


本気でそう思ってる感じがホリーらしいよな。

確かに濃い鍛練が出来たんだろうけど。


「鍛練なら、俺にも魔力を供給しろよ!」


「あっ、その手があったんだな……」


マークからの指摘で初めて気付いた。

マークにも魔力を供給してれば、身体強化の鍛練になったんだ……

『魔力の供給を止めろ』と言われた後、何も考えずに見ていただけだったな。

マーク、申し訳ない……


「戦いになると頭が回るくせに、何で普段はこうも残念な奴なんだお前はああああぁぁっっっ!!」


八つ当たりだよな。

元々、マークが失言しなければこんなことになってなかった筈だし……





今日も魔力制御の鍛練に出掛けようとしてるところに、ハルムントの冒険者ギルドから呼び出しが来た。

駆け出しの冒険者をメッセンジャーとしてギルドが派遣して来たが、昨日は留守だったので早朝に来たそうだ。


「これが預かったメッセージです」


メッセンジャーは魔力封蝋された封筒を差し出す。

ユリアがチップを渡して労うと、嬉しそうな表情で帰っていった。

丁寧に魔力封蝋まで施した手紙の内容は、俺達がギルドに顔を出せば話たいことがあるというものだった。

重要なことも書いてない手紙に魔力封蝋なんて施す必要があるのか?


「ギルドから呼び出しって……内容を明かしてない時点でかなりヤバい話じゃないのか?」


「話も聞かずに断ることも出来ませんし……」


「だよなぁ……」


とりあえず、クラン全員で出向くことに決まった。

ギルドからクランへの依頼となると、ギルド所属の冒険者パーティーでは手に負えない事案だろう……

そんな話なら全員で話し合う必要があるからだ。





ギルドに顔を出した俺達は、そのままギルド長の執務室へと通された。

予想通り……面倒な話になりそうだ。


「久しぶりだな。近頃ギルドに顔を出してなかったが何をしてたんだ?」


「秘密の特訓ですよ」


「君達の実力で更に特訓する必要があるのか?」


「常に上を目指さない人間の末路はご存知でしょう?」


かつては冒険者であった筈のギルド長の言葉とは思えない寝言に対して皮肉で答える。

安全な環境は狼を豚に変えるんだな……

このギルドは大丈夫なのかと不安になる。


「レイスル王国から『君達の扱いには細心の注意をはらう様に』と通達が来ているんだ。そんな存在が更に扱い辛い存在になるのは勘弁して欲しいな」


「この間のエルフの事件を踏まえてのご意見とは思えませんね。ギリギリの戦いを強いられた俺達が更に上を目指すのは当然のことだと答えておきます」


「そう突っ掛かって来るな」


「今の状況で不穏な空気を感じないなら、平和ボケしているとしか言えない状況なんですよ?」


『平和ボケ』とまで言われたギルド長は不機嫌な表情を隠そうという気もなくなったようだ。


「かつて冒険者だったギルド長なら、鍛練の末に得られる成果は僅かなものと知っておられるでしょう。事が起こってから鍛練を始めても間に合いませんよ」


「悪かった、不用意な発言を取り消そう」


不機嫌な表情は変わらないが、冒険者としての経験から俺の発言の意図を察したギルド長が折れる。

レイスル王国からの通達の意図を間違えて解釈されてたんだろう……

レイスル王国はエルフとの戦いに於いて、俺達の動きに制限をかけるなという意味で通達を出した筈だ。

それを……俺達に『鍛練するな』なんて言ってたら、レイスル王国に反抗する思惑があるととられかねない。

やはり、冒険者あがりのギルド長には王族、貴族の腹黒い言葉を正確に理解するのは難しかったんだろうな。


「でっ、わざわざ呼び出す程のご用件は?」


「レイスル王国から君達への指名依頼をギルドが仲介している。詳しい内容はギルドも把握していないのだが……」


「アルフレッド殿下じゃなく、レイスル王国から?」


「ギルドの王都支部に届いた依頼書には陛下の印が押されていたそうだ」


「チッ、面倒臭そうな話になりそうだよな」


思わず舌打ちをした俺に、メンバー全員が頷く。


「陛下の依頼に舌打ちしてんじゃねえぞっ!!」


ギルド長がブチキレた……

あんたはこの前の経緯を知らないからだよ……

そう思ったが、とりあえず謝っておくか。

わざわざ周囲を敵に回す必要もないし……

いつも拙作をお読み頂きありがとうございます。


リアの生活に追い込まれながらも更新を続けていけているのは、皆様から頂ける評価、PV、ブックマークからやる気を頂いてるおかげです。


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