真実
『鳥転生』を読んで下さっている人で、事実を知りたくない人は読まないことを推奨する話です。
目が覚めた。
しかし、いつもとは違ってとても気持ちのいい目覚めとは言えない。
ハッキリと起きたとは言い難い、まだ朦朧としている。
真っ白な壁。
それを強制的に見せられている。
動かせないのだ。首を、頭を、体を。
眼球だけで周りを見渡す。
リリア?
あれ?声が出てない。
何故だろうか、俺は声を出しているつもりなのに、まるで風邪を引いたように声が出ていない。
ここは、どこだ?
「!?先生!」
ふと、何かが視界に入って来た。
人間......?真っ白な服を着た女性だ。
こんな服、見たことない。
「おお!意識を取り戻したか!すぐに親御さんに連絡を!!」
なんだ?何を言ってるんだ?
俺をここから出せ!
リリアは?四神は?みんなはどうしたんだ!?このまま動けないんじゃ、王都は......
しかし、もがいてももがいても体はビクともしない。
だんだんと意識がハッキリとしてきた。
先程の女性が見えた角度。俺は天井を見上げていることに気づいた。
寝かされているのか。
「リ......リア......」
俺は、声を力の限り絞り出す。
助けを呼ばなくては。
リリア、リリアはどこにいる?
「先生!なんか喋っています!」
「意識がハッキリしている......!やったぞ!」
何を喜んでいるんだ。
俺はこんなに苦しんでいるというのに。
早く俺をここから出せ。
そしてしばらくして、先生が「親御」と呼んでいた人物が来た。
その人は、いきなり俺に抱きかかって来た。
抱きかかえられた際に、俺は起こされた。
その時に見た光景に、リリアはいなかった。
リリアだけじゃない、ロナもレイラもイリスも。
誰もいない。
知らない人ばかり。
いや、違う。
それは、知っている人ばかりだった。
「かあ......さん......?」
そう俺が呟くと、抱きついていた人は離れた。そして俺の方を見てる。
涙をダラダラと流して、震えた声で、俺に向かってこう言った。
「おかえり、鳥羽」
俺は生き返ったようだった。




