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不をまとう
サブタイトルがいまいち。
「不自由なツバサ」
空を飛びたいと思ったことは、
何度かある。
鳥になりたいと思ったことは、
あまりない。
でも、
鳥のように空を飛びたいと思ったことは、
数え切れないほど、
ある。
地面から、地上から、
足が離れて、
天上の生き物になる空想をする。
ずっと空を飛び続けるのだ。
朝も、昼も、
夜だって。
死が体を支配するまで、
飛び続ける。
そんな空想を、
よく晴れた秋空の下で。
「不透明なユクエ」
喜びはどこへいく。
あの子と体をよせあった雨の日。
怒りはどこへいく。
大切な絵本を汚された冬。
哀しみはどこへいく。
イチョウの葉が落ちきった秋の暮れ。
楽しさはどこへいく。
追いかけ追いつき、変わる鬼の役。
感情はどこへいく。
思い出はどこへいく。
私が死んだ日、
彼らはいったい、
どこへいく。




