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夏の天海
「青光鳥貝」
青いビニル越しに見えたのは、
うすくぼやけた空の青。
大きな光がきらめいて、
日陰の住処を奪い去る。
何処も彼処も熱に浮かされ、
焦げつくほどに素足が焼ける。
焼いて焼かれて白さを失い、
黄金色の砂が落つ。
天高く舞う鳥よ。
いったい何処を目指しているのか。
私のこの目の届かぬ場所へ、
飛んでいってしまうのか。
浜辺の貝は口を閉ざした。
一人たりとも話をしない。
おしてはかえす波にまぎれて、
小さな泡が消えていく。
青は、光は、鳥は、貝は、
生の最後に何を見る。
「ユメの上空」
静かに飛んでる夢を見た。
空の上はとても静かだ。
嫌らしい声もしない。
人がいないだけで、
こんなにも呼吸が滑らか。
ひどく纏わりつく赤い塊は、
地の底で呻いている。
雲よりも上にいるので、
人も、地面も、ビル街も、人口の光も、
何も、何も見えない。
果てしなく続く空だけがある。
一言も発さずに、
静かに飛んでる夢の中。
そのまま息を
とめたくなった。




