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少女は、 [前編]

好き勝手に、自分の頭の中にある物語を書き出してます。誤字脱字あったら、「あっ、間違ってるなぁ」と思いながら、温かい目で見てください。

レンガやコンクリート、たまに鉄で出来た建物が並び、空では近くにある星に向かう機関車や車が駆けていた。そんな街の端っこには、自然保護区の森がある。そこに住みながら管理者を務める、一人の女性がいた。


管理者、高い位置に髪を一つ結びをしてゴーグルと小さな羽付きの帽子を被った桜色の瞳の彼女、名は【桜】。彼女は管理者以外にも仕事をしている。


この世界では、他の星でしか手に入らない鉱物や食材を取ってきてもらったり、厄介なモンスターや海賊の討伐依頼などを受ける、いわゆる【ナンデモ屋】がある。様々な種族が登録をしており、桜も魔法使いとして登録している一人である。


ナンデモ屋の依頼は、専用のタブレットでやってくる。依頼が完了後は、通信機で報告する場合もあれば、直接依頼主に報告する時もある。荷物を届ける依頼の時は、後者の場合が多い。


そんなナンデモ屋から、一通の依頼書が桜に届いた。

まだ、太陽が一番上に上がりきる前の時間。


机の上にあるタブレットから通知音が鳴ったことに気づいた彼女は、急いでタブレットを取って依頼書を確認する。


「鉱物の発掘と、その運搬依頼か・・・。私のところに来るってこては、面倒臭い案件だな?」


うーんっと少し悩むが、直ぐに依頼主と通信を繋ぐ。浮かび上がった映像には、一人の男が映っていた。


「はじめまして。依頼書を受け取った、上級魔法使いの桜です。依頼書の送り宛は、私で間違いないですね?」


桜はニコニコとした顔で、依頼主に喋りかけた。


『あぁ、間違いない。貴方たち、上級にしか頼めない仕事です』

「というと、厄介な場所に鉱物があると?」

『その通りです』


彼はそう言うと、一つの地図を送ってきた。

地図を開き見て直ぐに、桜の表情は険しくなった。


「ここは・・・」

『洞窟の中に、元魔法研究施設があります。研究施設の先に、今回、採掘してきてほしい鉱物、カイヤナイトがあります』

「施設の今の状態は?」

『人はいなく、警備メカニカル何体かが活動しているというのは分かっていますが、正確な数とそれ以上はわかっていません』

「・・・わかりました。鉱物を採掘出来次第、送り届けます。何処に送り届ければ?」


『場所は送信します。では』


彼はそう言って、通信を切った。


「・・・よし。あいつらも誘おう」


彼女は意気揚々と椅子から立ち上がると、支度をする為に部屋を出た。




〈 少女は、  〉




道路を走るトラムと車を横目に、桜は杖に乗って飛んでいった。

向かっている場所は、彼女にとって、最も信頼出来る知り合いの店だった。


知り合いの店、魔道具屋【ニリンソウ】。そこは、様々な道具が取り揃えており、道具の修理などもしている。

ニリンソウの前に着いた彼女は、杖から降りると、乗っていた杖を短くして鞄に収納する。

扉に付いている鐘を鳴らしながら店に入っていった。


扉の鐘がチリンっと鳴ると、カウンターで大きいモニターを見て作業をしていた一人の女性が、入ってきた桜に気づく。


「あっ、桜ちゃん!いらっしゃい!」


ニコッとした笑顔で明るく桜を出迎えたのは、長い髪に首にゴーグルを掛けた空色の瞳の彼女【柊優《シュウ》】は、ニリンソウの経営をしている一人である。そして、桜の親友であり上級魔法使い仲間でもある。



「久しぶりだね、柊優ちゃん!」

「久しぶりって言っても、一週間ぶりくらいだけどね!今日はどうしたの?」

「修理とかじゃないんだけど、手伝って欲しいことがあってね?ショウもいる?」

「いるぞ」



柊優の後ろから聞こえてきた声の方を向くと、桜や柊優より背が高く、薄く微笑み、首元まで伸びた髪にゴーグルを首に掛けている【将風《ショウ》】と呼ばれた瑠璃色の瞳の彼は、柊優の双子の兄である。彼女とは反対に、落ち着いた雰囲気を纏っていた。


将風は、柊優の横に並ぶと桜を見つめた。


「頼み事って、またナンデモ屋の手伝いか?」

「そう!今回は、二人にも手伝って欲しいんだ!報酬は出すよ!」

「二人って、私も?」


柊優が少し驚いていると、横にいた将風はちょっとだけ首を傾げた。


「二人にもってことは、他も誘うのか?」

「零にも手伝ってもらう予定!」

「あぁ、なるほどな」

「じゃあ、四人でやるの?」

「そう!」


桜は二人に明るく返事をする。


「今回の依頼、一人だと無理だと思ってね。機械に強い二人と、プログラミングが好きな零を連れてこうと思ってね」

「・・・零に連絡は?」

「これからするとこ!」

「あー、じゃあ連絡して来い。店閉めてくるから」

「閉めるってことは、引き受けてくれるの?」


双子は、お互いを見て直ぐに桜に視線を戻した。


「もちろん!桜ちゃんの頼みだし、私も行ってみたいから良いよ!」


柊優の言葉に、将風は頷く。

そんな二人に、パァっと笑顔になる桜。


「ありがとう!じゃあ、零に連絡してくるね!」


そう言って、彼女は通信機を使う為に隅の席に向かい、双子は店を閉める準備をした。



ーーーー



電気はつけていないが、窓からの陽の光で明るくなっている部屋。大きいモニター二つと向き合い、椅子の上であぐらをかき、膝にモニターに有線で繋がっているキーボードを乗せてカタカタと音を鳴らしながら、パソコン作業している男性がいた。


机に乗っている通信機から通知音が鳴り響くと、少し出るのを迷うように、ゆっくりとそれに手を伸ばす。

通信機を開くと、桜の姿が映っていた。


「・・・何?」


気怠そうに彼女にそう答える、サイドに跳ねた髪に黄緑色の瞳の彼、【零《レイ》】は、ネットワークのプログラミングや、たまに柊優達が作った魔道具やメカニカルにプログラミングする仕事をしている。ただ、人付き合いが少々苦手なのか、基本的に無愛想である。


『ナンデモ屋の仕事手伝って欲しくて』

「嫌だ」

『報酬ちゃんと出すからさ!』

「い・や・だ」


ハッキリと拒否をしながらモニターの方に向き直して作業を再開する零。そんな彼を見て桜は、少々ムッとする。


『・・・柊優ちゃんも一緒に行くんだけど?』

「・・・・」


桜の言葉にピタッと動きを止める彼を見て、彼女はニヤッと笑う。

彼は通信機に映る桜の方に視線だけをやり、彼女と目を合わせた。


『じゃあ、ニリンソウで待ってるから、直ぐに来て!』


桜はそう言うと、直ぐに通信を切ってしまった。


零は、しばらくしてから大きい溜息をつき、椅子から立ち上がると支度を始めた。



ーーー



三十分程経った頃、ニリンソウの扉の鐘が鳴った。

音に気づいた桜は、扉の方を見る。そこには零がおり、こちらに向かって歩いて来た。


「来てくれてありがとう!零!」

「ちゃんと報酬払ってね?」

「もちろんだとも!」


桜の座っている席の横に立つと、将風は立ち上がった。


「零。お前は珈琲で良いか?」

「うん。ありがとう」


将風は、零の返事を聞き頷くと彼の分の珈琲を取りに行った。


「久しぶりだね、零くん!ハジメくんも、元気?」

「久しぶり、柊優さん。ハジメも・・・元気してるって大声で言ってるよ」


そんなやり取りをする二人を見て、ニマニマと見つめてくる桜の視線を感じた零は、桜の方をジトっと見ながら柊優の横の席に座った。


「なに?」

「別に?」


さらっと柊優の横に座る零が面白くてしょうがない桜。そんな事をしていると、将風が珈琲を持って帰ってきた。

零の前に珈琲を置くと、将風は桜の横に座った。


「さて、揃ったところで説明するね!」



桜は、真ん中にタブレットを置き、三人に見やすいように地図を映し出して、依頼内容を説明した。

一通り説明を終えて直ぐ、喋りだしたのは将風だった。


「警備メカニカルの正確な数が分からないのか?というか、元魔法研究施設ってことは、他にも何かあるよな?」

「多分あると思う!」

「僕たちを呼んだのは・・・待って」


零はそう言うと、鞄から魔法陣の絵が入った箱を机に出すと、左右を持ち、ガチャンッと音と共に勢いよく回し開く。開くとキーボードが映し出されており、モニターが映し出されていた。いわゆる、コンパクトパソコンである。皆からは、コンパソと呼ばれてる。


「一《ハジメ》」


零がそう言うと、彼の右手の甲に魔法陣が出ると共に、モニターの中心にも魔法陣が出る。

そこに、零とそっくりな見た目の男性が出てくる。違いがあるとすれば、零とは真反対にニコッとした笑顔に、萌葱色の瞳をしている。



一《ハジメ》と呼ばれた彼は、零のもう一つの人格である。零は、世にいう二重人格の魔法使いである。彼は、どうにか 一 と別々で行動できたりしないかと、試行錯誤した結果、零の得意な魔法を駆使してネットワークの中に召喚をするということをし、別々で存在することが可能になった。



一は、桜の方を向き、話を始めた。


「どう考えても、システムは生きてると思うぞ!それを何とかしたいから、俺たちを呼んだんだろ?」

「そう!私も、ある程度の知識はあるけど、専門までの知識はないからね。二人だったら、なんかあっても大丈夫だと思ってさ!」


ニコニコした笑顔で答えた桜。


「この施設の中の地図は無いの?」


柊優の質問に、彼女はタブレットを操作して確認する。


「簡単な地図はあるんだけど、施設内の詳しい地図は、ないんだよねぇ」

「じゃあ、その場で調べる感じだね」

「そうだねぇ」


桜はそう答えると、手をパンっと叩いた。


「と、いう感じかな?とりあえず、その場に行ってみようか!」



▽▽▽



支度を終えた桜達は、ニリンソウの作業場でもある裏手で、元施設がある星に向かう為の船、バイクを二台出していた。

一台は、桜のバイク。もう一台は、将風のバイクである。


桜のバイクには、桜と柊優。

将風のバイクには、将風と零。

それぞれがバイクに乗ると、専用のヘルメットを被る。


「さて、行きますか!」


桜が言うと、将風はコクッと頷く。


「久しぶりに桜ちゃんのバイクに乗るなぁ」

「たしかに!柊優ちゃん乗せるの凄く久しぶりかも!」

「将風。安全運転でお願いするよ?」

「おう」


二人は、バイクのエンジンを掛ける。ハンドルバーにあるダイヤ型のスイッチを押すと、二輪のタイヤのサイドウォールに魔法陣が光り浮かび上がる。

すると、バイクはエンジン音とともに宙に浮き始める。


「将風!地図は送ったよね?」

「あぁ。貰ってる」

「よし!じゃあ、出発だ!」


桜の言葉を合図に、二台のバイクはエンジンの音を出して、宇宙へと飛び出していった。



▽▽▽



元魔法研究施設がある星に着いた彼女達は、バイクから降り、他の者に盗られないように魔法をかける。

元施設の出入り口に着くと、さっそく零が鍵開けを始めた。


「開きそう?」

「まぁ、鍵開けは簡単に行きそうだね」


桜と零が鍵開けをしている横では、柊優が望遠鏡で周りの観察、将風が小型の機械で施設内を調べていた。


「将風は、どう?」

「・・・・生命体反応と魔力反応は、なさそうだな。今のところだが」

「柊優ちゃんは?」

「こっちも、怪しそうなのはいないね」


そんな会話をしていると、ガチャンッと大きな音と共に元施設の扉が開いた。


「開いた。ついでに、一が施設の地図を探してダウンロードした」


そう言った零は、タブレットを出して地図を皆に見せるように映し出した。


「地下に行けば、採掘場があるね。そこに目的の鉱石があるはず」

「その前に、システム室に行かないと。警備システムを止めないと、自由に動き回るのは危ないでしょ?」

「そうだね。じゃあ、まずはシステム室に行こう!」


地図上でシステム室が何処にあるか探すと、将風が指を指す。


「ここだな」

「採掘場とは少し遠いけど、仕方ないか。別行動は避けて、皆で行った方がいいね」

「簡単に鍵も開くし、地図も入手出来たから、そこまで厳しい警備システムは発動しないかな?」


零に目線をやりながら柊優は、地図を見て言う。


「・・・だといいんですがね」



彼らは、このフラグを回収することになる。



***



「びっくりした、急にヘッドショットされたのかと思った」


続きは近いうちに。

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