断罪の記憶と闇に震える臆病者
戦いが終わる前、ガイウスとルシッラは目の前で繰り広げられる惨状をただ見つめていた。二人の瞳は恐怖に見開かれていたが、ガランはそんな二人をよそに悠然と歩き出し、案内役マルクスの近くにいた護衛に目を留めた。
その男はハルバードを死に物狂いで握りしめたまま硬直していた。その思考は、二人の暗殺者と倒れた仲間を交互に見やりながら、パニックの渦に呑み込まれていた。
(こいつら、止められない……全員殺される……どうすればいい、どうすれば!? 逃げなきゃ――いや、守らなきゃ――でも無理だ……)
出口を求めて視線を彷徨わせていた護衛は、門の方から一人の奇妙な少年が近づいてくるのに気づいた。少年は不気味なほど落ち着いた足取りで進み、その口元には微かな笑みさえ浮かべていた。
「だ、誰だ貴様は!?」護衛が声を震わせる。
「俺か?」ガランは愉快そうに自分を指差した。「この事態の責任者だよ」彼は小首をかしげた。「戦いたいか?」
その答えと笑みが、護衛の混乱した思考を貫いた。男の引きつった視線がマルクスに向く。マルクスもまた、ガランの言葉に打ちのめされたように見開かれた目でこちらを見ていた。(何とかしなきゃ!
今動かなければ、俺たち二人とも終わりだ!)護衛は恐怖を押し殺し、決断した。
再び少年に目を向けた時、男の意識は一つの必死な考えに絞り込まれた。彼は武器を構え、突撃のために足を踏ん張り、深く息を吸った。
「こいつだ! こいつがリーダーだ!」
護衛の叫びと共に、ハルバードの刃がガランの胸へと突き出された。だが、ガランは動かなかった。ただ前腕を軽く上げただけだ。刃が彼の肌に触れた瞬間、まるで頑強な岩石を叩いたような鈍い音が響き、彼の内なる神聖なる盾によって弾き返された。
自分が何を叩いたのかを悟り、護衛は凍りついた。
ガランの笑みが深まる。彼はハルバードの柄を掴むと、独楽のように旋回し、男を広場の向こうまで投げ飛ばした。さらに手首を軽く返して宙を舞うハルバードを掴み取り、今度はその刃を、かつての持ち主へと向けた。
一歩、また一歩と、彼は計られたように正確な足取りで進む。
「やめろ! 待ってくれ! 悪かった!」護衛は震えながら、地を這って後退した。「神よ、お助けを(デウス、クアエソ)!」
だが、ガランは答えなかった。
ガランの念波が護衛の記憶へと潜り込み、彼がワイナリーの地下組織に深く加担していた無数の記録を暴き出した。
「あの人たちを傷つけるのを、自分の意志で止めなかったのは不幸だったな」ガランの声は冷淡だった。「もし止めていれば、見逃してやったものを」
「な……何を言って――いやだ――!」
ガランはハルバードを一閃させ、一撃でその男の生に終止符を打った。
「三人目」
彼が武器を引き抜くと同時に、背後で爆発が起きた。ガイウスとルシッラが肩を震わせて振り返ると、一人の護衛が炎に包まれていた。
「四人目」ガランは二人の脇を通り過ぎながらカウントを刻む。
その時、右胸の下に鋭い痛みを感じた者がいた。「五――」彼は確認し直した。「いや、待て。あいつは大丈夫だ」
「誰のことだよ!?」ガイウスが問い詰める。
「お前が心配する必要のない奴だ」ガランは平然と言い、ルキウスに思念を送った。『……おい。その二人、生かしておけと言ったはずだぞ』
『わかってますよ、主』
ガランは次に、恐怖に震える案内役マルクスに歩み寄った。「審判の時が来たぞ」彼はハルバードを掲げ、朗々と声を響かせた。
「ガラン、やめて! 彼は無実だ!」ガイウスが悲鳴を上げる。
「……運命を、受け入れよう」マルクスは判決を待つように目を閉じ、囁いた。
そして、ガランは判決を下した。……マルクスの肩をポンと叩き、こう言ったのだ。「よくやったな、相棒。その調子で頑張れよ」
だが、あまりの緊張の反動にマルクスの精神は限界を超えた。彼は白目を剥き、そのまま地面に崩れ落ちた。極度の恐怖による失神だった。
「『ありがとう』くらい言ってほしかったんだがな」ガランは肩をすくめ、マルクスの傍らにハルバードを捨て置いた。「ほら、プレゼントだ」
それから間もなく、ティベリウスの斧が別の護衛の命を奪った。「五人目」
ガランは野営地の中央に戻ると、スープの鍋に歩み寄った。ぬるくなった汁の中に手を突っ込み、炎波を用いて加熱する。彼の手に宿った力のヴェールが陽炎のように揺らめき、数秒でスープが沸き立った。彼は豚肉を一口、口に運んだ。
「……悪くない」彼は怯える料理番たちに向き直り、宣言した。「お前ら、いい腕をしてるな」
トゥリウスとデキムスは狂ったように何度も頭を下げ、ガランは鍋からスープを啜る作業に戻った。
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それより少し前。厩舎の影では、二人の衛兵隊長が身を潜め、声を潜めて話し合っていた。
「カエソ、なんでこんなことになっちまったんだ?」若い方のデキウスが、すすり泣きながら言った。「俺たちが何をしたって言うんだよ」
「静かにしろ!」カエソが低く唸った。「パニックになったところで助かりはしない。いいか、聞け。どんな集団にもリーダーがいる。そいつを殺せば、残りの連中は退くはずだ」
「でも、もしこれが神々からの罰だったら? あの人たちにしてきたことへの報いだとしたら……」
「神が俺たちを問題にするなら、とっくの昔に殺されてるさ」カエソが鼻で笑った。「これは神の天罰なんかじゃない。ただの『商売仇の襲撃』だ」
その時、外から叫び声が聞こえた。「こいつだ! こいつがリーダーだ!」
カエソが眉を上げた。「待て……ラルが見つけたのか?」
彼は迷うことなく、厩舎の外へと忍び足で出ようとした。
「いやだ、待ってくれ! 行かないでくれ!」デキウスが縋るように訴える。
「すぐに戻る」カエソは険しい表情で約束した。「静かにしてろ」
彼は怯える友を暗闇に残し、混沌の渦巻く外へと滑り出した。




