episode4
天気は快晴。見事なまでの学園祭日和。そんな天気とは裏腹で、若葉のテンションはどんよりと曇っていた。
「...とうとう来てしまった...。せめて雨でも降って来客数減ってくれればよかったのに...。」
若葉が誰にも気づかれないように本当に小さく呟いたのだが、地獄耳のクラス委員長がその呟きを聞き逃すハズがなく。
「なんてことを言うの佐倉君!学園祭と言えば晴れと決まっているものよ!そして、この学園祭に来たお客さんを1-3に集客するのよ!そ・の・た・め・に!桜ちゃん!よろしくね!」
「...ハァ...」
クラス委員長の言葉をかわきりに、クラス中から「桜ちゃんよろしくね!」「期待してるぜ!桜ちゃん!」と声が上がるのであった。
「それじゃあ、それぞれ準備に取り掛かりましょう。佐倉君、ちゃんとコンタクト持ってきてくれた?」
「...ハイ。持ってきました。」
「よし!じゃあハメてね!その後にメイクするから。衣装、メイク係の皆!佐倉君任せるね!」
「りょーかい!佐倉君!メッチャ可愛くするからね♡」
若葉はクラス委員長から衣装、メイク係の女子へと引き渡された。これはもう腹を括るしかない。こうなったら、来客した客全員惚れさせる勢いでやってやる。頑張れ若葉。負けるな若葉。そう若葉が小さく燃えていると、クラスの皆が「とうとうやる気になってくれた!」と喜んだ。
「皆、オレ頑張るから。気負わちゃわないように今日一日は皆も"桜ちゃん"って呼んで。」
「佐倉君...いえ、桜ちゃん...!ありがとう!アナタを立派な女の子にしてみせるわ...!!」
クラス委員長は感極まって、フルフルと震えている。他のクラスメイト達も「オレ達も気合い入れて美味いもん作るからな!」「私達もコス頑張るからね!」と盛り上がった。クラスの思いが一致団結した後、皆自分達の持ち場へと散っていった。
「桜ちゃん、最初の衣装はどうする?やっぱり無難にメイド服からとかどうかな?ウィッグはロングのツインテールで!」
「うん。良いと思う。オレって途中、客引きとして校内回るんだよね?」
「そうね。その時はこのピンクのゴスロリとか良いと思うんだけど...ウィッグはウェーブで!」
衣装担当の女子がおずおずとゴスロリ衣装を若葉に見せてきた。
「コレなら派手目で華やかだし、人目を引きやすいから客引きにはピッタリかもね。コレで行こうか。」
若葉がそう応えると、その女子は目をパァっと輝かせた。
「ありがとう!今回の衣装の中で一番気合い入れて作ったの!」
どうやら彼女の自信作だったらしく「桜ちゃんに絶対着て欲しくって...」と頬を赤らめるのであった。そんな彼女の期待に応えてあげなければと奮起する若葉であった。




