episode41
若葉とクラス委員長の尽力もあり、クラス全員赤点は回避し、また、若葉は今まで通り学年1位をとった。新にLINEすると、「オレも全教科赤点回避!」と写真付きで返ってきた。土日に勉強を教えたお陰か写真には70点以上の点数が並んだテスト用紙が写っていた。それを見て「おめでとう。」と返信したのだった。
「まぁた佐倉ちゃんに1位とられちゃった!」
「委員長!」
「あなたの頭の中どうなってるの!見せてみなさい!」
「痛たっ!ちょ、やめて委員長!」
「ムゥ。この鬱憤は球技大会で晴らしてやるんだから!さ、教室に戻って!次の時間は球技大会の話し合いよ!」
「...オレはテストより球技大会の方が憂鬱だよ...」
若葉とクラス委員長は2人揃って教室へと戻ると、丁度よくチャイムが鳴った。そしてクラス委員長はそのまま教壇に上がると「皆席に着いてー!」と声を上げた。
「さて、皆が待ちに待った球技大会が始まります!テスト勉強で溜まったストレスを発散させるわよ!」
「そして目指せ優勝!」と声高々に言った。
「佐倉、お前何出る?」
「オレ運動...特に球技が苦手だから、応援に徹するよ。」
その言葉をクラス委員長は聞き逃さなかった。
「では佐倉君!アナタにはチア衣装で応援してもらいます!」
「冬場のチアは寒いよ?!」
「フッフッフ...。そこは大丈夫!ちゃんと長袖の物を用意してあります!」
「え?!用意済み?!」
「ウィッグはポニテールにしましょうねぇ」とクラス委員長は黒い笑みで言った。周りの男子達からは「ドンマイ」「桜ちゃんの再来、か...」と口々言われていた。
「球技をしないならこれくらいはしてもらわないと♪」
「ハァ...。わかったよ。着るよ。着ればいいんでしょう?」
若葉も投げやりになってしまった。もう女装に抵抗はない。そんなやり取りを窓際で聞いていた担任から「ちょっとごめんね!」と声が上がった。
「皆話し合いの途中でゴメンね!先生から一つ話しがあります。」
そう言うと担任は教壇に上がった。
「えー、普通なら2年生からなんですけど、諸事情により3学期からウチのクラスに留学生が来ます!」
そう言うと教室がザワザワと騒がしくなった。
「先生ー!諸事情ってなんですか?」
「なんでもホームステイ先の予定で...。それに日本に慣れるなら3学期からの方が良いとの校長先生のお達しで。」
「?ホームステイ先の予定ってなんですか?」
「んー、個人情報なんだけど...」
担任はそう言うと何故だか若葉を見た。若葉が首を傾げると、「まぁ、知られることになるからね」と言い、
「ホームステイ先は佐倉君の家で、ご両親が学校の冬休みから海外赴任されるそうなので、佐倉君の事を心配してとの事です!」
若葉含め教室は絶叫した。「父さん、母さん。大事な事はちゃんと話してください...。」若葉は心の中でそう呟いた。




