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シゴノセカイ《改訂版》  作者: 福乃 吹風
113/113

113話 災いのもと

 藍雅を止めていたら、シロノ城から龍が現れ、その龍は初めて見る龍だった。玖朗団長、あともう少しで藍雅を助けられそうなの。だから持ち堪えて。


◆


 滾良ちゃんを止めていたら、シロノ城から龍が顔を出し、恐れていたことが起きている。早く滾良ちゃんを止めて、想心のところへ行かなくちゃ。


◆


 兎を止めているとシロノ城から、龍が現れ、玖朗とセブラが言っていた龍だと知る。兎を捕縛することができたとしても、兎は唸って近くにいけば、噛みつかれる。助けられる方法はないのか。


◆


 紬先生を止めてたら、城から大きな龍が現れ、かなり大きな龍だった。紬先生を元に戻して、想心の援護に入りたいのに、紬先生は邪神によって支配されている。俺たちで本当に救えるのか。


◆


 何度も美麗にやられっぱなしで、焔と一緒に美麗を助けようとしても、どうもうまぐいがねえだ。城の方から大きな龍が出ていたとしても、先に美麗を救わなきゃあならねえだ。


◆


 他の獣柱より、義臣はさっきより荒く攻撃をしてきており、なんとか魔法で交わしていくも、いつまでもつかわからない。紺瑠璃の団員たちも、魔法を出して必死に止めてはくれているが、あの龍が現れてから、力が倍となっている。

 想心、冰春が無事でいてくれればいい。


◆


 本当は盾乃を連れてくるべきじゃなかったけれど、家族で鈴翔を止めていた。さっき城から龍が現れたとしても、想心たちは大丈夫だよねと信じて、僕がやれるべきことを成す。


◆


 鹿崎さんを救うか救わないか迷っていても、私は誰一人失いたくなかった。シロノ団員はほぼ全滅していることに悲しみがあったとしても、これ以上魂が奪われないために、鹿崎を止めなくちゃ。

 城の付近にいたから最初は驚いたけれど、想ちゃんと思穏くんなら、絶対に止めてくれる。二人を信じているから、私は上司を元に戻すよ。


◆


 環、いい加減にせえと思いながら、魔法を当てていき、それでも正気を取り戻さないだなんて、獣柱失格だと思う。想心のご両親の元へ行ったら、すぐシロノ国へ行ってほしいって言われたよ。

 たとえ馬鹿でかい龍が現れたとしても、まずは環を戻してからだと、魔法を当てていく。


◆


 やっと叶ったと遠くからシロノ城にいる龍を眺め、この日のためにいろいろと準備をしてきた。僕の家系は蛇柱にずっと選ばれ続け、先代たちの記録帳を見て、僕の心は支配された。

 蛇柱の役目というのは獣柱をまとめ、そして龍ノ王に仕える者として動く。僕は生まれ変わりたいという志願があったのにも関わらず、家系の縛りで強制的に獣柱となった。


 楓は僕が闇に呑み込まれていたとしても、普通に接してくれていた理由は、ただ一つ。呪いをかけた蛇柱を恨んでいるからだ。最初はそう思っていた。

 ただ時折、現世で任務をしながら、楓の家へと訪れることが増えたのは、楓のそばにいると、その闇が消えたからだ。


「楓、僕はこの先、酷いことを弟にするかもしれない」

「想心は必ず、李好のことを理解してくれると思うよ。颯楽から聞いてる。想心は紅葉川家の長男を救った。だから絶対に李好のこと理解してくれるよ」

「そうだといい。不思議だよ。楓と一緒にいると、闇そのものが落ち着いてくれる。楓の前の魂のこと」

「両親から聞かされているから、李好の家系を恨んではない。それに昔の人を恨めって言われても、僕は人を恨んだり、憎んだり、したくはないんだよ。だから李好がここに訪れた時も、普通に接することができてる」


 その言葉にどれだけ救われたのだろうと思いながら、何もない日は楓の家へと訪れていた。そして楓が養子をいれると聞いた時、僕はそこにもういれないと確信を持てた。

 楓が養子にいれた子は、緋土家の子であり、楓のほうでも準備をしてることがはっきりしたことで、決別し僕は再び闇に飲み込まれた。


 僕が叶えたかったと言うのは邪神を復活させ、この三つの世界を滅ぼすこと。じゃないと永遠と蛇見家は蛇柱へと役目を渡されるからだ。

 獣柱のみんなすまないと壊れ始めていく景色を見ていたら、李好と呼ばれる声の主の方へ体を向ける。そこには楓のご両親がいて、おそらく楓の代理として僕を止めに来たんだろう。


「やはり、李好は邪人が解けていたのだな」

「あの子が言ってた通り、冰春を操り邪神を呼び起こした」

「そう。僕は冰春を解放してあげたかった。それなのに龍ノ王は聞いてくださらなかった。だからこうするしかなかった」


 先代たちが残した記録帳には絶対に龍桜冰春を解放してはならないとあって、そこにもう一つ記されてたことがある。それは冰春が災いのもとと記されていたからだ。

 冰春と過ごしていたとしても、災いが起きようとかはなく、普通の子だと思い、そしていつの間にか息子のようにみていた。


 本当の父親がいたとしても、これ以上苦しみから解放してやりたい。そういう想いが芽生えた時、この方法しか見つからなかった。

 冰春を解放させることができ流のなら、獣柱も古き役目もなくなるのではないかいと。


「想心くんのお父さん、お母さん。僕を止めることはもうできない。僕は邪神を解放した張本人」

「えぇわかってる。ただあなたの光は決して消えてない。むしろ強いほう。それに他のみんなも邪人を追い出そうと頑張ってる。ほら、言った通りに」


 邪人になってしまっているみんなの光が次々と見え始めていく。やはり僕が選んだ十人は間違っていなかったんだ。感じる。みんなの光を。


 藍雅、滾良、兎、紬、美麗、義臣、鈴翔、星蘭、環、そして優。みんなの友人たちが絆を使ってみんなの光を元に戻せた。つうっと涙が零れ、これで思い残すことはないと僕は逆に闇を引き出す。

 想心くんのご両親はデステクライを起動させる準備をして、僕は大きな蛇へと姿を変えた。


 ◆


 みよりさんたちが龍に攻撃をしている中、俺たちは邪神に挑んでいた。いろんな魔法を唱えようとも弾き飛ばされ、たまに邪人を出すから、俺と照秋さんは死屍(デッドルタ)を出している。

 邪神は邪悪な笑みをしながら、攻撃をしてきて、なんとか倒す方法を見つけるしかない。


 そしたら邪神が一度止まり、嬉しそうな表情をして、遠くを見始める。後ろを振り向いたら絶対にやられると思い、後ろを振り向けないでいた。


「李好が完全に闇に落ちたようだ」

 

 それによって冰春が行こうとするも俺たちは結界に閉じ込められてしまったようだ。この先は行かせない様子でやるしかない。

 最初は照秋さんが結構な数の死屍(デッドルタ)を出し、くーたんは得意魔法だという植物魔法を唱え、セブラは萩魔法を唱える。思穏は透魔法を唱え、冰春はもちろん氷魔法を唱えた。俺はとカステクラインを起動させる。


「カステクライン!水、水龍の天泣!」


 水龍が現れ雨を降らせ、くーたんの植物魔法が強化し、威力が強くなった。くーたんの魔法で邪神が多少傷を負うことになる。


◆


 俺たちが邪人になっている間に、すごいことになってんなとりよっしーの姿を見る。智人は力尽きたように倒れ込んではいるものの、深呼吸をして落ち着かせようとしていた。


「智人、ありがとな」

「もう止められねえからな。行くんだろ?」

「あぁ。俺たちのリーダーを止めに行ってくる。だから」


 わかってるってと言いながら、俺はりよっしーが暴れているところへと急ぐ。俺たちは大切な思い出があったからこそ、自力で邪人を追い払うことはできたとしても、りよっしーは今まで、大切な思い出を持ったことがないと言っていた。

 それは俺たちに明かさなかったが、りよっしーはもう大切な思い出作れてるんじゃないのか。その思い出は俺たちと過ごした時間だ。だからきっと自分で邪人を追い払える力があるはずなのに、なぜこうなった。


 途中で自分の美を確認している星蘭がいて、美命ちゃんが助けなきゃよかったと言うような顔立ちをしている。うん、美命ちゃんはさっさと想心のもとへ行ってもらおう。

 美命ちゃんと目があって、行ってと合図を送り、俺は星蘭に指示を与える。


「星蘭、美の確認をしているところすまないが、りよっしーが」

「わかっているとも。ただもう少し自分に傷がないか」


 どうせ汚れるんだから、今確認しなくてもいいだろうと目を細めて見ていたら、鹿となってくれた。星蘭に乗りみんなはおそらくあの姿で先に行っているだろう。

 すぐ着いてそうなのは滾良と鈴翔。それから藍雅あたりか。俺はあの姿になれば鶏だから歩くのが遅くなる。


 近くに星蘭がいてよかったよと進んで行くと、優と優の兄を見かけた。二人の周りには邪人が多くいて、助けたほうがよさそうかと思っていると、二人の両親と妹が現れたから大丈夫そうだ。

 りよっしーに近づくに連れて邪人が多くいるから、ここから先は邪人を祓いながら進むしかない。星蘭から降りて星蘭は元に戻り、一緒に邪人を祓いながらその先へと進んだ。

  

 邪人を祓い進んでいると優以外勢揃いで、りよっしーを必死に止めていた。獣柱のリーダーを止められるのは俺たちだけだ。なんとしてでも救うぞとそれぞれアイコンタクトを取り、あの姿となって挑む。遠距離から想心の両親がデステクラインを起動させながら、りよっしーに攻撃を与えていた。

 あの二人も闇の内に宿る眩い光があるから、どんな闇が現れたとしても対処できる。それを信じながら、攻撃を与えていると夏海が現れた。その格好嘘だろと思ってしまうほどだ。みんなも驚愕してしまうほど、夏海は覚悟を持っているようだった。


◆


 赤龍に吹き飛ばされた時は、正直腹が立ったけれど、助けてくれたのは龍ノ王だった。なぜと思いながもあたしを連れて、龍宮へと戻る。

 そこではもう天も何もかもひびが入っている状況で、感じると思いながら龍ノ王の前で跪く。


「夏海。ここに連れて来たのは訳がある。その意味がなんだかわかるか?」

「はい。その覚悟はあの千年からできてます。あの時果たせなかったことを、果たせるのならば、覚悟はあります」


 龍ノ王はあたしを見てそして崩れそうな龍宮を見渡し、あたしのほうに向けた。


「夏海の覚悟、受けよう。直ちに夏海を着替えさせろ。時間はあまり残されていない。急げ!」


 こちらへと言われたから、行く前に龍ノ王に頭を下げ、着替えることになった。二人が捕まっちゃったから、あたしが代わりになる。

 これでいいんだよね、冰春と思いながら着せてもらい、少し緊張感はあるけれど、必ずあの時できなかったことを、今度は成し遂げる。


 準備が整い龍ノ王があたしにこれをとあるものを託された。それは桜と萩の花で作られたもの。


「これは?」

「桜は龍、そして萩は虎だ。かつて龍は虎を愛したと言い伝えがある。ただこの話は公にはされていない。龍は女に、虎は男の魂となって、二人は結ばれるはずだった。だがそこに現れたのが邪神であり、二人を引き離したとされている」

「つまり、えっ」


 言葉で言うならば、天の世界と獄の世界が誕生した日に、邪神によって世界が真っ二つにされたことになる。つまり邪神は今度こそ、三つの世界を滅ぼそうとしているんだ。


「その役目をやるとしたら、虎は誰が行うんですか?まさか想心じゃないですよね?」

「てっきり気づいていると思っていたが、虎の役目はーーーーー」


 龍ノ王から言われたことで、涙が出そうになるもやるしかないと深呼吸をする。全てが終えたらどうなってしまうのか想像がつかないけれど、世界を守れるならと鈴を鳴らす。

 そしてあたしは龍ノ王に力をいただいたことで、昔みたいにスムーズに舞いができるようになった。


 鶏柱は龍ノ姫を守れと指示をしていて、あたしに向かってくる邪人を追い払ってもらう。李好さん、助けるから李好さんも頑張ってと願いながら、舞い続けた。

 この役目を本来、雫ちゃんがやらなければならなかったけど、雫は雫のままで想心たちと過ごしててほしいという願いがある。それから芽森ちゃんは、青春をして、恋をして、たくさん笑って、長生きしてほしいから、この役目はあたしが必ずやり遂げるよ。


 二人はまだ意識を失っている状況だとしても、想心たちが絶対に助けてくれる。あの頃を思い出しちゃうよ。艿花と汀春が楽しそうに、幸せそうに笑っている姿を。

 たとえ生まれ変わってしまっても、二人の幸せをあたしは望んでるから。


 あたしの舞いが鬱陶しいのか、李好さんがあたし目掛けて攻撃しようとも当たらないよ。なぜなら獣柱のみんなが守ってくれてるから。

 あともう少しで李好さんを助けられると思った矢先、邪神が現れてしまった。獣柱はあたしを守ろうと動こうとした時のこと。


 あたしを守ってくれたのは、ファウであり、炎を灯す。


「自分の団長に指一本触れさせねえよ、邪神!」


 すると赤の団員たちが勢揃いで、ここにいたら危険だよと思っていても、あたしには見えた。みんなが出している灯す光が邪神を弱めるってことを。

 ありがとうとファウたちを信じてあたしの光が強くなった影響により、邪神が消え、大きな光が城下町を包んだ。

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