15.お兄ちゃん。
「レタちゃん!どこでそんなこと覚えたの!」
「ティアお姉様の読んでた本に女の最終手段って書いてあった」
そんな本は絶対に存在しないと思う。あとそのお姉様は多分ダメな人だよ?
「良いかいそんなことを誰に対してでも言っちゃダメだからね。そんなことを言う子は悪い狼さんに食べられちゃうからね?」
「お兄様は白狼も食べちゃう様な悪い人でしょ?」
「…まだ食べてないもん」
「あぁ、おねぇちゃんはそういうとこ堅いからね。その点レタは拒まないよ?」
「レタちゃ…」
俺の言葉がレタちゃんの人差し指によって遮られる。
「レタって呼んで?お兄様」
「…レタいいかい?本当にそういうのはもう少し大きくなってからにするんだ。そして俺のことはお兄ちゃんと呼ぶこと良いね?」
レタをたしなめる様に諭す。
え?そのお兄ちゃん呼びさせてるのはって?もちろん他意はないよ?べ、別にお兄ちゃんって呼ばれるのが夢とかじゃないんだからねっ!
「分かった」
「よし!レタはお利口だな!じゃあ一緒にお風呂に入ろうか!」
「うん!お兄ちゃん!」
五分くらい一緒にお風呂に入って、とんでもないことに気付いた。
あれ?俺はなんでレタと一緒にお風呂入ってんの?
バンッ!!風呂場の扉が思い切り開け放たれる。
「レタ!何してるの!」
「お兄ちゃんの女にしてもらってたの」
おいぃい!なんてこと言うんだこの子!さっきの話聞いてないじゃないか!
「私の大事な妹に何してんのよ!」
「ちょ、ちょっと待って!話を聞いてくれ!」
そんな願いも虚しく脳天に踵を喰らった俺は水面に沈んでいった。
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一夜開け身支度を済ませて、宿を引き払った俺たちはエナの実家に向かう。
「私達の国はご主人様と出会った道を、街とは反対方向に向かえば着くわ」
心残りもない俺達はすぐに出発した。街を出て道を歩く途中で、エナはなんで俺を連れて帰るかをレタに説明する。
「いいレタ?ご主人様は私達にお金を貸してくれる出資者だから一緒に帰るのよ。分かった?」
「おねぇちゃんがお兄ちゃんに身体を売って、お金を貸して貰ったんだね?でお兄ちゃんはいくら貸してくれるの?」
「…村を三つ起こす分くらいのお金よ」
「…お兄ちゃんってお金持ちなの?」
「まぁ、譲り受けた物だけどな。ほれ。これが譲って貰った物だよ」
そう言って俺は道具袋を懐から取り出す。
「おねぇちゃんこれって…やっぱりそうなんだ」
レタはエナに視線を移す。それと同時にエナはレタから目を逸らす。
「…ふーん。なるほどね。まぁいいや。それよりお兄ちゃんってすごいお金持ちなんだね?やっぱりレタと良い関係を持たない?」
「昨日も言ったけど、お金なら貸すからそんなこと言わないの」
「分かった」
レタが頭の良い子で助かった。頭が良いせいでまだ覚えなくて良い余計なことも覚えている様だが。
「ところでエナ。冒険者カード見せてくれない?」
「いいけど?なんで?」
「いや、自分以外のって見たことないからさ」
エナから冒険者カードを受け取り内容を確認する。
エリアーナ・ヴァルディ
種族 : 獣人
性別 : 女
ジョブ : シーフ
等級 : プラチナ
表面にはそう記載されている。ってか等級がプラチナ!?そんな高い等級だったのか…。
表面に目を通した俺は、裏面にも目を通す。
※十段階評価となります。一が低く十が高い数値となります。
魔力量 : 7
筋力 : 9
防御力 : 7
知力 : 4
魔法抵抗力 : 5
裏面を見たが何がどうすごいのか全然分からないが、とにかく平均的に能力値が凄く高いことはわかる。
「ご主人様のも見せてよ?」
俺も道具袋から冒険者カードを取り出し、表は知っている内容なので裏面を見せる。
魔力量 : 10
筋力 : 1
防御力 : 1
知力 : 5
魔法抵抗力 : 2
待ってくれ、身体能力はエナに負けていても不思議ではないけど、この知力って項目を見る感じ、エナと頭の中がそんなに変わらないってこと?それよりも俺弱すぎじゃない?防御力関係がゴミカスなんだけど…。
「ねぇ、お兄ちゃんレタのカードも見て?」
レタはそう言って俺にカードを押し付ける。白狼って種族がどんな種族なのかこれで統計が取れるかも知れない。
少し短いです。ごめんなさい。
明日の投稿で白狼とはどんな物か分かってくると思います。




