12.どうしました?お嬢様。
二話分投稿します。12話は浩二視点、13話はエナ視点になります。
「おやおやエナさんや。どうしてワシをご主人様と呼んでくれんのかのぉ?主人が誰かを忘れてしまったかの?もしかして照れておるのかぇ?若々しくてかわいい仔犬だのぉ」
俺は惚けたじいさんの口調で、エナを煽る。自称気高い貴族の狼様は、それはそれは見事に顔を真っ赤にさせて怒り狂った。
「私は白狼なの!何度も犬じゃないって言ってるじゃない!もう許さない!」
そう言ってエナはベットから飛び降り構えを取る。
お?なんだご主人様に危害を加えるつもりか?俺に手を出すとカウントが増えちゃうのに…。バカなワンちゃんだぜ。
そう内心ほくそ笑む。
「どっちがご主人様に相応しいか『アンタ』の身体に分らせてやる!」
手のカウントがIXになり、そしてエナが俺に蹴りをかましてくる。俺は蹴られた衝撃でベットに後ろから倒れ込む。
クソ痛ぇ!思いっきり蹴りやがった!だが、これで手のカウントがXになって俺の勝ちだ!
そう思ったがエナの手の甲にはIXの文字が。
な、何で?今俺のこと蹴ったよな?
「やっぱりね。誓約書には手を出すなって書いてあったよね?足なら良いってことでしょ?それに命は奪ってないからXXにもならないし」
「オーケー分かった。交渉しようじゃないか」
ただのバカなワンちゃんだと思ってたのに、悪知恵の働くバカなワンちゃんだった。
「勿論私が超有利な条件よね?じゃないと交渉する気にもなれないけど?そうね…、これからの色々な全ての報酬は私に献上すること!あとは、ご飯も宿も今後も奢りでよろしくね」
「お嬢様の仰せのままに」
その言葉に気を良くしたのかエナはもう一つ条件を付け加える。
「これからは、誇り高い白狼のお嬢様って呼びなさい!」
「いや、長過ぎだろ。短くして犬なんてどうだ?それに俺のことをご主人様って呼ぶ女の子にお嬢様って言うのもな…なんか違和感ないか?」
「『アンタ』また犬って呼んだ!」
その言葉を待っていた!
エナの手の甲が赤く輝きXの文字が浮かび上がる。その瞬間エナは力なくベットにもたれ掛かる。
「ふはははッッ!!無様だなお嬢様ァ?どこか具合でも優れませんかァ?」
「『アンタ』は魔王の方がよっぽど似合ってるわよ!この『クズ』!!さっきの約そk…、」
エナの手の甲のカウントがXIIになる。
「おいおい。身体がパァンってなるぞ?それ以上はなにも喋るな」
俺がそう言うとエナは何かを言い切る前に口を閉ざす。
昨日の夜もだったけどこれってもしかして…、
「さぁ、エナお仕置きの時間だ。ベットの上に乗って顔を枕に付けお尻をこちらに向かって差し出せ」
エナは顔を屈辱の様相を浮かべながらも、言う通りに動きこちらにお尻を向ける。
「やはりカウントがX以降だったら誓約主の命令をなんでも聞くようだなぁ?いやぁ、素晴らしい。さぁて、どんなお願いをしようかなぁ?ムフフなことでもいいのかなぁ?」
下衆な笑いを浮かべる俺を見て何かを察知したのか、エナはもう既に枕に顔を埋めてグスグス泣いている。
酷いことしてる気分になってくるからそんなに泣かないでぇ。誰だ!心の中でゴミって言ったの!聞こえてるぞ!
「……はぁ。昨日も叩かれてたから痛いだろ?カウントがギリギリ減るくらいの力で叩くから我慢してろよ?」
俺はエナのお尻を強過ぎない力で叩き始める。エナは枕のカバーを噛み声を上げない様に我慢しているようだ。
「んっ、んんぅっ、あっ」
そんな声出さないで欲しい。変なことしてる気分になってくる。
俺が12回叩き終えると手の甲の文字が消える。
「俺の分の報酬も半分はエナのものでいいし、飯代や宿代なんかも俺が出すから、もう普通に仲良くしよう?どうせ誓約があって離れられないんだから」
「…わかった」
「じゃあもう寝よう」
エナは頷いて肯定を示すとグスグスと鼻を鳴らしながらベットに潜り込んだ。
俺はこの子のこと何回泣かせるんだか…、見た目は凄くかわいいし普通に仲良くしたいんだが。
俺はそう思いつつ目を閉じると、昨日の寝不足もあってかスッと眠りに落ちた。
ごめんなさい。考えいたことを忘れるといけないので、二話分投稿します。お付き合い頂けるとうれしいです。




