前世&今世
生まれながらに人の価値は"無価値"だ
その価値を見出すため、
各々人生であがく…。
しかし自分の価値を見出だせない者もいる。
そう今の自分のような…、
長年連れ添った体は宙ぶらりんとなり
既に足先、手先の感覚はない。
これは覚悟を決めてやった事だ
現状に後悔などある筈が無い。
だだ……、
昔読んだ本に書いてあった、
この世には"輪廻転生"というものあり。
新しい人生を与えられ、過去の記憶を一新され、
もう一度人生を歩む事になるのだが…。
次の人生などあってたまるか…まっぴら御免である。
そう心の中で呟き、我が人生に幕を閉じたのだった…。
「………」
何も視えない…
目に映る限り辺りは真っ暗闇
とても恐怖を感じたため。
辺りを探るため手を伸ばそうも自分の"手"すら感覚がない。
当然だ、もう死んでる。
そう脳内で理解する
「そうだ…首を吊ったんだ」
やっと逃げ出せた、
あの鳥籠から…。
足先、手先、全身の感覚がない。
沈みゆく意識の中、確かな死を感じる。
「良かった」
とても嬉しかった、久し振りに喜びを感じた。
「…」
「…!」
「あぁ…、…さようなら…」
一瞬、自分を産んでくれた親の顔が浮かびそんな言葉が自然と出た。
「ごめんね…」
願わくば自分と同じ人が産まれませんように…
そう誰かに祈り、意識を手放した…。
………アレから何時間、何日、何年たったのだろう。
ずっとこの暗い空間にいる。
時間の感覚も空腹も感じない。
ただ…自分という記憶がここに存在している。
《???》
(ピッィーピピッ)
だが時折、鳥の鳴き声がする。
いつの間にか音が聞こえるようになった。
《???》
「…あっ…」
「よい…しょ…と」
誰かそばにいるのか?
「あちゃー…汚れちゃってますね」
完全に人の声だ。
何故だ…自分は死んだハズ…。
だが絶対に自分以外にこの場所に存在している。
考えられるのは二択…。
自分は助かっていて病院で集中治療を受けており、時期に目が覚める。
もう一つは…。
「私をいつまで持たせるんですか?」
(フキフキ)
「はやくあなたに会いたいです…」
(はぁ〜フキフキ)
「…まだ目覚めませんか?…」
これは生前、読んだ事がある小説に描いてあった、【異世界転生】と言うやつか?




