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日清戦争 -66 擱座救助

うーん 並びかえした方がいいかな。時系列にするのなら今の日清戦争ー56~65を47-48の間に入れるの。

 『福靖』 (威海衛沖海戦ののちに擱座)

「乗員を救助しろ!!」

 通商破壊艦隊の終焉は日本による誘引とそれにつられた上層部の命令によって、通商破壊艦隊が輸送船団を護衛していた日本の高速艦隊に捕捉されてしまったことによってもたらされた。

 通商破壊艦隊所属艦は全艦損失した。威海衛への入港のために速力を落とさねばならないところまで追撃を食らった『福靖』は速力そのままで砂浜に突っ込み、擱座した。 損傷するが撃沈するよりはましだ。

 擱座した船は回収できる可能性がある上に、乗員も死ぬ確率は低い。

しかし、戦闘中に擱座するということはその衝撃で負傷する人間は多いということになる。だからこそ、威海衛の軍病院は全力で患者の受け入れを必要とした。

「病院の能力は足りるか?」

威海衛要塞 劉公島の要塞防衛指揮官 張文宣が外国人医師のカークに問う。

「人手と物資・衛生面が問題ですな。負傷者が多すぎる。入院能力的には問題ないが、処置能力は足りません。」

 カークは素直だ。人命を見捨てることはできないのだ。

「ならば…『操向』に話に行ってくれ。あちらの設備と医者を借りたい。」


 病院船『操向』

「砲撃音がするな。」

 威海衛要塞が『福靖』を追撃している日本艦に対して砲撃している。

「入港してくる船の有無にかかわらず死傷者がいるでしょう。受け入れ準備だけでもしましょう。あとは医薬品等の在庫確認も。」

 肝の座った婦長が艦長に声をかけている。

「準備と医薬品の数の確認ぐらいはできるか。やってくれ。」

 兵士たちと看護婦、医者がその命令に動き出す。張文宣が艦長をカッターに呼び出すのはそう時間はかからなかった。


 牛昶昞 威海衛軍港管理官

「日本人だけの空間にわが軍の兵士をまかせるとは何を考えている!!」

 張文宣に牛昶昞は叫んでいる。

「要塞の病院だけでは患者を受け入れられません。治療能力が不足しています。治療だけは協力してもらいたいのです。」

「それでわが軍の兵士が害されたらどうするのだ?無事な我が兵を動員して監視の上で治療させよ。」

張文宣は皮肉を交えて答える。

「貴公の兵は怖いそうだ。そりゃ銃よりも暴力的に見えるのだろうな。」

 牛昶昞の兵士は張文宣の兵と比べて装備が前近代的。槍や剣を装備している。見た目は恐ろしい兵士だ。接近されたら銃よりも強力であることは事実ではある。

(兵を入れれば物資を略奪されかねないそうだ。それに略奪を偽装するために意図的に医薬品を投機する可能性すらある。なぜ疑われるような行為をする。)

 張文宣の思いは声に出せないこれを言おうものなら「お前の兵士は略奪するからふさわしくない」

 といっているに等しいからだ

「そのようなことはそちらの兵士でも同じだろう。そちらの兵を病院船の監視などに回せん。幸い装備は奴らの恐怖心を増させるのだろう?儂の兵を回す。さすれば奴らはおとなしくなる」

 装備の差を口実にし始めた。それにため息をつく。

「兵による略奪を偽装するために意図的に医薬品を投機する可能性すらある。なぜ疑われるような行為をするのですか?」

「ならば監視する兵を監視する役目を出すだけのことだ。」

「双方信じられるのですかね?双方ともに閣下の部下でしょう。信じられる人間を出せばいいだけのことです。」

「それは誰だ?」

「カーク医師をはじめとする医師です。彼らはここでも病院船でもどこでも治療できるそうです。」

「カーク医師たちだけでは不足だ。人数的にな。我が兵も混ぜろ。それができる限界だ。」


 ジェームズ・カーク 威海衛要塞 病院医師長

 病院船『操向』

「すみませんね。患者を受け入れてもらって。」

 カークが日本人に詫びている。その手配患者の治療をやめない。

「病院船として敵味方問わず患者を受け入れるのは常識ですよ。」

 婦長も手を止めない。彼らの目線は患者しか見ていない。

「それにしても古い船にしてはきれいですね。丁寧に掃除されていますね。要塞の医務室よりも船の方がきれいっておかしいですよ。しかもこれに食料満載していたあとだなんて信じられないですよ。」

「拘留中は暇なのでみんな掃除しているだけです。役に立ってよかったですね。」

 病院船の医療者たちに笑いが入る。

「容態が安定した患者からすぐに陸の病院に移します。あなたたちも手伝いなさい」

 肝の据わった婦長は担架で監視の兵士すらつついてこき使おうとする。カークはそれに首を縦に振るしかない。手伝いなさいという意味だ。

 さすがに同胞を治療している人間に対して凶器を向ける人間は少ない。むやみに凶器を向け次第、日本人は寄ってたかってその人物を海に落とすことを公言している。

 カークもこれを非難しないだろう。というか非難しない。妥当と報告すると公言している。

「しかしよろしいので…その」

「物資を盗まれることよりも人命の方が優先です。それに盗もうものなら、そのツケはしっかり払ってもらいますから。」

 カークはその笑みに怖さを感じるしかなかった


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