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日清戦争 -50 威海衛沖

 第1遊撃隊 第1分隊 旗艦『吉野』

「絶対に見逃すなよ!! 通商破壊艦は必ず帰ってくる。待ち伏せで確実に仕留める。」

 日本が通商破壊の可能性とその被害を確認次第、通商破壊艦が母港とする可能性がある港 威海衛と旅順・大連に待ち伏せ艦隊を日本は布陣した。

 展開が成功した時期は清国通商破壊艦隊が秘密裏に上海から出てきた給炭船からの補給を受ける前だったが、給炭船が上海を出港した後だった。

 当時の船に無線などないので、清国側が待ち伏せに気が付いたとしても給炭船はもちろん、通商破壊艦には待ち伏せの情報が伝わっていなかった。

「上海は放置でよろしいのですか?」

 参謀の一人が声を上げる。上海も清国艦隊の港の一つである。しかし、そこには艦隊を配備していない。

「水面下で交渉したらしいな。上海租界は中立を守る。その上海租界に含まれる江南機器製造総局(海軍工廠 列強が清国への債権の担保としているので破壊されると困る。)も中立。入港艦船は列強艦隊に事実上の出航禁止措置だろうな。だから放置でいい。実際、所属艦船はこの戦争で一度も動員されておらんからな。」

 だから、積極的に見張るのは2つでいい。それが判断だった。

「旅順の方は本隊第2分隊(『金剛』『比叡』『扶桑』)と第2遊撃隊が警戒している。どちらにしても港に逃げこもうものなら全艦隊で港湾封鎖だ。二度と出航できないようにしてやる。」

 もう二度と輸送船をやられてなるものか。今回の被害は物資輸送船だったから最悪な事象にはならなかったが、今後そうはいかない。

「東の空に煤煙確認、複数隻と思われます」

「確認のために艦を向かわせろ」




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