DEATH STRANDING 〜あなたは一人だけど独りじゃない〜
なにをするゲームなのかわからない、と言われまくったお荷物配達ゲーム。
荷物は重心を考えて積めるぞ! 川で転んだら荷物が流れていくぞ! など発売前PVがあまりにもアレだったせいで筆者も購入をためらわされた。
その実態は…
ゲームの舞台は死者の世界と繋がってしまった“元”アメリカ。
有害物質の蔓延により人々はシェルターから外に出ることができなくなり、物資の調達を主人公たち配達人に頼っています。
配達物は医薬品といった命に関わるものから、ゲームソフトまで様々。
さてここまで読んでもあいかわらずなんのゲームなのかわからないと思いますが、実はこのゲーム“他人と一切会うことがない協力ゲーム”なのです。
外に出ることができず国家すら崩壊してしまったアメリカには道などありません。
岩だらけの地面、橋などない川、登っても進めない崖。
通行困難な道のりがプレーヤーを阻みます。
そんな道なき道を進むためにハシゴやロープを使っていくわけですが、装備品を増やすと重量制限で荷物が持てなくなってしまいます。
では、どうするのか?
他のプレイヤーに助けてもらうのです。
このゲームではプレーヤー同士でマップの同期が行われており、他人が置いてくれたハシゴ等はこちらの世界にも配置されます。
逆にこちらで配置したハシゴは他人の世界にも表示されます。
他人にとって便利なものは自分にも便利、
自分にとって便利なものは他人にも便利
という理屈ですね。
このゲームは到底通れないような荒れ地を、皆で少しずつ協力して開拓していくゲームなのです。
なんかそれおもしろいの?、と思われるかもしれませんが、わけのわからない崖に登ってしまってどうしようもなくなった時に他人のロープがふっと目に入った時の謎の嬉しさは他のゲームでは味わえないものがあります。
他にもバイクのエネルギーが切れそうな時に置いてある充電器、危険を知らせてくれる看板、落としてしまったはずの荷物を誰かが拾って届けてくれる……などなど直接会うことのない人々が確かに同じ世界にいることが感じ取れます。
多くのプレーヤーが通ることで草ボウボウの地面にあぜ道ができる(踏まれて雑草がちぎれた)という演出は地味ながら感動しました。
製作者はコミュニケーションの方法を制限することで善意のみの世界を作りたかったと語っていますが(ソース見つからず。記憶違いかも…)、その試みは十分に成功しているといっていいでしょう。
ギスギスオンラインなどと言われるこの時代に、協力プレイの楽しい部分だけを抽出した名作だと思います。
作中の人物たちは家から外に出ることができず、通信によるやり取りと配達人の届けてくれる“物”だけで他人との繋がりを感じています。
プレーヤーもアイテムのやりとりだけで共闘を感じるわけです。
コロナの蔓延で外に出ることが難しい時代。会うことのできない人間との繋がりを感じさせてくれるこんなゲームはいかがでしょうか。




