(8)聖女と二人きり
あらすじ***魔王と勇者入れ替わり!魔王(IN勇者)は冒険へ。
勇者(IN魔王)と聖女は魔王城に取り残されてまーす。
★勇者(IN魔王)サイド★
ゴクリ
喉を鳴らす。二人きりで部屋に残されたし?
でかいベットあるし?命にぎってるし?
アリアとは一度も手を繋いだこともない。
この状況は男として試されているも同然だ。
いつかはそうなるといいなと思っていたのだが
こんなタイミングとは思わなかった。
しかも体は魔王、獅子の姿。
傷つけたくもないし、うん、手出し禁物だよね?
泣きたい気持ちだが、なるべく賢者モードを維持して対応しよう。
偉そうな賢者、そう俺は偉い賢者。自己暗示がんばれ。
「うーむ、疲れたようだ。アリ・・・お前も疲れただろう。
ゆっくりベットで休むとよい。」
俺はとりあえずアリアが寝てる間に魔王城探索して
知ってるフリに磨きをかけるよ!
しかし顔を赤くしてアリアが答える。
「アリアと呼んでくださって結構でございます。
あと少し・・・準備をしてもよろしいですか?」
「よい!ええと・・・」
ハッ 貯めに貯めこんだアイテムボックスは勇者の体側にある!
魔王にもアイテムボックスのような収納能力があるのには気づいたが
骨とか 毛とか よくわからないものしか入ってない。本当にさびしいやつだ。
「寝巻きはすぐには用意できな・・・」
振り返ると・・・アリアが衣類を脱いでいた。
「ま、まだこちらを見ないでくださいませ!!」
慌てて俺は後ろを向く。
ええー えええー 勇者のときは完璧なガードで
肌は顔と手首と足首しか見てなかったのですよ。
そういえばさっき奴隷とか言ってたし
すべて俺のもの・・・ない!この体ではありえない!
後ろから水音。ああ、ここ風呂とかどこかわかんないもんな。
お姫様には風呂なしでは厳しいからせめて水浴びかなんかで清めてんだ。
水属性の魔法使えるって言ってたもんな。少し回復したんだ・・・よかった。
でも着るものはほとんど俺のアイテムボックスに入れていた。
下着なんかはアリアが自分の魔法袋(小)に入れているらしい。
一度も見たことない。アリアの衣装の匂いを嗅いでいるところを
危うく見つかりそうになってからもう一切預かるのみで
気をつけて管理していた。
「準備が・・・できました。」
アリアの言葉に振り返る俺が目にしたのは・・・
うすーい ほんとに着る意味があるのでしょうかと問いたくなるような
薄黄色いネグリジェ。これも、この姿も見たことないよ!
アリアはベットの上に座り、薄い布地から真っ白な足をのぞかせる。
拝みたくなるほどの眼福。俺、魔王になってよかったかもしれない。
「お、お、俺はまだやることがある。
それに不死のためほとんど寝なくてよいのだ。
お前だけ先に寝ているがいい。」
回避!すごくもったいない状況だが回避せざるおえない。
血の涙とはこういう時に流すものだと知った。
「魔王様、私は魔王様のしもべなのです。
好きに・・・してくださいませ・・・。」
潤んだ瞳でその破壊力。衣擦れの音がやけに大きい。
それ以上に心臓の音が大きい。魔王も心臓ってあるんだ。
誘惑というのは、悩むということはこれでよいのではないかという
天使と悪魔のささやきである。俺はこの欲望を肯定してもいるのだ。
だって男だもの。
ついふらふらとアリアのほうへ近づく。
上気した頰、潤んだ瞳、ピンク色の宝玉のような唇
すべてを受け入れそうな優しい眼差しが、俺をベットのほうへ誘う。
この危うい状況で コンコンと ドアをノックする。
くそっ誰だこの大事な場面で
というか誰だ本当に 魔王城の魔物は全滅した筈だ。
「誰だ!」
「魔王様、私です。最強の配下であるクリスタルでございます。」
助かったのか惜しかったのかわからないがとにかく
迎え入れる他ないようだ。
誰だよ!助かったよ!邪魔しやがって!!
部屋に入り一礼する美女。
黒髪の腰より長いロングヘアをポニーテールにしている。
薄紫のドレス姿で現れる。気のせいかアリアさんの視線が痛いです。
そしてこのかたは一体だれなんでしよう???




