(57)記憶
あらすじ***魔王と勇者入れ替わり。魔王(IN勇者)は喪失、勇者(IN魔王)は心配していますが手出しできません。
※勢いで書いてるので設定間違いや違和感を感じたら気軽に教えてください。よろしくお願いします。
★魔王(IN勇者)サイド★
女はかつて、村の長になるべく育てられた。
しかしその後頭目を表して次の長となると
囁かれる娘が現れた、ユキである。
親戚筋のその娘の角の強さを誰しもが強さを認めた。
幼馴染の男が挑んだときは手を抜いて負けるのではと
恐れていたがそれもなかった。
ツガイを得られないものに長になる資格は与えられない。
もうすこしでただのはみ出しものになるはずだった。
あの男が現れるまで。
初夜を迎えたユキを陥れるため
女は赤子を奪われたと触れてまわり
かつて敗れた幼馴染も使いユキを殺した。
これでもう邪魔者はなく、私が長になるはずだった。
と、女は語る。赤子の命を見逃されたのが救いである。
いずれその子供が長になるだろう。
けれど女はもう終わりだ。
魔王も思い出していた。
昔我は世界を守るその時代の女とともに生きていた。
魔王の種を持つ我を封印するためにあてがわれた娘だったが
その娘は慈しみを持ち大切にしてくれた。
大人しく飼われる我を見、人々は侮り奪うことを考えてしまった。
それが全ての悲劇の発端となる。
魔王は女を失った時に己の力の無さを呪い、力を求めた。
その結果、力のみ強くなった。
だがそのままでは世界にとって危険。
記憶を失うことで世界を魔王の憎しみから守り
欲望を失うことで世界から魔王を遠ざけ
涙を失うことで世界から背を向けさせてきた。
二度も同じ過ちをおかしてしまった。
もうこの世界に大切なものはない。




