(20)決闘の行方
あらすじ***魔王と勇者入れ替わり。魔王(IN勇者)は宿で気まずい朝。
勇者(IN魔王)は決闘の約束をする。
※勢いで書いてるので設定間違いや違和感を感じたら気軽にご報告お願いします。
★勇者(IN魔王)サイド★
「どっ どういうことだ!!」
「俺は一言も、オレ自身が相手をするとは言っていないぞ。」
剣を持ち、構える聖騎士ルミヤはズタボロのカッコだが
一応俺の優しさで装備を整えさせた。
施しはいらないと散々文句を言われたが
正々堂々を強調しまくってつけさせた。
対する向こうにおわしまするは、アリアです。
魔王の巨大なベットで小さくなっているところを
クリスタルに呼んできてもらった。
目の下に少しクマが出来ている。かわいそうだが仕方がない。
ろくな話し合いもできず魔王本人がいない状況では
正直アリアを持て余してしまう。
そこで彼女の仲間を増やしてやりたいと思ったのだ。
アリアには彼女を自殺からも復讐からも
救ってほしいという役割を頼んでいる。
時間かせぎしながらのカウンセラーをしてもらう。
聖騎士というなら、聖女相手に攻撃をするのは躊躇するはずだ。
それに加えて魔物とモンスターの違いについても簡単に説明した。
俺はやってない!つまりアリアは弁護士だ。
なんとかアリアの知力で無罪を主張してもらおう。
王女にして聖女、さすがに顔を知らぬで通るような存在ではない。
ルミヤも例外ではないようで、相手の高貴ぶりに剣を鈍らせる。
「俺の力で無理やり配下にしている。だが彼女は聖女だ。
人を殺したことも暴力をふるったこともない。
周りを癒し、力を与えるだけの存在だ。」
「貴様!なんてことを!!」
こちらに降りかかろうとするがアリアが間を割って入る。
「いけません!わたくしには魔王様を守る義務があります!」
「こんなやつを守って何になりますか!
私が魔王を殺してあなた様も解放してみせます!」
アリアがキッと相手を見る。王女の貫禄だ。さっすがー。
「魔王様は誰も殺しておりません!」
「そんなのウソです!私の両親を殺したんです!!」
「何故それが魔王だとわかるのですか?」
「魔物の足跡があり、それに父の友人が目撃したと言ってました!
彼は絶対嘘をつきません。」
「何を目撃したと言ってましたか?」
「黒くて、とても大きいものだと言ってました。それに木がたくさん倒されていて
辺り一面焼けただれていたそうです。」
焼ける?
クリスタルが「ドラゴンですね・・・」と呟く。
魔王ってドラゴンも配下なんだすげー。
「ドラゴンですと、魔王様の配下ではございませんよ。」
クリスタルが役立った!しかも配下じゃなかった!
「火を吹く巨大な黒いモンスターですと、黒火竜ギルス・・・。
あれは魔王様に先日宣戦布告してきて
相手にもされなかった強竜種の一匹ですね。
たまに訪れるんです。魔王城を征服できると粋がって
火を吹きながら敷地内に入ってくるのですが
力の強いものは森の迷宮の前の結界を破れず
結界付近を荒らして帰ることはよくあるのです。
それに無理に結界に入ると魂が傷つき恐ろしい呪いがかかります。
狂化してしまい自分の尾がある限りグルグル尾を追ってまわり続けるという呪いです。」
お・・・恐ろしい。俺にも今は尾がある、ウッカリすると回ってしまうんだろうか。
「では・・・現れた魔物は・・・。」
「おそらくその竜のとばっちりを受けたのね。
その時の黒い影が竜なのだと思うけれど
影響のあるような村は近くになかったはずよ。」
「あの時両親は・・・どうしても必要な薬草があって
でももう村の近くは取りつくしていたから
あまり近づかないようにしている結界の近くまで行っていた。
おそらく国から駆けつけようとしていた私では間に合わないと悟って
私の妹を・・・病から・・・救うため・・・。」
ポロリと涙を落とす。
アリアが慈悲深い顔で彼女に近づき、そっと抱きしめる。
アリアの力の一つに心の共鳴を作り出す力『共鳴心』がある。
団体で使うと戦力アップになるので重宝した力だが
悲しみはより悲しさを、慰めはより慰めを強く感じさせる。
「本当は魔王ではなくご自分を責めて、責めて、許せなかったのですね。
自分自身が苦しみたかった。
ご両親は殺されたのではなく、事故だったのです。
あなたが悪いわけでも、ご両親が悪いわけでもないのです。
運が悪かっただけ。一番悲しいのはあなた自身なのね。
許してあげてください、ご自分を」
真実はただの事故。そう、魔王は悪くない。
堰をきるように涙を流すルミヤをアリアが優しく抱きしめ続けた。




