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(10)第一回魔王講座

あらすじ***魔王と勇者入れ替わり。魔王(IN勇者)は街へ。

勇者(IN魔王)は聖女を部屋に残し、なぜか生き残っている配下クリスタルにドナドナ。

★勇者(IN魔王)サイド★

コツコツとヒールの音を響かせて前を進むクリスタル。

揺れるナイスバディがいい。そしてすごくいい匂いです。

魔王の鼻ってすげえのな、5m離れても間近で嗅いでるみたいでもう・・・


「魔王様、不気味でしてよ。」

「は、ハイィ!!」

しまった!魔王らしさが微塵もない!!

ため息をつく妖艶美女クリスタルが諭すように話し出す。


「やはり人間というのは愚かですわね。あなたが実は勇者であることは

わたくし魔王の分身としてよく存じています。

あなたには魔王としての常識が足りません。

わたくしがしっかり指導致しますから

今夜中に体裁を整えてくださいまし。」

「ハイ。」

俺は素直に頷く。クリスタルに頼るしかない。

それはよくわかっているし、美女に指導される俺。

最高じゃないですか!!


俺の後ろを見やり、呟く。

「ここでは虫がいるからダメね。もっと遊びたいし

しばらくはこのまま内密に進めましょう。」

もはやクリスタルは心のうちを隠しもしない。

魔力を使い、転移術を展開する。

転移術は行ったことのある座標を指定して移動する。

置いてかれたらおしまいなので慌てて彼女についていく。

そこに地団駄を踏んだ聖女がいることを勇者は知らない。


「さて、おバカなあなたでもわかるように教えてあげましょう。

第一回!魔王のすべて講座!!ハイ、拍手なさい!!」

素直に拍手する俺。


ちゃんと俺は学習しました。

魔王の配下の作り方

ぶちーっと毛を抜いて魔力を込めると魔物の出来上がり。

どっかで聞いた能力だな。

確か空を飛ぶ猿のモンスターに似たのがいたはずだ。

ちなみに

魔物は、魔王配下の分身で大体魔王城近辺にいるもので

モンスターは、野生のものという違いがあるのだそうだ。

初めて知った。

ということは人間を襲うのは魔王とは関係がないモンスターなのだ。

魔王には悪いことをしたようだ。

あいつは・・・いや、俺の体でどっか行ったし。


試しに一体、まず作ることを強要され

毛を抜くとかなり痛い、一本なのに涙が出るほどだ。

一本でできるのはスライム一体という低レベル。

魔王城にはかなりの魔物がいたがどうりで

レベルの低いやつばかりだったわけだ。

仲間たちは森の中のモンスターに大半はやられてしまった。


クリスタルだけは別格で、魔王が人恋しさに

なるべく知能の高いレベルの人間に近い魔物を作り出すため

泣きながら ぶちーっ ぶちーっと

なんと千本もの毛を利用してつくったのがクリスタルだそうだ。

なんとも憐れだ。クリスタルは魔王のハゲの結晶なのだ。

しばらくすれば毛はまた生えるが二度とごめんだと言ったそうだ。


また、魔王の年齢は数千年らしい。

では突然魔王が現れたという情報はどうしてかというと

前回も前々回も そろそろ大丈夫かなと100年単位くらいで

人間に接触を図り出すと途端に勇者が湧いてきて

倒そうとしてくるので城に現れるたびに

勇者と共倒れを演出してずっと魔王城に引きこもっていたんだそうだ。

かなしい、かなしすぎる魔王。


魔王城には結界があるため一握りの人間しか入れない

さらにその周りを広範囲の森が囲んであるため

迷わないように誰も近づかないし

そのため魔王城近辺以外の土地では基本平和に暮らす村や町が

何年も存在し続けた。

それを時々、毛一本でできたスライムや

コウモリ型の魔物で偵察にいかせ

羨ましさに悶えていたそう。

ちなみにクリスタルは研究のためと称して

一切城から出ることはなく魔王の命令は基本無視していたそうだ。

魔王が悲しすぎる。


俺は魔物づくりの練習を強制的にさせられ半泣きのまま

遠くにいる魔王(IN勇者)に想いを馳せた。

なにも起きてないといいんだけど・・・。

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