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異世界でプレハブ小屋をもらうとチート機能が付くようです  作者: とみっしぇる


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100/100

100 チートなプレハブ小屋と続いていく旅

マコト&ソフィーは中東半島に上陸して3日、ナーロッパ地方に戻ることに決めた。


本来はインディア地方に向かい東に移動していたが、商人の情報によると中国、日本に当たる地方が戦乱状態。


話をマコトなりにまとめると、地球なら中国で明王朝が弱体化して清朝を作る民族が勢力を伸ばしている。


日本もマコトが歴史的に好きな織田信長、豊臣秀吉、徳川家康が台頭する前。


それに、オースマン帝国の勢力範囲で人間が殺伐としている。前の日も街を避けて所々に草が生えた場所で夕飯を食べ、そのままプレハブ小屋に入って寝た。


ラフランス、イタリアンの街のように楽しくない。だから、再びナーロッパに戻って、東欧、北欧、ラフランスの北側、エンゲレスを回ることにした。


ソフィーを育ててくれたシスターアンジェラの友人シスターもナーロッパ地上にまだまだいるし、そこも訪ねようと思った。


そう決めた次の朝。


ふたりが起きて一緒に朝ご飯を作った。外で食べようとプレハブ小屋から出ると、無人の荒れ地がすごいことになっていた。


「ソフィー、武装した人達が左右にたくさん整列してるよ」


「戦だな。私達が吞気にピザトーストを作っている間に、二千VS二千の軍勢が集結してにらみ合ってる」


「ここで朝ご飯食べるまで、戦闘を待ってくれないよね」

「無理だろ」


ランク4ダンジョンでレベル100越えリッチを見てから、人間に怖さを感じなくなった。


両方に長槍、弓、騎馬。自軍の大きな旗もなびいていて、まさに一触即発の状態だった。


「映画のロケのようだな…」


測ったようにど真ん中にマコト&ソフィーが現れた。両陣営ともざわついている。


「貴様ら、何者だ。バグダツドの手の者か!」

「メルサの者か!」


両陣営から怒号が飛んできた。


ソフィーの見立てでは、どうもオースマン帝国の有力貴族同士の内紛のようだ。


マコトは困った。4千人からブーイングを食らっただけではない。


戦闘は避けられる。ソフィーと共に、この場でプレハブ避難すればいい。けれど、戦場になれば至近距離で仏様が転がるかもしれない。


透明モニターの真上に生首が落ちてくる可能性もある。


見たくないからといって、モニターオフで外を確認しないままも移動もできない。


プレハブ移動の時に起点を作るため、一瞬でも外に出る必要がある。


マコトが外に出て、ジャストタイミングで飛び交う弓矢が胸にでも刺さったら洒落にならない。


なので両軍の距離が300メートルくらいあるうちに離脱する。


「地上や地下の移動が怖いなら、ミスリルホイルを使って空から離脱するか」

「だね。ソフィーお願い」


魔力攻防力が上がったソフィーは同じ動きならミスリルホイルを同時に4本動かせるようになった。今回はマコトの魔力サポートがあるから8本使う。


マコトがソフィーをお姫様だっこした。


ホイルの長さは1本30メートル。ソフィーがホイルを柔らかくたわめて提灯の形にした。


それを硬化させ、瞬間的にマコトも魔力を込めて8本のミスリルホイルを立てた。


イメージは蛸。軟体水性動物が水中で加速するときのように、たわめた足を一気に伸ばす。


上に高く跳べるオクトパスジャンプである。


ただしマコトの予想に反して70メートルも上に跳び上がった。


「やっほ~~」

「うわあーー」


レベルが上がってホイルに込められる魔力も上がったふたり。魔力があって当たり前の異世界で育ったソフィーは想定していた。

マコトは考えてなくて、高く跳び上がったからビビった。


ソフィーは素早くミスリルホイルを回収した。


「マコト頼む」

「お、ああ。プレハブ避難!」


異空間に入ったふたりは、見ていた軍勢の真ん中で大きくジャンプして、いきなり消えた。


「ああ~、びっくりしたあ」

「かなり上がれたな」


外はざわついている。


「なんだアレは」

「魔物…」

「下半身が異形だぞ。クモか蛸のバケモノだろう」


「もしかして戦いの匂いをかぎつけ、エサを求めてやってきたのか?」

「あ、あの草の間の砂地に、あんなやつが何匹も潜んでいるのでは…」


「人間同士の戦いに勝っても…バケモノの餌食に…」


かたやオースマン帝国の軍勢、片方はインディア軍。どちらも動けずにいる。


ソフィーがジャンプした位置に、未知の凶暴生物の巣があると思った。


マコトとソフィーは異空間から透明モニター越しに両軍の動きを見ている。


「戦いが始まらないね」

「そうだな。私達は退避したから障害物はないはずだぞ」


マコトがプレハブ内を移動して、両軍の南側にある小高い丘の方に移動している。丘に到着したら朝ご飯だ。


結局、軍勢は1時間ほどして両軍が撤退する。


マコト&ソフィーは不思議だなと話していたが、戦闘が始まらなかった原因が自分達とは考えていない。


小高い丘の頂上到着後にしばらく歩くと、近くの村の子供5人が小川で釣りをしていた。年長者は15歳男子で年少は10歳くらい。


ソフィーが子供達に声をかけた。

「ここは何が釣れる?」


「小さい魚だよ」

「一緒に釣ってもいいか」

「いいよ~」


30分ほど一緒に糸をたらしてソフィーは腹が減ってきた。朝ご飯を食べそびれていた。


「おい、私達はこれからご飯だが、材料がたくさんある。一緒に食うか」


フランスパンを薄切りにして焼いた、ピザトーストを勧めた。


パンにトマトソースを塗って、上に港町で見つけたゴーダチーズ風のやつを乗せて焼いた。


トッピングはエビ、燻製豚肉、プレーンの3種類。


異世界では、この地方でもチーズが食べられている。ただし、こんなに洗練された料理は子供達は初めて。


「僕らは旅の商人で色々と食べ物作ってるんだ。味が気に入ったかどうから教えてねよ」


「ほら、食ってみろ。美味いぞ」


パクリと食べて、子供達がにんまりとなった。 



それを見て笑うソフィー。笑うソフィーを見て嬉しくなるマコト。


「次はどこに行こうか、東、それとも北?」


「そうだな。ここから北に10日ほど移動したら、バックダッドの街があるぞ」

「確かダンジョン都市だったよね」



「さ、行こうかマコト」

「ああ、ソフィー」



差し出された手を握り、マコトは次の旅に出る。


楽しくて刺激的な異世界ライフは続く。





ご愛読ありがとうございました。

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