表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

43/79

五章 閃風のフローライト⑤

マイナスな感情ばかりが強く匂うせいで少しだけメンタルが削られそうになるが、そんな時に頼りになるのがグランツだった。

 匂いの中に紛れるグランツの匂いだけが癒される。心を落ち着かせてくれる。そんな匂いに感謝をしていると、ユングフラウ家の使用人から飲み物を勧められた。

 躊躇いながらもグラスを受け取り一口飲むと、それは果実酒でフルーティーな甘さにすぐに一杯分飲み干してしまった。

 やがて宴は進み、メインであるダンスパーティーが始まった。

「お嬢様、一曲如何ですか?」

 不意に声をかけられ肩がビクリと跳ねる。声がしたほうを振り返ると歳若い青年が立っていた。

「あ、あの……私は……」

 しどろもどろになりながら断りの言葉を言おうか迷っていると、不意にグイと肩を抱き寄せられた。

「悪いがこの女性の先約は私でね」

 そう言って男性を追い返した人物――グランツはそっと耳に囁いてきた。

「一人にさせてすまなかったね。あらかた情報は仕入れられたよ」

「そ、それなら良かったです」

 あまりの距離の近さにドキドキと心臓が高鳴るのを感じながら、グランツの手を握る。

「せっかくだし踊ろうか? 私がリードするから安心しなさい」

 そう言うとグランツは、あっという間に人集りの波の中へ私を連れ込んだ。

「ダンスの経験は?」

「すみません……ほとんど無いんです」

「なら丁度いい」

 そういうとイヴにしか聞こえない声量で囁くようにダンスの流れを伝えていく。 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ