王都へ
山賊の襲撃とか魔物の襲撃とか
やっぱり長旅ってなると大変だね。
山賊とか魔物とか沢山居るからね。
ある意味、当然なのかも知れないけれど。
「っと、ゴブリンとかも居るんだね」
「爆撃で吹き飛んじゃったけどね…」
私は現状、自身の魔力で爆弾程度なら作れちゃう。
もっと上手く使って、自身の魔力で色々と作りたいけど
やっぱり素材が無いとどうしようも無いよね。
「あまり火力が出ない爆弾しか作れないから
弱い魔物しか来ないのはありがたいよ。
だって、強い魔物が来たら魔法使わないと駄目だし」
「錬金術で対処出来なくても魔法で対処出来るのね」
「まぁね、私のお母さんは凄腕の魔法使いだし色々と教わってるの」
でも、可能な限り錬金術で対処したいんだけどね。
やっぱりこう言うのは練度が大事と言える。
瞬間錬金の精度アップに必要なのは経験だからね。
今までの実験で分かったことがこれなんだよね。
同じ道具を何度も瞬間錬金術で作り出せば
その道具を作ったときの精度が上がる。
だから、出来れば瞬間錬金術で道具を作って戦いたい。
「何であなたって、その実力を宣伝しないの?
お客さんとか絶対来るわよ? その技量なら」
「あはは、私は錬金術の研究をする事を優先してて…
せ、宣伝とかをする暇があるなら錬金術を…」
「はぁ……馬鹿なのかしら、この子」
「ランスフォート様、そんなハッキリ言わなくても…」
「天才的な馬鹿という奴ね、
誰に言ったかで意味は変わってきそうだけど」
「本当に容赦なく馬鹿馬鹿言うなぁ…ひ、否定はしないけど」
あ、あはは、た、確かに私は錬金術の事しか考えてないしね。
馬鹿とか言われちゃっても、意外と反論できないかも。
「はぁ…まぁ良いけどね。そうだシック、王都まで後どれ位?」
「はい、まだ3日間は掛ると思います」
「長いわね。と言っても、ナルミが居るから
道中はそんなに大変というイメージは無いけど」
「えへへ、携帯用ハウスは便利だからね」
「便利すぎると思うけどね…」
それから3日間の時間が経った、そんなに大変な事は無く
私達はそのまま王都に到着した…名前、何だっけ。
「さぁ、王都に着いたわ。随分と楽な道中だったわね」
「ほぼナルミさんのお陰ですけどね」
「そんな事無いよ~、あ、そうだランちゃん。
王都の名前って何だっけ?」
「はぁ!? 忘れたの!? と言うか知らないの!?
て言うか! 出る前に名前とか言ってなかったっけ!?」
「わ、忘れちゃったの…あ、あはは」
「……家族と師匠が住んでる場所よ? 忘れるとか……」
「し、仕方ないじゃんかぁ! 必要無い記憶は忘れるの!」
「重要な記憶でしょうが馬鹿! 全くあなたは本当に
錬金術しか頭の中には無いの? 薄情な」
「そんな事無いって! ちゃんと皆の事は考えてるもん!
ただ国の名前とか正直興味無くて…」
「……恐いわね、天才って……はぁ、興味無いと覚えないとか。
全く…もう忘れないでよ? ここは王都レイジン。
旅に出る前は覚えてたっぽいのに何で今は忘れてるのよ」
「あぁ、そうだったそうだった! ごめんごめん、思い出したよ。
いやぁ、レイジン王都だね、何で忘れてたのかな?
まぁいいや、考え事をしてたら結構忘れるし今更かな」
あはは、意外と考え事をしてたら忘れちゃうんだよね。
色々と考えてたら結構な頻度で抜け落ちちゃう。
「本当……とりあえず、受付してくるわね」
「はーい、でも結構並んでるよ?」
「まぁ、待てば良いでしょ」
私達はしばらくの間列に並んだ。
色々な旅人が来てるんだなぁ、服装も多種多様だね。
中でも行商人の数が多い気がする。やっぱり王都ってだけあるよね。
「はい、次の方。お名前をどうぞ」
「ファイル村から来た、ランスフォート・D・ファイルよ」
「おぉ、あのファイル家のご令嬢様でございますか。
しかし、お供が2名のみとは…よくご無事でしたね」
「まぁ、とっておきの錬金術師が居るからね」
「錬金術師!?」
ランちゃんが錬金術師と兵士さんに伝えると
兵士さんは驚愕と言った表情を浮かべ声を荒げた。
そ、そんなに驚くことなのかな? 少ないからかな?
「そ、そんなに驚くことなの?」
「そ、それはもう…錬金術が扱える人物は
国で最重要に重宝されるほどの人財です…
まさに国の宝…人によっては人間でありながら
国宝と賞讃されるほどの人物も居ます」
「え? そんな人物が居る訳!?」
「は、はい、何人も。
その中でもアミルテット・L・ファスジア様は
このレイジン王都で最も評価されているお方です」
「は、はぁ、流石時の錬金術師……」
やっぱり師匠は凄いなぁ! 私もそんな風になりたいかも!
でも、そんな凄い人なのにどうして師匠はファイル村に?
「いやぁ、錬金術師が稀少だと言う事は知ってたけど
ここまで重要視されてるとは思わなかったわ。
あの変な奴もここまで評価されてたとは…」
「アミルテット様をご存じなのですか!?」
「ま、まぁね…」
「さ、流石はファイル家のご令嬢ですね。
アミルテット様に出会えるとは…」
師匠に出会えるって凄い事なんだね。
「へぇ、凄いわね。そう言えばあいつって弟子は何人居るの?」
「いえ、アミルテット様は弟子を取っていません。
他の錬金術師様は何名もの弟子を持っていると聞きますが…
アミルテット様が弟子を取ったという話は聞きません」
「え!? マジで!?」
そう言えば師匠はあまり弟子とか取らないって言ってたなぁ。
私を弟子にしたのは気まぐれって言ってたし、奇跡なんだなぁ。
「じゃあ」
「おい! いつまで話をしてるんだ! 早くしてくれ!」
「あ、申し訳ありません。これ以上のお話しは」
「そ、そうね、沢山来てるみたいだし。
すまないわね余計な話をして」
「いえ、私達の方こそ申し訳ありません。
それでは急いで手続きをしますので護衛のお名前を」
「はい、私はシック・フォートと言います」
「はい、それではそちらの…えっと、護衛ですか?」
「あ、はい、私はナルミ・ファンゲージです」
「ファンゲージ!?」
「はい、ファンゲージです」
「失礼ながら、ご家族は」
「えっと、両親と妹が居ます。父さんはミルス・ファンゲージ
お母さんはエミーリア・ファンゲージ。妹はエルザ・ファンゲージ」
「……」
あ、兵士さんの表情が明らかに変わったね。
あはは、まぁお父さんもお母さんも凄いからね。
「では、あなたが……1人暮らしをしてるという…」
「はい、ファイル村でお店を開いてまーす!」
「……し、失礼しました!」
兵士さんが私の前から一気に後ろへ下がって敬礼した。
「……ナルミ、あんたの家族は何してるの?」
「お父さんは兵士だね、お母さんは魔法使いだからね。
エルザはまだ学生らしいけど、何か臨時に召集されてるらしいよ。
何か学生で1番強いというか、殆どの兵士に勝てるらしいね」
「……あんたの家系、どうなってんの!?」
「あはは、お父さんとお母さんが凄いからね
勿論エルザだって凄いに決ってるよ!」
「私としては、あなたの方がヤバいと思うのだけど。
何でファイル村にそんな化け物が住んでたのかしら…」
「私がそこで生まれたからだよ? それだけ」
「……そ、そう」
そのまま私達は城門の中に入った。
そして、すぐに別行動だね。
ランちゃんは王様に出会って挨拶をして
私は冒険者ギルドへ行って冒険者登録してお店を宣伝!
よーし、絶対に名前を沢山覚えて貰って
お店に来るお客様を増やしてみせるよ!
先は長そうだけど、まずは第一歩!
絶対にこの目標を果たしてみせるよ!




