↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/118

無自覚な規格外

うーん、しばらくの時間が経ってそろそろ日が落ちてきたね。

あはは、1週間は時間が掛る訳だし当然だよね。


「そろそろ暗くなるわね、シック、そろそろ休憩しましょう」

「そうですね、安全そうな場所を探して見ます」


少ししてシックさんが見通しの良い平原に移動して馬車を止めた。

確かにここなら色々と分かるからね。

でも、正直安全な場所とか要らないんだけど。


「じゃあ、ここで休みましょうか。ナルミ、何かあるんでしょ?」

「あるよ、別に見通しが悪くても大丈夫なんだけど。

 はい、これだよ! 携帯用の即席ハウスだよ!」

「え? 何それ…」

「まぁまぁ、はいどうぞ。入ってみて?」

「え、えぇ」


ランちゃんが不思議そうに私が出した即席ハウスに入った。

同時にランちゃんの姿がその場から消える。


「えぇ!? ランスフォート様を何処に!?」

「入ってみれば分かるよ」

「あ、はい…えっと、大丈夫なんですか?」

「大丈夫だって、何度も使ってるしね」

「は、はぁ…一応信じますけど…」


少し不思議そうな表情を浮かべたけど

シックさんもゆっくりと私の即席ハウスに入る。

私はその即席ハウスを手に取った。


「えっと、馬車の方はこれで良いかな」


馬車も同じ様に用意した即席ハウスの付属品に入れる。

そして、私も即席ハウスに入る。これで外からは隔離されたよ。


「ちょ、ちょっとナルミ! ここ何処よ!」

「即席ハウスの中だよ?」

「そんな当然のように言わないで欲しいんだけど!?

 何これ! どう言う原理で出来てるのこれ!」

「ふっふっふ、よくぞ聞いてくれました! この即席ハウスも

 私が常に携帯している、この時間湾曲によって出来上がった

 小型無限倉庫の応用で出来た、時間湾曲による異空間生成!


 時間に干渉する能力って凄く応用が利くから良いんだよね!

 何とか時間を操る魔物の素材…確か、時の番人だったかな?

 その魔物の素材を使わなくても作れる様になりたいんだけどね!

 あの魔物を倒すのは中々しんどいし、あまり数も居ないしね。

 

 師匠と一緒に討伐したっきり、ストックを使ってるだけだから

 その内そこが尽きるから、無くなる前に解読したいんだけどね。

 まぁまぁ、そんなこんなで、その時間干渉の技術を応用したのがこれ!

 特殊異空間を生成して、その中に色々と素材を用意するの。


 あ、因みに外の世界、この時間湾曲の外からは干渉できないからね。

 入り口の方は閉じてるし、そもそも存在その物が消えてるからね。

 出るときは簡単で、ここの扉を開ければ、即座に出口が生成されて

 元の世界に戻ることが出来るのだ!


 まぁそんな訳で、時間空間を錬金の際に湾曲させて

 独立した別空間を作り出し、そこでひと休みすることが出来るの!

 因みに空間は無限に近いから、その気になればここでずっと過せるよ!」

「早口すぎて何も聞き取れないわよ!」


あ、あはは、やっぱり早口になっちゃうね…こう言うのを説明するときは

どうしても衝動に任せて色々と説明しちゃうから早口になるんだよね。


「あはは、まぁ簡単に言えば時間を湾曲させて別空間を作っただけだよ。

 簡単だよね! 無限倉庫を用意できるならこれ位は」

「自覚しなさい、あなたは異常よ」


ま、まぁうん…多分こう言う技術に精通してるの私と師匠くらいだしね。

と言うか、師匠はこの技術に秀でてるから、

確か別名が…時の錬金術師だっけ。

まぁ、師匠はこう言う技術以外にも

あらゆる技術に精通してるから時間限定じゃ無いけどね。


「ま、まぁ師匠の方が凄いからね、こう言う技術は」

「あなたも相当いかれてると思うわ…正直、何でお客さん来ないのよ」

「そうだよねぇ、何で誰も来ないんだろう…」

「た、単純に…知名度が無いからじゃ…?」

「そ、そうかも!」


た、確かに私が師匠の弟子だなんて誰にも言ってないし!

多分師匠も弟子が出来ただなんて誰にも言わないだろうしね。

師匠は基本的に弟子は取らないって言ってたし…

と言うか、弟子は私以外には居ないって言ってたね。


私を弟子にした理由も良く分からないんだよね…

街に着いた後、師匠に聞いてみようかな。


「はぁ…しかし本当、あなた本気になれば王都まで即座に移動とか」

「出来るよ?」

「そうよね、出来る訳…って、えぇ!? 出来るの!?」

「うん! まぁ、1度国にまで行かないと出来ないけどね、あはは」

「な、何でも出来るのね、あなた」

「錬金術の可能性は無限大だからね! だから大好きなんだけど!

 あ、因みに即座に移動する技術だけど、これはリンクの技術と言って!

 例えばこの道具、リングだけどこの道具を投げた先に移動が出来るの。

 あ、使う前にこの指輪が居るんだけど、この指輪が座標という分で

 この指輪を転移させるついでに身につけてる私も移動するって感じ。

 こんな感じにね。ほい」


私は転移の輪を投げて、ランちゃんにその輪の効果を見せてみた。

輪を投げた後、指輪に少しだけ魔力を込めて転移させる。


「うわ! 一瞬で移動した!」

「えへへ、凄いでしょ?」

「な、何よそれ……」

「この指輪の能力を応用すれば、転移する座標さえあれば

 そこに即座に転移することが出来るようになるんだよ!」

「本当、どうしてそこまでとんでもない事に…

 つくづく思うけど、どうして店に誰も来ないのよ…」

「し、知らない…」


うぅ、やっぱり知名度が足りないからかなぁ。

と、とにかく今日はゆっくり休んで、お店をどうするかは

そうだなぁ、王都で師匠に相談してみようかなぁ。


「本当、ナルミさんが規格外なのはよく分かりました。

 と、とりあえず私は晩ご飯の用意をしてきますね。

 あぁ、少しだけ混乱しちゃってるなぁ…」

「あ、台所はこっちです。案内しますね」

「あ、はい」


私はこの即席ハウスの台所にシックさんを案内した。


「広くないですか? この空間…」

「時間を湾曲させて作ってる空間だから凄く広いですよ。

 あ、お風呂はこっちです。それと、ここはダイニング。

 えっと、ここがリビングで、寝室はこっちです。

 寝室も沢山用意してますから、何処でも使ってくださいね」

「……あれ? この空間だけでも何不自由なく生活できる…?」

「はい、出来ますよ。ついでに四季とかが無いので

 中は常に快適空間です。生物が過ごしやすい温度ですしね。

 熱すぎず寒すぎずの温度に調整してますよ」

「……そ、そうですか~」


シックさんが目を少しだけ回しながら私の言葉に反応した。

そ、そんなに混乱するようなことじゃないと思うんだけどなぁ。

師匠ならもっと凄い空間を作れるんだけど。


「ナルミ! この空間広すぎよ!」

「うん、広い空間を用意したからね。

 だって、ランちゃんも泊まるわけだし」

「でも広すぎ!」

「あ、そうそう、こっち来て-、ランちゃんの訓練施設も用意したよ」

「いや、何でも出来るわね、あなた」

「何でもは出来ないよ、教わったことだけ。

 まぁ、自力で考えた技術もあるけどね。瞬間錬金とか」

「何それ…」

「本来凄い時間が掛る錬金を一瞬で行なう技術だよ-。

 勿論、通常よりは精度が落ちるから品質は下がるけど

 それでも許容範囲内だしね。あ、因みに杖の小型錬金鍋だけど


 これを出さないでも、こんな感じで素材を用意して杖で殴れば

 はい、この通り! 薬草が傷薬に変化します!

 これが瞬間錬金術の一部だね。瞬間錬金を普通にやるよりも

 更に品質が落ちちゃうし魔力も消耗するけど出来るよ」

「一瞬光ったと思ったら形が変わってた…」

「殴ったときに即座に素材を分解して再構成させたの。

 まだ簡単な物しかこの方法じゃ錬金出来ないけどね。

 やっぱり小型の錬金鍋に素材を入れてポンって方が楽だよ」

「……それは錬金術師の基礎技術なの?」

「いや? 私オリジナル。だってさ、普通に錬金すると凄い時間掛るから

 正直楽したいなーって思って開発したんだよ。時間は1年掛ったけど」

「おかしくない!? サラッと新技術を作らないでよ!

 てか、動機が楽したいからってだけなの!?」

「楽したいからってだけでも十分動機にはなり得るのだよ!

 どんな時だって求められるのは楽をしたいと言う部分。

 私の場合は自分の楽したいを追及しただけだよ」

「そ、そうなんだ…もうなんか良いわ…」


ランちゃんが少し呆れちゃった表情で頭を抱えてる。

うぅ、わ、悪い事言ったかなぁ?


「そ、その、変な事言ったかな? ごめんね」

「そ、そうね、あなたの言動は変というか別次元よ。

 あなた、天才だったのね…知らなかったわ」


やっぱり呆れてる表情のままランちゃんが笑ってる。

うぅ、も、もっと頑張って説明できるようになろう。


「と、とにかくここが訓練場だよ、はい、レイピアもあるよ」

「あ、ありがとう」

「じゃあ、私は自室で錬金術の勉強してくるから!」

「ま、まだ勉強するのね…向上心の塊ね…」


よーし、今日は瞬間錬金術の精度を上げる練習をしようかな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。