↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
セカイ→イセカイ→イイセカイ(終)  作者: 夜行性光合成
5/21

第三話 我が異世界。②

「諦めて戻ったようね」

「……ああ」(そういえばカッペリは何故追わなかったんだ?……初めから帰れないと知っていたのか?)


「じゃあ行くわよ!」


不信感とは無関係のあっけらかんとした声である。


「……強引だなぁ」


下を向いてしゃがみ込む。世界へのやるせなさか、反抗心か。いったい誰に反抗心しているのだろうか。「異世界って思い通りにいかないんだな」と呟いてみる。でも、「分かってるくせに」と心の底から声がする。異世界で出来た思い出はまだない。カッペリに引っ張られた距離はだいたい3メートル。ひとりの時はもっと長かった。あそこからどれくらい歩いたっけ。と振り向いてみる。

崖のてっぺんから見る景色は、つまり池を越え森を抜けると一面の草原である。いまここにいる草原からプラセンタの方を振り返れば、森が崖を隠している。森と森とを分ける一直線の道をなぞってようやく、クリーム色をしたプラセンタの崖が見えるのだ。

 

「ちょっと聞いてんのかしら?」

「……ああ」

「もう……」


プラセンタから続く道は、草原もずっと真っ二つに分けて、そうしてずっと続いている。


(そういえば……)

地面は崖と同じようなクリーム色をしているが、端の方だけは無数の雑草の影によってベージュ色の網目ができている。

「ちょっとしゃがまないで!」

カッペリが叱る声は好奇心に消されてしまう。

(この草、普通の草だ。)


一本抜いて観察する。植物のことはよく分からない。だがどこにでもある細長い雑草だ。葉脈は平行脈であるから単子葉類だと分かった。


「ちょっと聞いてんの?ほらっ……立って!」とカッペリは左右多の肩を持ち上げる。「えっ……あっ……すいません」ととぼけて返事をし、左右多はようやく立ち上がった。


どうということはない。しかし死んだのか生きているのかさえ分からない。しかしこの世界を全く……知らない身分にとって、ある種の新鮮さを与えた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。