宿泊
2017/06/02 魔札の上限数を変更しました。
美湖が見つけた『安らぎの風』は、大きめの木製の建物で、ランプが優しい明かりをともしている。建物に入ると、元気そうな少女が出てきた。
「いらっしゃいませ!お客様はおひとりですかぁ?」
(何この子!?めちゃくちゃかわいい!!)
美湖は、暴走しそうな自分を何とか抑えて、
「はい、一人です。まだ、部屋は空いてますか?」
「はい!空いてますよ。何泊しますか?一泊200ルクスです。」
「じゃあ、とりあえず3泊お願いします。これ代金です。」
美湖は、銀の札の中から金貨を1枚出し少女に渡した。
「えーと、金貨1枚だから、お釣りが銀貨94枚ですね。少々お待ち下さい。」
少女は、一度裏手に行き、大きな袋を抱えて戻ってきた。その袋は、少女が歩く度に、ジャラジャラと音を立てる。
「今から数えますので少々お待ち下さい。」
少女は銀貨を数え始めたが、時間がかかりそうなため、
「私も手伝います。」
と、美湖も銀貨数えを始めた。10分足らずで数え終わったので、銀貨を金の封じの札にしまう。
「ありがとうございます。それにしてもすごいスキルですね。では、こちらに名前をお願いします。」
宿泊名簿に名前を記入するように言われ、自分の名前を記入する。
「ミコ様ですね。では、部屋にご案内します。あなたの部屋は、21号室ですね。」
少女に連れられて、美湖は部屋に連れていかれた。案内された部屋は、ベッドが一つあり、キャビネットとランプが置いてあった。
「では、こちらでお休みください。晩御飯は隣に併設されている食堂で食べることができます。また、朝食も同様です。では、ごゆっくり。」
少女は、部屋から出ていった。美湖はとりあえずベッドにダイブしてみた。
「おお~~、結構ふかふかだぁ。あ~、疲れた~。」
一日歩き続けていたため、結構疲れがたまっていたようだ。少し休むつもりが、美湖は眠りについてしまった。
~30分後~
「っ、ああ~、寝るつもりはなっ狩ったんだけどな。いい時間だし、ご飯食べに行こっかな。」
美湖は、部屋を出て隣に併設されている食堂にむかった。扉を開けると、少々きつめのアルコールのにおいが漂ってきた。
「うひゃー、すごいお酒の匂い。僕、匂いだけでよっぱらちゃいそう。」
とりあえず、匂いの少なそうな席を見つけ、机の上に置いてある、メニューを見てみる。様々なメニューが書いてあるが、がっつり系の物が多かった。
「うわ~、結構重たそうなものが多いな。まぁ、おなかすいてるしこれでいいか。」
美湖は、住みませ~んと、従業員を呼び注文をする。注文したのは、黒イノシシのステーキと、赤キャベツのサラダだった。しばらくすると、大きな皿に乗ったまだジュージュー言っている肉と、これまた大盛りのサラダが運ばれてきた。
「うわ!おいしそう。いただきます。」
美湖は、ステーキとサラダを30分くらいで食べ終え、代金100ルクスを支払い、宿の部屋に戻った。
「そういえば、僕のスキルは大まかなことは、女神さまから聞いたけど、細かいことって何ができるんだろう。」
美湖は、自分に鑑定をかけていく。すると自分のステータスが現れ、スキルも細かく説明文が表示された。
「ステータスは、今はいいか。スキルの詳細はっと...」
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封札
特定の札に、指定したものを封じる、または開放することができる。また、封じたものを札のなかで分解することができる。その際、札は一度空となり、分解物は解放される。封じれないものはなく、一枚の札に別種のものを封じることはできない。
特定の札の作成ができる。必要なものは、魔石か、金、銀、銅の鉱石である。
魔石→魔札(010~500)
金鉱石→金の札(0/100)
銀鉱石→銀の札(0/50)
銅鉱石→銅の札(0/20)
となる。
鑑定
あらゆるものの、理を見ることができる。
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「うわ...これ、バグってるわ。こんなスキル持ってるって知れたらとんでもないことになっちゃう。明日、探索者クランでアリアさんに聞かないと。」
美湖は、不安で仕方ないが、明日に備えて眠ることにした。